管理栄養士の過去問
第35回
午前の部 問85

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問題

第35回 管理栄養士国家試験 午前の部 問85 (訂正依頼・報告はこちら)

日本人の食事摂取基準(2020年版)の基本的事項に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 糖類のEARが設定されている。
  • EARの算定の根拠として用いられた数値は、全ての年齢区分で観察されたものである。
  • フレイル予防が、策定に考慮されている。
  • 高齢者の年齢区分は、70歳以上とした。
  • 短期間の食事の基準を示すものである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(3)

1.(誤)

糖類のEARは設定されていません。

糖類は、現状摂取量及び給与量を日本人において測定することは困難である為、EAR、RDA、AI、DG、ULのいずれも設定されていません。

2.(誤)

EARの算定の根拠として用いられた数値は、全ての年齢区分で観察されたものではありません。

推定平均必要量(estimated average requirement: EAR)は、特定の集団を対象として測定された必要量から、性・年齢階級別に日本人の必要量の平均値を推定したものです。

当該性・年齢階級に属する人々の50%が必要量を満たすと推定される1日の摂取量であるとされています。

しかしながら、全ての年齢区分(乳児等)において、推定平均必要量を測定する事は困難であるとされています。

3.(正)

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、フレイル予防が、策定に考慮されています。

4.(誤)

高齢者の年齢区分は、65〜74 歳、75 歳以上の二つの区分とされています。

5.(誤)

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、「食事摂取基準は、習慣的な摂取量の基準を与えるものであり、「1日当たり」を単位として表現したものである。短期間(例えば、1日間)の食事の基準を示すものではない。」とされています。

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02

日本人の食事摂取基準(2020年版)の総論を理解し、ポイントをおさえておきましょう。

選択肢1. 糖類のEARが設定されている。

糖類のEARは設定されていません

糖類は、食品成分表においても、いまだ未測定の食品が多く、日本人における摂取量を知るのは困難であるため、いずれの指標も設定されていません。

選択肢2. EARの算定の根拠として用いられた数値は、全ての年齢区分で観察されたものである。

EARの算定の根拠として用いられた数値は、全ての年齢区分で観察されたものではありません

日本人の食事摂取基準(2020年版)総論に、『出生後6か月未満の乳児では「推定平均必要量」や「推奨量」を決定するための実験はできない』とあります。

選択肢3. フレイル予防が、策定に考慮されている。

正しいです。

日本人の食事摂取基準(2020年版)新たな改訂ポイントとして、

高齢者のフレイル予防の観点から、総エネルギー量に占めるべきたんぱく質由来エネルギー量の割合(%エネルギー)について、65歳以上の目標量の下限を13%エネルギーから15%エネルギーに引き上げられました。

選択肢4. 高齢者の年齢区分は、70歳以上とした。

高齢者の年齢区分は、65〜74 歳、75歳以上としています。

選択肢5. 短期間の食事の基準を示すものである。

短期間の食事の基準を示すものではありません

習慣的な摂取量の基準を与えるものであり、1日当たりを単位として表現したものです。

『短期間(1日間)の食事の基準を示すものではない』とあります。

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03

日本人の食事摂取基準の問題は、EARといった形で英語で表記されることが多いです。
それぞれどんな意味を持っているのか、理解したうえで進めていきましょう。

1.糖類は、推定平均必要量、推奨量、目標量、耐容上限量、目標量、目安量のいずれの値も設定されていません。
推定平均必要量(EAR):ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団における必要量の平均値の推定値を示すもの

2. EAR の算定の根拠として用いられた数値は、全ての年齢区分で観察されたものではありません。
日本人の食事摂取基準によると「出生後6か月未満の乳児では「推定平均必要量」や「推奨量」を決定するための実験はできない」とされていますので誤りです。

3.正答

4.高齢者の年齢区分は、65〜74 歳、75 歳以上の二つの区分とされています。
高齢者については、咀嚼能力の低下、消化・吸収率の低下、運動量の低下にともなう食事摂取量の低下などの問題を指摘しています。

5.日本人の食事摂取基準は習慣的な摂取量の基準を与えるものであり、短期間の食事の基準を示すものではありません。

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