精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問36
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
諸外国の精神保健医療福祉政策に関する次の組み合わせのうち、正しいものを1つ選びなさい。
- イタリア ケネディ大統領教書(1963年)
- アメリカ 法律180号(バザーリア法)(1978年)
- ニュージーランド 国民保健サービス及びコミュニティケア法(1990年)
- 韓国 精神保健法(1995年)
- イギリス ブループリント(1998年)
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
1.ケネディ大統領教書は、アメリカの政策です。
2.バサーリア法は、イタリアの政策です。
3.国民保健サービス及びコミュニティケア法は、イギリスの政策です。
4.精神保健法は、韓国の政策です。
5.ブループリントは、ニュージーランドの政策です。
参考になった数35
この解説の修正を提案する
02
1⇔2 3⇔5の組み合わせが逆で、4番が正解です。
✕1 .ケネディ大統領教書(1963年)は、アメリカのケネディ大統領が提出したもので、大規模病院に収容されていた精神障碍者の脱施設化を目指し、地域精神保健センターを整備されることになったそうです。その機能は、入院治療、精神科救急、地域コンサルテーション、デイケア、調査研究などということです。
✕2 .法律180号(バザーリア法)(1978年)はイタリアの精神科医師バザーリアの精神医療福祉改革により制定されたものです。精神科病院を解放・閉鎖し、社会内処遇を目指しています。
✕3 .国民保健サービス及びコミュニティケア法(1990年)は、イギリスの法律です。地方自治体による直接サービスを離れ、民間の団体がサービス提供者として参入するようになり、ケアマネジメントが導入されました。
◯4 .韓国における精神保健法(1995年)は精神障害者の社会復帰や地域精神保健事業を具体化するものでした。
✕5 . ブループリント(1998年)は、ニュージーランドのサービス開発計画です。権利擁護に重点を置き、精神保健に関する地域資源を増やすことを示すもので、リカバリーの概念をすべてのサービスの基盤にすると明示しています。
参考になった数24
この解説の修正を提案する
03
1 . 不正解
ケネディ大統領教書はアメリカの政策です。
イタリアでは、州立精神病院の院長であるバザーリアにより北イタリアを中心に脱施設化をめざした改革が始まり、全国に展開しました。それによって、1978年精神医療改革に関する法(「任意及び強制入院と治療」に関する法180号)が制定され、精神科病院への入院が廃止されました。
2 . 不正解
法律180号(バザーリア法)(1978年)は、イタリアの政策です。
アメリカは1963年の「精神病及び精神薄弱に関する大統領教書(ケネディ大統領教書)」の制定が契機となり、州立病院の縮小と脱入院化が進みました。その一方で、地域での受け皿が乏しくホームレス状態化する精神障害者が生まれ、後の政策課題となっていました。
3 .不正解
国民保健サービス及びコミュニティケア法(1990年)はイギリスの政策です。
ニュージーランドでは、1998年に精神保健委員会(mental helth commission)によって「ブループリント」が発表されました。これはリカバリーの概念を全てのサービスの基盤と考え、それを基に精神障害者の権利擁護と地域支援の整備を進め、その後の精神保健サービスの基礎となったものです。
4 . 正解
精神保健法(1995年)は、韓国の政策です。
大家族制度が精神障害者を支えていた韓国も、1970年からの家族機能の低下に伴い、無認可の療養施設ができ長期収容や人権侵害、非医学的治療などの問題が発生しました。国は同法を契機に、精神保健政策の改革を押し進めています。
5 . 不正解
ブループリント(1998年)は、ニュージーランドの政策です。
イギリスは独自の医療保険サービス(NHS)が1948年に成立している等、近隣諸国に比べると早くから医療保健とコミュニティケアへの政策的取組がなされていました。「国民保健サービス及びコミュニティケア法(1990年)」は、施設中心のサービス供給から在宅などのコミュニティサービスへ転換を図るものであり、同法の制定が契機となり、2000年以降の精神保健サービスと社会福祉サービスの統合に繋がりました。
参考になった数6
この解説の修正を提案する
前の問題(問35)へ
第17回(平成26年度)問題一覧
次の問題(問37)へ