管理栄養士の過去問
第25回
基礎栄養学 問87

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問87 (訂正依頼・報告はこちら)

水・電解質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。
  • 不感蒸泄では、電解質の喪失はない。
  • 同じ重量の糖質と脂質から生成される代謝水の量は、変わらない。
  • 体内水分量の60~70%は、細胞間液である。
  • バソプレシンは、尿量を増加させる。
  • 水分欠乏型脱水では、細胞内液量は変わらない。

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この過去問の解説 (3件)

01

基礎栄養学/水・電解質の栄養的意義からの出題です。

選択肢1. 不感蒸泄では、電解質の喪失はない。

正しい記載です。不感蒸泄は発汗とは異なり電解質の喪失を伴いません。

選択肢2. 同じ重量の糖質と脂質から生成される代謝水の量は、変わらない。

代謝水は糖質1gから0.56g、脂質1gから1.07g、たんぱく質1gから0.43g産生されます。

選択肢3. 体内水分量の60~70%は、細胞間液である。

細胞間液は体重の約15%程度です。

選択肢4. バソプレシンは、尿量を増加させる。

パソプレシンは抗利尿ホルモンです。よって尿量を減少させます。

選択肢5. 水分欠乏型脱水では、細胞内液量は変わらない。

水分欠乏型脱水は大量の発汗などによって起こりやすく、ナトリウムの損失が大きいため細胞内液量は減少します。

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02

正解は【不感蒸泄では、電解質の喪失はない。】です。

以下、詳細の説明です。

選択肢1. 不感蒸泄では、電解質の喪失はない。

不感蒸泄は発汗の水分ではなく、皮膚の表面または呼気で失われる水分です。

発汗は水分だけでなくナトリウムイオンの損失を伴うため、電解質の喪失があります。

選択肢2. 同じ重量の糖質と脂質から生成される代謝水の量は、変わらない。

×

代謝水とは、体内でエネルギー源として栄養素が酸化分解されるときに生じる水を指します。

脂肪、炭水化物、たんぱく質が酸化分解されるときは、それぞれ1g当たり1.07ml、0.56ml、0.41mlの代謝水が生じます。

よって、同じ重量の糖質と脂質から生成される代謝水の量は変わります。

選択肢3. 体内水分量の60~70%は、細胞間液である。

×

人の体内水分量は体重の約60%であり、その2/3が細胞内液、1/3が細胞外液です。

よって、体内水分量の60~70%は細胞内液です。

選択肢4. バソプレシンは、尿量を増加させる。

×

バソプレシンは脳下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモンで、腎遠位尿細管での水の再吸収を促進します。

よって、分泌されると尿量を低下させます。

選択肢5. 水分欠乏型脱水では、細胞内液量は変わらない。

×

水分欠乏型脱水(高張性脱水)では血液中の水分が欠乏し、血液中の塩分濃度が高くなります。

よって、水分が細胞内から細胞外へ移動するため、細胞内液量は減少します。

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03

正解は、「不感蒸泄では、電解質の喪失はない。」です。

選択肢1. 不感蒸泄では、電解質の喪失はない。

 不感蒸泄では体表や肺から水が 「蒸発」 するだけで、発汗は含まれていません。そのため、電解質は含まれません。

選択肢2. 同じ重量の糖質と脂質から生成される代謝水の量は、変わらない。

同じ重量の糖質と脂質から生成される代謝水の量は変わります。

選択肢3. 体内水分量の60~70%は、細胞間液である。

体内水分量の60~70%は、細胞内液です。

選択肢4. バソプレシンは、尿量を増加させる。

バソプレシンは、抗利尿ホルモンのため尿量を低下させます。

選択肢5. 水分欠乏型脱水では、細胞内液量は変わらない。

水分欠乏型脱水では、細胞内液量は減少します。

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