管理栄養士の過去問
第29回
臨床栄養学 問132
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問題
第29回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問132 (訂正依頼・報告はこちら)
47歳、男性。事務職。身長165cm、体重62kg ( 標準体重60kg ) 。血圧142/90mmHg。空腹時の血液検査値は、LDL-コレステロール152mg/dL、トリグリセリド148mg/dL、HDL-コレステロール40mg/dLであった。1日にエネルギー1,800kcal、食塩10g、ビール350mLを摂取している。この患者の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- エネルギーの摂取量は、1,200kcal/日とする。
- 飽和脂肪酸の摂取量は、13g/日とする。
- コレステロールの摂取量は、400mg/日とする。
- 食塩の摂取量は、8g/日とする。
- アルコールの摂取量は、エタノール換算で40g/日とする。
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この過去問の解説 (3件)
01
2.飽和脂肪酸のエネルギー比率は、4.5%以上7%未満です。1日に飽和脂肪酸を13g摂取するとして、1日のエネルギー摂取量に占める割合に換算すると、
13g×9kcal/1800kcal×100=6.5%となるので、適正であることが分かります。
よって、正しい答えとなります。
3.LDL-コレステロールが152mg/dLであることから、高LDL-コレステロール血症であることが分かります。そのため、コレステロールを制限する必要があるので、摂取量は400mg/日ではなく200mg/日未満とします。
4.血圧が142/90mmHgであることから、高血圧であることが分かります。そのため、食塩を制限する必要があるので、1日の摂取量を8gから6g未満とします。
5.アルコールの摂取量は、エタノール換算で40g/日ではなく、25g/日以下とします。
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02
問題文から、患者は高血圧(Ⅰ度高血圧)、脂質異常症(高LDLコレステロール血症)に該当します。
【脂質異常症の食事療法】
エネルギー:身体活動量を考慮しながら、標準体重のエネルギー量を維持。
脂肪:20~25%(飽和脂肪酸4.5~7%未満とし、不飽和脂肪酸は増加させる)
コレステロール:200mg/日未満
炭水化物:50~60%
食物繊維:積極的な摂取
食塩:6g/日未満
アルコール:25g/日以下
大豆製品、食物繊維、ビタミン・ミネラルの積極的な摂取が望ましい。
1:身長165cm体重62kgは、BMI22.8で標準に該当するため、エネルギーの制限は必要ありません。エネルギー1,800kcalのまま続行します。
2:正答。脂質異常症の治療において、脂肪の摂取は総エネルギーの20~25%とし、飽和脂肪酸は4.5~7%未満とします。総エネルギー1800kcal×7%は126kcalで、これを脂肪1gあたりのエネルギー9kcalで割ると、14gとなります。飽和脂肪酸14gがこの患者の上限量となりますから、選択肢の13g/日は適切であると言えます。
また、脂質異常症の場合は、不飽和脂肪酸(特にn-3系)の摂取量を増やす必要があります。
3:脂質異常症の治療において、コレステロールの摂取量は200mg/日未満が適切とされています。
4:脂質異常症の治療において、食塩の摂取量は、6g/日未満が適切とされています。
5:脂質異常症の治療において、アルコールの摂取量は、エタノール換算で25g/日以下が適切とされています。
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03
臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。
患者は肥満ではありませんが、高血圧・脂質異常症に該当することがわかります。
1.肥満ではありませんので、エネルギー制限は必要なく、現在の1800kcalのままでよいと考えられます。
2.正しい記載です。飽和脂肪酸は7%エネルギー比が上限となります。1800kcalで計算すると、1800×7%=126kcal。1gあたり9kcalとして14gとなります。これが上限ですので、13gは妥当と考えられます。
3.コレステロールは1日200㎎未満が望ましいと考えられます。
4.高血圧があるため、1日6g未満とします。
5.アルコールは1日25g以下とします。
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