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精神保健福祉士の過去問 第19回(平成28年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問51

問題

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次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事 例〕
P市の保健福祉センターに勤務するJ精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)の下に、Kさん(18歳、男性)の母親が相談に訪れた。一人息子のKさんが大学に入学したものの、「大学に行く気になれない」と言って自室にひきこもるようになったという。母親が大学に行くように言っても、Kさんは、「構わないでほしい」と言うばかりで、何度も言うとイライラして声を荒げるため、らちが明かない。父親は、「お前が甘やかして育てたから、弱い性格になってしまった。放っておけばよい」と言うので、夫婦で言い合いが繰り返された。母親は相談できる相手もいなく途方に暮れていたところ、たまたまP市の広報で精神保健相談について知ったという。母親によると、Kさんは元々人との交流が苦手で友達は少なく、家で読書をして過ごすことが多かった。中学生の頃には同級生にいじめられたと言って登校できない時期があった。今回は大学を休み始めた直後、「初日のガイダンスの時、どの教職員も自分の方だけを見て話をした。教職員と学生が話し合っている内容や素振りから、みんなが共謀して自分のことを監視していることが分かる」と話した。こうしたことから、母親はKさんがこのまま大学に行けなくなるのではないかと、とても心配し、最近は夜もよく眠れないほどであるという。
(※1)

J精神保健福祉相談員は母親からさらに詳しく事情を聞いた上で、今後の対応について提案を行った。
(※2)

その翌日の午後、母親からJ精神保健福祉相談員に電話があった。「私が昨日保健福祉センターに相談に行ったことを息子が知り、『自分のことを相談するなんて聞いていなかった。どんな相談をしたのか』と強く聞いてくるのです。私はうまく答えられなくて困ってしまったので電話しました。今、息子が私のそばにいるので直接話してほしい」と依頼された。
(※3)


(※3)の場面でのJ精神保健福祉相談員の最初の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
Kさんと電話口で直接話すことは控え、母親に、「相談内容はお母さんから隠さずに伝えることが大切です」とアドバイスする。
   2 .
Kさんに電話を代わってもらい、「お答えするには、個人情報保護の観点から、手続きをとる必要があります」と話し、手続きの方法を伝える。
   3 .
Kさんに電話を代わってもらい、「あなたの承諾なく、あなたのことに関してお母さんから相談を受けましたが、不適切でした」とわびる。
   4 .
Kさんに電話を代わってもらい、母親と話した内容には触れず、「あなたのことが心配なので一度お会いしたい」と面会を希望する。
   5 .
Kさんに電話を代わってもらい、「あなたのことも含め、お母さんのいろいろな心配事について相談に乗りました」と回答する。
( 第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問51 )
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この過去問の解説 (3件)

31
正解は5です。

1.母親がうまく答えられなくて困っているという状況もあり、母親に直接話すように伝えることは適切とはいえません。

2.Kさんが母親のそばにいて本人であることが明らかであることや、この時点では、詳細なやりとりの記録を開示するように求められているわけではないため、個人情報保護の手続きを要請することは適切な対応とはいえません。

3.この時点では、KさんからJ精神保健福祉相談員に苦情を言われているわけではないので、積極的にわびる必要はありません。

4.Kさんは「母親がどんな相談をしたのか」について知りたがっています。母親と話した内容に触れない対応は適切とはいえません。

5.母親、本人ともに配慮しながら、個人情報に踏み込まない形で、事実を適切に伝えています。

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18
×1 . 今後のことも含め、Kさんとむしろ直接会話をしておくことが望ましいです。母親に電話内容を包み隠さず伝えてもらうことは、また、母親側からの伝聞内容が変わってしまうこともあるだろうし、隠すべきことときちんと話した方がいいこととあり、感情的にもなりやすいので、不適切です。

× 2 . KさんはJ相談員に情報の開示を求めているわけではありません。現在、不適応の状態であるKさんに個人情報の手続きなどを勧めるのは不適切です。

× 3 .Kさんにとっては、本人の承諾なく相談されたことは不安や憤りを感じることはあるかも知れないが、相談を受けたことは悪いことではないので、謝罪の必要はないです。また、そこで「不適切」と謝ってしまうのは母親に対してもマイナスになります。

× 4 .一方的にただ本人に対して相談を勧めるべきではなく、本人の疑問に可能な限り誠実に答えていくステップを踏むことが大切です。本人が電話に出てきたことも、機会としてとらえ、ラポールの形成や情報収集にじっくりつなげて行くことが望ましいです。

○ 5 .現在、問題を感じて相談に来た母親の不安な気持ちをねぎらい、また具体的な相談内容に触れず、誰の問題ということに限らないというかたちで、今後につなげて行くためには、よい答え方です。

2

本設問は相談者である母親の気持ちに配慮する事と併せて、今後Kさんの支援を行っていくための関係作りに目を向けて考えていく必要があります。

選択肢1. Kさんと電話口で直接話すことは控え、母親に、「相談内容はお母さんから隠さずに伝えることが大切です」とアドバイスする。

不適切です。Kさんの母親は相談した内容をKさんにどのように伝えて良いか悩み、J精神保健福祉相談員に助けを求めています。選択肢の内容は母親の依頼を断る内容となっており、相談者であるKさんの母親に寄り添う姿勢が見えません。

選択肢2. Kさんに電話を代わってもらい、「お答えするには、個人情報保護の観点から、手続きをとる必要があります」と話し、手続きの方法を伝える。

不適切です。Kさんの母親の様子から、Kさんに対して自分が相談した内容を伝えてほしいと感じている様子は見られません。手続きの方法を教えるのではなく、Kさんの悩みを話してもらえるよう働きかけ、支援者として関わらせてもらえるように関係作りを行う事が必要です。

選択肢3. Kさんに電話を代わってもらい、「あなたの承諾なく、あなたのことに関してお母さんから相談を受けましたが、不適切でした」とわびる。

不適切です。Kさんの母親から相談を受けた事に対して不適切であるという事はなく、それを謝罪する必要はありません。また、母親が相談した事に対して不適切な行為であるという事を認める事となってしまい、Kさんと母親との関係が悪化してしまう事にも繋がりかねません。

選択肢4. Kさんに電話を代わってもらい、母親と話した内容には触れず、「あなたのことが心配なので一度お会いしたい」と面会を希望する。

不適切です。Kさんは母親が自分の相談をどのように行ったかを明らかにしたいと思って電話をかけてきています。その希望を無視したまま面会を希望しても、寄り添う姿勢が見えずKさんとの関係形成は困難となってしまうと考えられます。

選択肢5. Kさんに電話を代わってもらい、「あなたのことも含め、お母さんのいろいろな心配事について相談に乗りました」と回答する。

適切な内容です。Kさんの質問に対しても、Kさんの母親に対する配慮も行えている行動であると言えます。

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