精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
人体の構造と機能及び疾病 問86
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問86 (訂正依頼・報告はこちら)
精神疾患の診断・統計マニュアルDSM-Ⅳに基づく統合失調症の診断に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 妄想や幻覚は、陰性症状である。
- まとまりのない会話あるいは発語は、症状の一つである。
- 症状は、発症から2週間で消失する。
- 仕事、対人関係、自己管理などの面での機能が低下することはない。
- 原因として、乱用薬物の摂取がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.妄想や幻覚は、統合失調症の陽性症状(本来ないものが現れている)です。
2.まとまりのない会話や発語は、統合失調症の症状の一つです。
3.統合失調症と診断される場合は、症状が少なくとも6ヶ月何らかの症状が持続します。2週間で消失するものは統合失調症とは診断されません。
4.統合失調症の陰性症状として、仕事、対人関係、自己管理などの面で機能が低下することが認められます。
5.乱用薬物の摂取は、統合失調症の原因とされていません。
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02
○2 . まとまりのない会話あるいは発語は、思考障害または思考滅裂と呼ばれ、陽性症状の一つです。
×3 . 症状は、発症から2週間で消失するものは、短期精神病性障害などとなります。
統合失調症の診断には、なんらかの精神症状が少なくとも6ヶ月以上持続するものを指します。
×4 . 妄想・幻覚などの陽性症状や、自閉性生活態度等により、仕事、対人関係、自己管理などの面での機能が低下することは、多くあります。
×5 . 乱用薬物の摂取により統合失調症に似た症状を示す場合もあるが、それは物質関連障害に診断されます。
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03
DSM-Ⅳによる統合失調症の診断基準にはA~Fまでの6つの基準が設けられています。
1.誤答
妄想や幻覚は「陽性症状」です。統合失調症の症状は3つに分けることができます。
①陽性症状:幻覚・妄想・自我障害など
②陰性症状:感情鈍麻・意欲の減退・思考の低下・対人コミュニケーションの支障など
③認知障害:記憶力の低下・問題解決能力の欠如などがあります。
2.正答
まとまりのない会話は発語は統合失調症の代表的な症状の一つです。
(1)妄想
(2)幻覚
(3)まとまりのない発語(例:頻繁な脱線または滅裂)
(4)ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
(5)陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)
上記の症状のうち少なくとも1つは(1)(2)(3)を含む2つ以上の症状がそれぞれ1ヶ月ほとんどいつも存在する。(診断基準:A)
3.誤答
障害の持続的な徴候は少なくとも6ヶ月間存在すること。6ヶ月間の間には診断基準Aの症状が少なくても1ヶ月以上見られるなどの診断基準が定められています。(診断基準:C)
4.誤答
統合失調症は意欲喪失や判断能力の低下、コミュニケーション能力の低下などの症状が見られます。
診断基準でも症状が現れてからの大部分の期間で仕事、対人関係、自己管理などの面で1つ以上の機能レベルが病前に獲得していた水準より著しく低下していることとされています。(診断基準:B)
5.誤答
統合失調症は、乱用薬物の摂取が原因ではありません。その障害は物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではないとされています。(診断基準:E)
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