精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問25
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
援助の理念に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 社会福祉法では、福祉サービスを、法の下の平等を旨として、利用者が有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように支援するものとしている。
- バイステック(Biestek,F.)は、「受容」を、建設的及び破壊的な態度や行動なども含めて、クライエントをありのままの姿で受け止めることとした。
- 「障害者差別解消法」は、すべての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものであるという理念を定めたものである。
- 「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」では、本人の同意なく入院が行われる場合の、インフォームドコンセントを免除している。
- マーゴリン(Margolin,L.)は、公民権運動に基づいて、差別や偏見により人権を損なわれている人々への援助に、エンパワメントを位置づけた。
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この過去問の解説 (4件)
01
1.社会福祉法第3条に「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又は【その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するもの】として、良質かつ適切なものでなければならない。」と規定されていますが、「法の下の平等を旨として」という規定はありません。
2.バイステックの7原則の一つである「受容」は、建設的及び破壊的な態度や行動なども含めて、クライエントをありのままの姿で受け止めることとしています。「許容」や「容認」とは異なることに注意が必要です。
3.「すべての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものであるという理念」は、障害者基本法の理念です。障害者差別解消法は、障害者基本法の基本的な理念にのっとり、障害を理由とする差別の解消を推進することなどを目的としています。
4.指針では「精神医療においても、インフォームドコンセントの理念に基づき、精神障害者本位の医療を実現していくことが重要であり、精神障害者に対する適切な医療及び保護の確保の観点から、精神障害者本人の同意なく入院が行われる場合においても、精神障害者の人権に最大限配慮した医療を提供すること。」とされています。インフォームドコンセントを免除するといった記述はありません。
5.公民権運動に基づいて、エンパワメントを位置づけたのは、ソロモンです。マーゴリンは、ソーシャルワークの権力について問題提起を行いました。
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02
1、この記述は、介護保険法に書かれている理念です。
「福祉サービス」とは、個人の尊厳の保持を主として、その内容は、福祉サービスの利用者が心身共に健やかに育まれ、またその有する有する能力に応じ自立した日常生活を営むことことができるように支援するものとして、良心かつ適切なものでなければならないとしています。
2、正解です。
3、この記述は、障害者基本法の理念になります。
「障害者差別法の目的」とは、すべての国民が、障害の有無に関係なく、相互に人格と個性を尊重しあいながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することにまります。
4、精神保健福祉士法の改正によって厚生労働大臣が定めた指針が「良心かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」になります。
5、この記述は、ソロモンの「黒人のエンパワメント」の説明です。
マーゴリンは「ソーシャルワークの社会的構築」になります。
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03
「法の下の平等を旨として」という内容はありません。
2 .〇 バイステック(Biestek,F.)のケースワークの7原則の中で、「受容・・・クライエントをありのままの姿で受け止めること」とあります。しかし、「建設的及び破壊的な態度や行動なども含めて」というのは、設問では正解ですが、解釈上少し疑問が残ります。
3 .× 「障害者差別解消法」は、差別の解消の推進が目的です。以下の理念は、障害者基本法です。「すべての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものであるという理念を定めたものである。」
4 . × 「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」では、本人の同意なく入院が行われる場合でも、インフォームドコンセントを全面的に免除することはおかしいことになります。
5 . × 「公民権運動に基づいて、差別や偏見により人権を損なわれている人々への援助に、エンパワメントを位置づけた」→エンパワメントの説明としては、正しいですが、これについて述べたのは、ソロモンです。
マーゴリンは、ソーシャルワークの社会的構築」においてソーシャルワーカーとクライエントの間に生じる支援と支配という矛盾について分析しているそうです。
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04
「バイステック(Biestek,F.)は、「受容」を、建設的及び破壊的な態度や行動なども含めて、クライエントをありのままの姿で受け止めることとした。」
(説明)米国社会福祉学者バイスティックが1『ケースワークの原則(1957)』で提唱した利用者と援助者間の信頼関係を構築するための倫理と行動の原則。「受容」は、クライエントの行動・言動・考え方を、頭から否定せず、どうしてそういう考え方になるかを理解することである。
※援助の理念に関する問題です。以下に不正解の説明をします。
1 . 不正解です。
「社会福祉法では、福祉サービスを、法の下の平等を旨として、利用者が有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように支援するものとしている。」
(説明)社会福祉法第3条 福祉サービスの基本的理念に福祉サービスについての記載があります。
「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。」
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=326AC0000000045
3 . 不正解です。
「障害者差別解消法」は、すべての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものであるという理念を定めたものである。
(説明)この説明は障害者基本法の理念です。
障害者差別解消法は、「全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ(中略)、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。」と目的に記されています。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=425AC0000000065
4 . 不正解です。
「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」では、本人の同意なく入院が行われる場合の、インフォームドコンセントを免除している。」
(説明)インフォームドコンセントを免除している記載はありません。
「人権に配慮した精神医療の提供」では、「精神障害者の医療及び保護の観点から、本人の同意なく入院が行われる場合においても、行動の制限は最小の範囲とし、また、インフォームドコンセントに努める等、精神障害者の人権擁護に関する国際的な取決めや意思決定及び意思表明に係る検討も踏まえつつ、精神障害者の人権に最大限配慮し、その心身の状態に応じた医療を確保す」としています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032502.html
5 不正解です。.
「マーゴリン(Margolin,L.)は、公民権運動に基づいて、差別や偏見により人権を損なわれている人々への援助に、エンパワメントを位置づけた。」
(説明)公民権運動に基きエンパワメントを位置付けたのは、ソロモンです。マーゴリンは、「ソーシャルワークの社会的構築-優しさの名のもとに」の著者。ソーシャルワークに於けるクライエントと支援者の間にある権力問題を論じています。
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