精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問53
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問53 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事 例〕
Kさん(25歳、女性)は、高校卒業と同時に就職したが、仕事が合わないという理由ですぐに退職した。その後、Kさんは専門学校に通い、情報処理の資格を取得して再就職を目指した。しかし、パソコン技術の高さを買われて採用はされたものの、要領の悪さや配慮のなさを度々指摘され、職場の人間関係もうまくいかなくなり離職した。Kさんは次第に被害的になり、抑うつ感と不眠に悩む日々が続いたため精神科クリニックを受診したところ、広汎性発達障害でうつ状態と診断された。診断内容を聞いて不安になったKさんは、「これから自分はどうしたらいいのか」「もう働けないのか」と医師に訴えたため、近隣のV就労移行支援事業所(以下「V事業所」という。)を紹介され、L精神保健福祉士が担当することになった。L精神保健福祉士との初回面接の際、Kさんは、「自分は頑張って働いているのにいつも注意ばかりされる」と暗い表情で話した。
KさんはV事業所の利用を開始し、パソコン技術をいかして印刷作業プログラムで編集を担当することになった。Kさんはパソコン操作に集中して取り組む一方、簡単な指示を誤解し、他の利用者がそばで重い荷物を運んでいても手伝うことはなく、挨拶もほとんどしていなかった。L精神保健福祉士はKさんの作業場面の課題を整理し、スタッフミーティングでKさんへの支援内容を決めた。
次の記述のうち、Kさんへの支援内容として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Kさん(25歳、女性)は、高校卒業と同時に就職したが、仕事が合わないという理由ですぐに退職した。その後、Kさんは専門学校に通い、情報処理の資格を取得して再就職を目指した。しかし、パソコン技術の高さを買われて採用はされたものの、要領の悪さや配慮のなさを度々指摘され、職場の人間関係もうまくいかなくなり離職した。Kさんは次第に被害的になり、抑うつ感と不眠に悩む日々が続いたため精神科クリニックを受診したところ、広汎性発達障害でうつ状態と診断された。診断内容を聞いて不安になったKさんは、「これから自分はどうしたらいいのか」「もう働けないのか」と医師に訴えたため、近隣のV就労移行支援事業所(以下「V事業所」という。)を紹介され、L精神保健福祉士が担当することになった。L精神保健福祉士との初回面接の際、Kさんは、「自分は頑張って働いているのにいつも注意ばかりされる」と暗い表情で話した。
KさんはV事業所の利用を開始し、パソコン技術をいかして印刷作業プログラムで編集を担当することになった。Kさんはパソコン操作に集中して取り組む一方、簡単な指示を誤解し、他の利用者がそばで重い荷物を運んでいても手伝うことはなく、挨拶もほとんどしていなかった。L精神保健福祉士はKさんの作業場面の課題を整理し、スタッフミーティングでKさんへの支援内容を決めた。
次の記述のうち、Kさんへの支援内容として、適切なものを1つ選びなさい。
- Kさんが飽きずに作業に取り組めるように、多様な作業メニューを用意し日替わりで提供する。
- 職場のマナーやルールを、ロールプレイで具体的に学習できる場を設定する。
- 1日の活動終了時にKさんがうまくできなかったことを振り返り、自分で改善点を考えるように促す。
- パソコン操作による作業時間を段階的に増やし、Kさんのパソコン技能を更に向上させる。
- Kさんに注意する際は、本人の気持ちを傷つけないように直接的な表現は控える。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.Kさんは「集中して取り組む」状況が見られるため、飽きずに取り組める作業を用意する支援は必要ありません。
2.「要領の悪さや配慮のなさを度々指摘され、職場の人間関係もうまくいかなくなり」「そばで重い荷物を運んでいても手伝うことはなく、挨拶もほどんどしていなかった」という記述が見られることから、職場のマナーやルールについて、ロールプレイで具体的に学習できる場を設定することは適切な支援といえます。
3.広汎性発達障害という診断があり、自分で改善点を考えることが苦手の可能性があるため、一緒に改善点を考えていくことが大切です。
4.ストレングスの視点で、パソコン技能を更に向上させることも大切ですが、就労移行支援所を利用している間は、苦手な分野(この事例ではマナーやルール)を克服していく支援を行うことがより適切といえます。
5.広汎性発達障害という診断があり、曖昧な表現や行間を読むことが苦手の可能性があるため、傷つけないように配慮しながら、直接的な表現を用いることが大切です。
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02
「挨拶をする、簡単な指示を誤解する、周囲が忙しそうにしていても手伝わない」などの対策を考えることが必要です。
✖ 1. Kさんの強みとしては、パソコンの作業に集中できることです。飽きない作業を準備する必要があるわけではありません。
◎2. 具体的に練習できる場の設定はとても役に立ちます。
✖3 . 広汎性発達障害なので、反省するよりも、具体的な行動のレパートリーを学習させる方が適当です。
✖4 . 現在問題となって就労の妨げとなっているのは、社会のルールやコミュニケーションなので、それに対処することが就労支援です。
✖5 . 障がい特性として、婉曲的な指摘では理解できず、誤解を招くので、傷つけない配慮は必要ですが、少しずつ具体的に学べることを心がけます。
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03
1.×
Kさんは作業に飽きていた様子はなく、むしろ集中して取り組むことができていたとあります。
2.○
挨拶ができていないなどの課題に対して支援していく必要があります。そのため、職場のマナーやルールを、ロールプレイで具体的に学習できる場を設定することは適切といえます。
3.×
振り返る時間を設け、Kさん自身が改善点を考えることも必要ですが、選択肢2にあるように職場でのマナーやルールについての課題に対しての支援が必要であるため、適切とはいえません。
4.×
パソコン技能の向上を図ることも大切ですが、現段階でのKさんの課題には当てはまらないため、適切とは言えません。
5.×
広汎性発達障害のある人の中には、あいまいな表現や指示が分からないことがあります。Kさんの気持ちに配慮しつつ、具体的な数字や方法で指示することが必要です。
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