管理栄養士の過去問 第35回 午前の部 問73
この過去問の解説 (3件)
正答は(2)
1.(誤)
飢餓時には、窒素出納が負になります。
窒素出納とは、窒素の摂取量と排泄量の差を見たものです。
窒素出納を測定することによってたんぱく質の増減を概算することができます。
2.(正)
過剰なたんぱく質の摂取は、アミノ酸の異化を亢進します。
3.(誤)
たんぱく質効率(PER)は、生物価に消化吸収率を加味しません。
たんぱく質効率(PER)は、摂取たんぱく質1g当たりの体重増加量です。
生物価に消化吸収率を加味するのは、正味たんぱく質利用率です。
4.(誤)
アミノ酸価は、摂取エネルギー量に影響されません。
アミノ酸価は、食品中の必須アミノ酸の含有比率を評価するための数値です。
5.(誤)
可欠アミノ酸は、体たんぱく質合成に利用されます。
1.窒素出納とは体内の窒素バランスのことです。
飢餓状態では負、蓄積状態では正になります。
2.異化とは簡単に置き換えると”分解”です。
過剰に摂取されると、異化(分解)はその分すすみます。
つまり正答となります。
3.生物価に消化吸収率を加味するのは正味たんぱく質利用率です。
4.アミノ酸価とはアミノ酸量を100としたとき、それぞれ食品に含まれるアミノ酸の量になります。摂取エネルギーに影響は受けません。
5.可決アミノ酸は非必須アミノ酸ともよばれており、たんぱく質の合成に利用されます。
たんぱく質の栄養価の評価方法には、生物学的評価法と、化学的評価方法があります。
それぞれを理解しておくことが大切です。
飢餓時には、窒素出納が負になります。
食事中の窒素は主としてたんぱく質に由来し、体内では過剰のアミノ酸が分解して、窒素分は尿中に排泄することから、たんぱく質の出納は窒素出納で置き換えることができます。
成人の場合、通常摂取した窒素と排泄される窒素は平衡状態を保っていますが、成長期、妊娠期、病気の回復期などには体たんぱく質が蓄積することにより、窒素出納は正の状態になります。
また、絶食、外傷、骨折、摂取たんぱく質の不足、ストレスなどでは、体たんぱく質の分解が多くなり窒素出納は負の状態となります。
正しいです。
異化とは分解してエネルギーを生み出すことです。
過剰なたんぱく質の摂取は、アミノ酸を分解してエネルギー産生に利用されます。
たんぱく質効率(PER)=体重増加量/摂取たんぱく質量 で求められます。
生物価に消化吸収率を加味しているのは正味たんぱく質利用率(NPU)であり、生物価 × 消化吸収率 × 1/100 で求められます。
生物価とは吸収された窒素のうち体内に保留された窒素の割合(%)のことです。
アミノ酸価は、摂取エネルギー量に影響されません。
アミノ酸価とは、食品中に必須アミノ酸がどれだけ含まれているかを示しており、各食品のたんぱく質の栄養価を評価するために利用されています。
可欠アミノ酸は、体たんぱく質合成に利用されます。
たんぱく質を合成するアミノ酸は20種類あり、体内で合成できないか、合成速度が遅いため食物から摂取しなければならない不可欠アミノ酸9種類と、それ以外の可欠アミノ酸(非必須アミノ酸)からなります。
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。