管理栄養士の過去問
第35回
午前の部 問86

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問題

第35回 管理栄養士国家試験 午前の部 問86 (訂正依頼・報告はこちら)

日本人の食事摂取基準(2020年版)における栄養素の基準の設定に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • たんぱく質のDGの下限は、全ての年齢区分で同じである。
  • 総脂質のDGの上限の設定には、飽和脂肪酸のDGが考慮されている。
  • ビタミンDのAIの設定には、紫外線曝露の影響が考慮されていない。
  • ビタミンB1のEARは、要因加算法で算定されている。
  • 葉酸のEARは、食事性葉酸(ポリグルタミン酸型)で設定されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(2)

1.(誤)

たんぱく質のDGの下限は、年齢区分によって異なります。

1~49歳で13~20%E、50~64歳で14~20%E、65歳以上で15~20%Eとされています。

2.(正)

総脂質のDGの上限の設定には、飽和脂肪酸のDGが考慮されています。

3.(誤)

ビタミンDのAIの設定には、紫外線曝露の影響が考慮されています。

ビタミンDは、食品からの摂取以外で紫外線曝露によってヒトの皮膚で生成される事が理由となっています。

4.(誤)

ビタミンB1のEARは、尿中への排泄量から推定されています。

水溶性ビタミンは、必要量を満たすまではほとんど尿中に排泄されず、必要量を超えると、急激に尿中排泄量が増大するという考え方に基づいています。

5.(誤)

葉酸のEARは、プテロイルモノグルタミン酸相当量として数値を設定しています。

プテロイルモノグルタミン酸相当量は、食事性葉酸量として示されています。

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02

1.たんぱく質の DG(目標量)の下限は、年齢区分により異なります。
1~49歳:13~20 %エネルギー
50~64 歳:14~20 %エネルギー
65 歳以上:15~20 %エネルギー
となります。

2.正答
飽和脂肪酸はエネルギー比率の7%以下とされてます。

3.ビタミン D の AI(目安量)の設定には、紫外線曝露の影響が考慮されています。
また日本人の食事摂取基準2020において、ビタミンDの基準値は、日照により皮膚でビタミンDが産生されることを踏まえ、フレイル予防を図る者はもとより、全年齢区分を通じて、日常生活において可能な範囲内での適度な日光浴を心がけるとともに、ビタミンDの摂取については、日照時間を考慮に入れることが重要である。」との内容が加えられました。

4.ビタミン B1 の EAR(推定平均必要量)は、尿中にビタミンB1 の排泄量が増大し始める摂取量から算定されています。
ビタミンB1は水溶性ビタミンのため尿中に排泄されるためです。

5.葉酸の EAR は、プテロイルモノグルタミン酸で設定されています。
巨赤芽球性貧血予防に必要な葉酸をEARとしてます。

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03

日本人の食事摂取基準(2020年版)の各栄養素の基準設定について理解しておきましょう。

選択肢1. たんぱく質のDGの下限は、全ての年齢区分で同じである。

たんぱく質のDGの下限は、全ての年齢区分で同じではありません

1〜49歳で13〜20%E、50〜64歳で14〜20%E、65歳以上で15〜20%Eとなっています。

高齢者では特にフレイル及びサルコペニアの発症予防も考慮した値であることが望まれます。

選択肢2. 総脂質のDGの上限の設定には、飽和脂肪酸のDGが考慮されている。

正しいです。

脂質の目標量は、『日本人の代表的な脂質摂取量(脂肪酸摂取比率)を考慮し、飽和脂肪酸の目標量の上限を超えないように上限を算定する必要がある』とあります。

選択肢3. ビタミンDのAIの設定には、紫外線曝露の影響が考慮されていない。

ビタミンDのAIの設定には、紫外線曝露の影響が考慮されています

しかし、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、

『紫外線の作用により、皮膚でビタミンDが産生されるが、その量は、緯度・季節・屋外活動量・サンスクリーン使用の有無などの要因によっ て大きく左右されるため、個人におけるビタミン D 摂取の必要量は異なる。活用に当たっては、各個人の環境・生活習慣を考慮することが望ましい』とあります。

選択肢4. ビタミンB1のEARは、要因加算法で算定されている。

ビタミンB1のEARは、尿中ビタミンB1排泄量が増大し始める摂取量から算定されています。

選択肢5. 葉酸のEARは、食事性葉酸(ポリグルタミン酸型)で設定されている。

葉酸のEARは、プテロイルモノグルタミン酸相当量で設定されています。

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