管理栄養士の過去問
第32回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問20
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問題
第32回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
酵素に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- ミカエリス定数( Km )が小さいほど、酵素と基質の親和性が低い。
- アポ酵素は、単独で酵素活性をもつ。
- 化学反応における活性化エネルギーは、酵素によって低下する。
- 酵素の反応速度は、至適pHで最小となる。
- 律速酵素は、代謝経路で最も速い反応に関与する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.ミカエリス定数が小さいほど、酵素と基質の親和性が高くなります。
ミカエリス定数とは、酵素反応最大速度の1/2になるときの基質濃度をkmであらわしたものです。酵素にとっては重要な定数で、酵素特有の値となります。
2.単独で酵素活性をもつ酵素は、ホロ酵素です。逆に、単独では酵素活性を示さない酵素をアポ酵素といいます。アポ酵素が活性するには補助因子と結合して、ホロ酵素になる必要があります。
3.活性化エネルギーとは、化学反応を起こさせるためのの活性化に必要なエネルギーのことです。酵素は反応エネルギーを下げて、反応の速さを上昇させる働きがあります。
4.酵素の反応速度は、至適pHで最大となります。
至適pHとは、酵素が作用を発揮する最適のpHのことをいいます。
5.律速酵素は、代謝経路で最も遅い反応に関与する酵素です。
律速という言葉は、光合成や成長など複数の反応段階からなる過程が進む速度を決めている要因が何かを考えるときに使われます。
複数の化学反応が連続して起こる、ある一連の化学反応系において、その全体の反応速度を決定する要因になる最も進行の遅い反応を触媒する酵素を律速酵素といいます。
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02
活性化エネルギーは、酵素と基質が結合し、低下します。
1.誤りです。
ミカエリス定数(Km)は、酵素反応の目安として利用される係数です。ミカエリス定数が高い方が、同じ最大反応速度を得ていても、多くの基質が必要となるので、親和性が低いと言えます。
2.誤りです。
単独で酵素活性をもつ酵素はホロ酵素です。
4.誤りです。
酵素の反応速度は、至適㏗で最大となります。
5.誤りです。
律速酵素は、代謝経路で最も遅い反応に関与します。
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03
(1)誤り。
ミカエリス定数(Km)が小さいほど、酵素と気質の親和性が高くなる。
(2)誤り。
アポ酵素は、補因子または補欠分子族と結合して酵素活性を発揮する酵素であり、単独では活性を持たない。
なお、アポ酵素が補因子または補欠分子族と結合したものをホロ酵素といい、単独で酵素活性を持つ。
(3)正解。
基質から生成物に変化するために使うエネルギー【活性化エネルギー】は、酵素と基質が結合することで減少する。
(4)誤り。
酵素の反応速度は至適pHで「最大」となる。
ある酵素において、その酵素の活性が最大となるpH及び温度があり、それぞれ至適(最適)pH、至適(最適)温度と呼びます。
これらの条件を満たすとき、酵素反応速度は最大となります。
(5)誤り。
律速酵素は、代謝経路で最も「遅い」反応に関与する。
生体内の反応は一群の酵素が順序よく作用します。
一連の反応系全体の速度は、最も遅い反応(律速段階)の速度で決まり、これを触媒する酵素を律速酵素といいます。
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