管理栄養士の過去問
第35回
午前の部 問84

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問題

第35回 管理栄養士国家試験 午前の部 問84 (訂正依頼・報告はこちら)

日本人の食事摂取基準(2020年版)における栄養素の指標に関する記述である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • RDAは、個人での摂取不足の評価に用いる。
  • 摂取量がAIを下回っていても、当該栄養素が不足しているかを判断できない。
  • ULには、サプリメント由来の栄養素を含まない。
  • DGの設定で対象とした生活習慣病に、CKDが含まれる。
  • DGの算定に、エビデンスレベルが付された。

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この過去問の解説 (3件)

01

日本人の食事摂取基準(2020年版)で2015年版からの大まかな部分は変更されてません。今回の問題ではその違いについては問われていませんので、惑わされないようにしてください。

改定したポイントは大きく3点です。
①3~5歳の目標量が新しく設定された
②妊婦・授乳婦の目標量が新しく設定された
③18歳~64歳と65歳以上の男性の目標量が1gずつプラスされ、それぞれ21g以上/日、20g以上/日となったこと

ぜひ参考にしてください。
それでは解説です。

1.RDA(推奨量)は、個人での摂取不足の評価に用いるものです。

2. 摂取量が AI(目安量)を下回っていても、当該栄養素が不足しているかを判断できません。

3.誤り
UL(耐容上限量)には、サプリメント由来の栄養素を含みます。

4.DG(目標量)の設定で対象とした生活習慣病に、CKD が含まれます。
DGと対象は生活習慣病は、高血圧、脂質異常症、糖尿病及びCKDです。

5.DG の算定に、エビデンスレベルが付されてます。

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02

正答は(3)

1.(正)

RDAは、個人での摂取不足の評価に用いる事ができます。

推奨量(recommended dietary allowance: RDA)は、ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量であるとされています。

2.(正)

摂取量がAIを下回っていても、当該栄養素が不足しているかを判断する事はできません。

目安量(adequate intake: AI)は、推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量であるとされています。

3.(誤)

ULには、サプリメント由来の栄養素も含まれます。

上限量(tolerable upper intake level: UL)は、ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量であるとされています。

4.(正)

DGの設定で対象とした生活習慣病に、CKDが含まれています。

目標量(tentative dietary goal for preventing life-style related diseases: DG)は、生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(または、その範囲)であるとされています。

目標量の設定で対象とした生活習慣病は、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病です。

また、高齢者におけるフレイルも検討対象とされています。

5.(正)

DG の算定に、エビデンスレベルが付されました。

エビデンスレベルとは、どの程度信頼できる根拠によって、実証されているか示す指標の事です。

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03

日本人の食事摂取基準(2020年版)における変更点や、指標について覚えておきましょう。

選択肢1. RDAは、個人での摂取不足の評価に用いる。

正しいです。

RDA(推奨量)はある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団に属するほとんどの者(97〜 98%)が充足している量と定義されています。

推定平均必要量を補助する目的で用いられています。

選択肢2. 摂取量がAIを下回っていても、当該栄養素が不足しているかを判断できない。

正しいです。

AI(目安量)は特定の集団における、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量としています。

特定の集団において不足状態を示す者がほとんど観察されない量です。

選択肢3. ULには、サプリメント由来の栄養素を含まない。

誤りです。

UL(耐用上限量)には、サプリメント由来の栄養素を含みます

健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限として設定されています。

選択肢4. DGの設定で対象とした生活習慣病に、CKDが含まれる。

正しいです。

DG(目標量)は生活習慣病の発症予防を目的として、特定の集団において、その疾患のリスクや、その代理指標となる生体指標の値が低くなると考えられる栄養状態が達成できる量として算定されています。

目標量の設定で対象とした生活習慣病は、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)です。

高齢者におけるフレイルも検討対象としています。

選択肢5. DGの算定に、エビデンスレベルが付された。

正しいです。

エビデンスレベルとはエビデンスの信頼度の程度を示す指標です。

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