ケアマネの過去問
平成30年度(第21回)
保健医療サービスの知識等 問32
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問題
ケアマネジャー試験 平成30年度(第21回) 保健医療サービスの知識等 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。
- レビー小体型認知症では、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状を伴うことがある。
- うつ状態が続くと、認知症と診断されてしまうことがある。
- 認知症の初期では、ADLの低下がみられ、進行するとIADLの低下が起こってくる。
- せん妄は意識障害であり、認知症と区別する必要がある。
- 認知症初期集中支援チームの訪問支援対象者は、初期の認知症患者に限られる。
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この過去問の解説 (3件)
01
2.◯ 判断能力や記憶力の低下、抑鬱状態などの症状により、認知症と判断される場合もあります。
3.✖️ IADLから支障が出てくる場合が多いです。
4.◯ せん妄は1日の中でも症状の変動があり、急に発症します。
5.✖️ 厚生労働省の資料によると、認知症初期集中支援の対象者は以下のように定められています。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000035310.pdf
40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人で以下のいずれかの基準に該当する人
◆医療サービス、介護サービスを受けていない人、または中断している人で以下のいずれかに該当する人
(ア) 認知症疾患の臨床診断を受けていない人
(イ) 継続的な医療サービスを受けていない人
(ウ) 適切な介護保険サービスに結び付いていない人
(エ) 診断されたが介護サービスが中断している人
◆医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している人
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02
レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症の次に多い認知症です。その症状は注意力低下、認知機能低下、幻視、パーキンソン病のような症状とされています。パーキンソン病のような症状とは具体的には、動作緩慢、静止時の振戦、筋固縮、寡動(※)などが挙げられます。幻視に関連して見間違えや勘違いが起きることで被害妄想を呈することもあります。また、近年ではレビー小体型認知症の症状としてレム睡眠行動異常が診断基準に加えられました。これは、睡眠中に悪い夢を見て寝言や大声を出すなどし、怒ったり暴れるなどの行為がみられるような症状です。
※寡動(かどう)=素早い動作ができなくなること。「無動」と表現されることもあります。
2.◯
うつ状態と認知症の症状では共通点があり、うつが認知症として、逆に認知症がうつとして診断されることがあります。うつ状態でも認知症でも物忘れがみられます。その他に、認知症と診断されやすい病気としてはてんかんや水頭症、硬膜下血腫などがあります。また、脱水症状に陥った時に現れる症状も認知症と間違われやすいです。
3.✖️
できていた家事ができなくなる、買い物がスムーズにできなくなる、運転ができなくなる、着替えができなくなるなど認知症の初期症状ではIADLから支障が出てくる場合が多いです。
これまでできていた日常的な作業が出来なくなった、急にわからないことが増えたなどは要注意です。IADLは心理学者M・パウエル・ロートン(アメリカ)らによって発案されました。パウエルらによるIADLの評価項目は以下の8つの項目です。
【IADLを評価する8つの項目】
・電話の使用
・買い物
・食事の準備
・掃除や身の回りの片付け、整理整頓などの家事
・洗濯
・移動
・服薬管理
・財産、金銭の取り扱いや管理
但し、食事の準備、家事、洗濯については、男性は除外して考えます。
4.◯
せん妄では意識障害があり、認知症は意識は概ね正常であるとされています。せん妄では、突如として暴れ出したり妄想的であったり攻撃的になったりという症状がみられます。急な発症や短い時間での変動がある一過性の症状がせん妄です。入院した時や環境が変化した時、身内や知り合いの不幸など心的ストレスが原因になることがあります。また、服薬している薬に含まれている成分によってせん妄が出現することもあります。一方、認知症は記憶障害や失見当識などの症状が持続します。
5.✖️
認知症初期集中支援の訪問対象者は以下のように定められています。
・40歳以上
・在宅で生活しており、認知症が疑われる人
・認知症の人で以下のいずれかの基準に該当する人
・医療サービス、介護サービスを受けていない人、または中断している人で以下のいずれかの基準に該当する人
【厚生労働省が示している基準】
・認知症疾患の臨床診断を受けていない人
・ 継続的な医療サービスを受けていない人
・適切な介護保険サービスに結び付いていない人
・診断されたが介護サービスが中断している人
・医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している人
以上のことから、認知症初期集中支援チームの訪問支援対象者は、初期の認知症患者に限られません。
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03
1、レビー小体型認知症は、手が震える、動作が遅くなる、筋肉がこわばるのようなパーキンソン症状があらわれたり、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状を伴ったりすることがあります。
2、うつ状態の症状である抑うつや不安感が、認知症と診断されることもあります。
3、認知症の初期では、自分で食事の支度をする(IADL)ことができなくても、食事を食べる(ADL)ことはできるというように、IADLから支障をきたす場合が多いです。
4、せん妄は、突然発症し精神状態に変動をきたし数日から数週間症状が続きますが、認知症は徐々に発症しゆっくりと進行していきます。
せん妄と認知症は区別する必要があります。
5、認知症初期集中支援チームの訪問支援対象者は、
・40歳以上であること
・在宅で生活していること
・認知症が疑われる人、または、認知症の人
となっています。
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