管理栄養士の過去問
第35回
午前の部 問74
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問題
第35回 管理栄養士国家試験 午前の部 問74 (訂正依頼・報告はこちら)
脂質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- ホルモン感受性リパーゼの活性は、インスリンにより亢進する。
- 脂肪細胞内のトリグリセリドは、主にリポたんぱく質リパーゼにより分解される。
- 食後は、肝臓でケトン体の産生が促進する。
- カイロミクロンは、小腸上皮細胞で合成される。
- VLDLのトリグリセリド含有率は、カイロミクロンより高い。
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この過去問の解説 (3件)
01
脂質代謝の問題です。
糖質やたんぱく質と同様、こちらも頻出となるので覚えておくようにしましょう!
第32回にも同じような問題が出ています。過去問も解くことをお勧めします。
ホルモン感受性リパーゼは脂肪細胞によって現れ、トリアシルグリセロールを加水分解して脂肪酸とグリセロールを作る酵素です。
アドレナリンによって促進され、インスリンによって抑制されます。
脂質細胞内のトリグリセリドはホルモン感受性リパーゼによって分解されます。
ケトン体の産生が促進されるのは、空腹時です。
よって誤りになります。
正答
VLDLのトリグリセリド含有量はカイロミクロンより低いです。
低い順からカイロミクロン→VLDL→IDL→LDL→HDLとなります。
どちらもリポたんぱくであり、脂質とたんぱく質の複合体の総称です。
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02
正答は(カイロミクロンは、小腸上皮細胞で合成される。)
(誤)
ホルモン感受性リパーゼの活性は、インスリンにより抑制されます。
ホルモン感受性リパーゼの活性は、アドレナリン、グルカゴン、成長ホルモン、及び糖質コルチコイド等によって亢進されます。
(誤)
脂肪細胞内のトリグリセリドは、主にホルモン感受性リパーゼにより分解されます。
リポたんぱく質リパーゼは、血液中のリポたんぱく質に含まれるトリアシルグリセロールを分解します。
(誤)
食後は、肝臓でケトン体の産生が抑制されます。
肝臓でケトン体の産生が促進するのは、空腹時です。
(正)
カイロミクロンは、小腸上皮細胞で合成されます。
カイロミクロンは外因性脂質を肝臓、脂肪、心臓、および骨格筋組織に輸送する働きがあります。
(誤)
VLDLのトリグリセリド含有率は、カイロミクロンより低いです。
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03
消化・吸収された脂質はリポたんぱく質として生体内の各組織に運搬されます。
ポイントをおさえて理解しておきましょう。
ホルモン感受性リパーゼの活性は、インスリンにより抑制します。
ホルモン感受性リパーゼは中性脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解します。
飢餓状態などのときに、脂肪をエネルギーとして利用するために活性化します。
インスリンは食後血糖を下げる働きをするため、逆の作用を示します。
脂肪細胞内のトリグリセリドは、主にホルモン感受性リパーゼにより分解されます。
リポたんぱく質リパーゼは血中のリポたんぱく質に含まれるトリグリセリドを分解します。
食後は、肝臓でケトン体の産生が抑制されます。
ケトン体は糖尿病や飢餓状態の時に糖利用が低下し、生成されます。
肝臓に酵素がないため肝臓では利用はされませんが、肝外組織では代謝され、腎臓や心臓筋肉などでエネルギー源となります。
また、脳のエネルギー源にもなります。
正しいです。
カイロミクロンはリポたんぱく質の一種で、トリグリセリドを一番多く含みます。
食物に含まれる脂質から合成され、脂質は小腸で吸収されるためです。
VLDLのトリグリセリド含有率は、カイロミクロンより低いです。
トリグリセリド含量はカイロミクロン、VLDL、IDL、LDL、HDLの順に高くなっています。
サイズは右に行くほど小さくなり、比重は重くなります。
トリグリセリド含量が少なくなりたんぱく質含量が多くなるためです。
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