管理栄養士の過去問
第25回
臨床栄養学 問123

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問123 (訂正依頼・報告はこちら)

臨床検査から推定できる栄養状態に関する記述である。正しいのはどれか。
  • 血中ヘマトクリット値から、血液の総容積に対する赤血球の相対的容積(%)を推定できる。
  • 血清1,5‐アンヒドログリシトール値から、体たんぱく質貯蔵状態を推定できる。
  • 尿中ケトン体増加から、エネルギー源としての糖質利用亢進が推定できる。
  • 24時間尿中クレアチニン排泄量から、体脂肪量を推定できる。
  • 血清コリンエステラーゼ値から、体内のカルシウム貯蔵状態を推定できる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 血中ヘマトクリット値は、末梢血を遠心法で分離後の赤血球層の容積比率を示しています。よって正となります。

2. 血清1,5-アンヒドログリシトールとは、血液中にブドウ糖に次いで多く含まれる糖です。血糖が高くなれば、血液中の1,5-アンヒドログリシトールは低くなります。短期間の血糖変動の指標として利用され、たんぱく質貯蔵量は反映していないので誤となります。

3. 尿ケトン体は、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸のことです。尿中ケトン体の増加は、インスリン欠乏やストレスによって遊離脂肪酸の動員が亢進した場合です。よって誤となります。

4. 24時間尿中クレアチニン排泄量からは、骨格筋量が推定できるので誤となります。

5. コリンエステラーゼは肝細胞で産生され、高値では、高栄養状態、たんぱく・脂質合成の亢進、低値では、肝障害と低栄養を反映します。よって誤となります。

よって正解は、1. となります。

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02

1 正解です。ヘマトクリット値は、血液中の血球が占める割合を示しています。

2 血清1,5-アンヒドログルシトールは、糖尿病で低下します。たんぱく質貯蔵量は反映しません。

3 ケトン体は、脂質の代謝により発生する代謝産物で、脂質の利用更進を示します。

アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンがあります。
グルコースの代わりに脳のエネルギー源として使われますが、ケトアシドーシスに注意が必要です。

4 クレアチニンは、骨格筋でエネルギー産生に使わるクレアチンが代謝されることで発生します。これを腎臓が濾過、排泄するため、腎機能を反映します。

5 コリンエステラーゼは、コリンエステルをコリンと酢酸に分解する酵素で、これによりたんぱく質を生成しています。
赤血球や筋肉、肝臓や脾臓に含まれていて、肝硬変で低下する特徴があります。

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03

1.血液の総容積に対する赤血球の相対的容積(%)を求める計算式は、
ヘマトクリット ÷ 赤血球数 × 100 です。
よって、正しい答えとなります。

2.血清1,5-アンヒドログルシトール値から、血糖変動の状態を推定できます。
1,5-アンヒドログルシトールは尿糖の排泄量が多いと、尿管での再吸収が阻害されるため、血中濃度が低下します。

3.尿中ケトン体増加から、エネルギー源としての脂質利用亢進が推定できます。

4.24時間尿中クレアチニン排泄量から、骨格筋量を推定できます。

5.血清コリンエステラーゼ値から、肝機能の状態を推定できます。
コリンエステラーゼとは、肝細胞で作られるもので、肝機能が低下すると血中濃度は低下します。

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