管理栄養士の過去問
第32回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問19

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

脂質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • ドコサヘキサエン酸は、中鎖脂肪酸である。
  • アラキドン酸は、n3系脂肪酸である。
  • ジアシルグリセロールは、複合脂質である。
  • 胆汁酸は、ステロイドである。
  • スフィンゴリン脂質は、グリセロールを含む。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.ドコサヘキサエン酸(DHA)とは、不飽和脂肪酸の一種で、体内で生成できない必須脂肪酸です。さんまやいわし、サバなどの青魚に多く含まれています。
脳や神経機能の発達と関係が深く、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあると言われています。

2.アラキドン酸とは、n-6系脂肪酸です。体内で合成できないため、食べ物から摂取する必要があり、主に魚油や卵白、レバーに多く含まれます。
神経、免疫などの機能を調整したり、情報伝達物質としての役割もあります。

3.ジアシルグリセロールは、単純脂質です。
単純脂質ーーー脂肪酸とエステルの総称。中性脂肪(トリアシルグリセロール)、コレステロールエステルが代表とされます。
複合脂質ーーー脂肪酸の他に、リン脂質や糖脂質が含まれます。主に生体膜の構成に必要です。
誘導脂質ーーー単純脂質、複合脂質が加水分解され、脂質の性質を示すものです。主に、ステロイド、カロテノイドなどがあります。

4.胆汁酸はステロイドです。
胆汁酸とは、胆汁の主成分で、その主要固形成分として含有されるのが、ステロイド化合物です。

5.リン脂質は、グリセロリン脂質とスフィンゴ脂質の2種類に分けられます。
グリセロリン脂質ーーー脂肪酸、グリセロール、リン酸、コリン、セリン
スフィンゴ脂質ーーー脂肪酸、スフィインゴシン、コリン

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02

正解は(4)

(1)誤り。
ドコサヘキサエン酸は、不飽和脂肪酸です。
中鎖脂肪酸は炭素数が8~10程度の脂肪酸のことをさします。カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸。

中鎖脂肪酸は、水に溶けやすいため、膵リパーゼによって加水分解され、吸収されやすい。また、門脈を経て直接肝臓に運ばれ、すみやかに分解されるので、炭素数の多い長鎖脂肪酸に比べてエネルギーになりやすいのが特徴です。

(2)誤り。
アラキドン酸はn‐6系です。
n-6系は、リノール酸、γ-リノレン酸があります。
n-3系は、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸が該当します。


(3)誤り。
ジアシルグリセロールは、グリセロールに脂肪酸が2個エステル結合によって結合しているものです。
ジアシルグリセロールを含むアシルグリセロールは単純脂質です。
複合脂質は、アルコールや脂肪酸の他に、リン酸、糖、タンパク質などの極性基を含んでいる脂質をさします。
(リン脂質、糖脂質、リポタンパク質など)

(4)正解。
ステロイド核をもつものがステロイドです。
胆汁酸の他に、コレステロール、ステロイドホルモン、プロビタミンD類も該当します。

(5)誤り。
スフィンゴリン脂質はグリセロールではなく、スフィンゴシンを含みます。
グリセロールを含むと、グリセロリン脂質になります。

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03

正解.4
ステロイドは、生物の生体内にて生合成されます。胆汁に含まれる胆汁酸として利用されています。
そのほかにも、中性脂質やたんぱく質、糖質とともに細胞膜の構成成分であったり、ホルモン類としても利用されています。

1.誤りです。
中鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸のひとつで、乳製品やパーム油などに多く含まれています。ドコサヘキサエン酸は、不飽和脂肪酸のひとつです。

2.誤りです。
アラキドン酸は、n6系脂肪酸です。

3.誤りです。
ジアシルグリセロールは、グリセリン(グリセロール)に2つの脂肪酸がエステル結合した分子であるので、単純脂質です。複合脂質とは、単純脂質に対し、燐酸、糖類、窒素化合物などが含まれる脂質のことです。

5.誤りです。
グリセロリン脂質が、グリセロールを含みます。スフィンゴ脂質ではありません。

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