精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
人体の構造と機能及び疾病 問85

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問85 (訂正依頼・報告はこちら)

障害の概要に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 外傷性脳損傷は、高次脳機能障害の原因の一つである。
  • 失行は、リハビリテーションの対象にならない。
  • 周産期障害では、知的障害を起こすことはない。
  • 咀嚼や嚥下機能の障害は、身体障害者福祉法による内部障害に含まれる。
  • 平衡機能障害における起立や歩行の障害は、下肢の筋力低下が原因である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.外傷性脳損傷は、高次脳機能障害の原因の一つです。

2.失行もリハビリテーションの対象になります。

3.周産期障害では、知的障害を生じることが少なくありません。

4.身体障害者福祉法の別表において、内部障害を指す「心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害その他政令で定める障害」と、咀嚼や嚥下機能の障害を指す「音声機能、言語機能又はそしゃく機能の著しい障害」は分けられています。

5.平衡機能障害における起立や歩行の障害は、小脳機能の障害など下肢の筋力低下以外を原因とします。

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02

正答【1】

1.正答 
事故や転落など外部からの衝撃によって脳組織にダメージを受ける「外傷性脳損傷」は、高次脳機能障害の原因の1割を占めています。

高次脳機能障害の原因は脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害)が8割が占めていますが、脳卒中と比べて外傷性脳損傷は高次機能障害になる確率が多いと言われています。

2.誤答 
失行は、習得された一連の動作の記憶が保存されている「頭頂葉」や「頭頂葉と他の脳を繋ぐ神経経路」の損傷によって起こります。

そのため、身体的な異常もなく、言われたことや使い方などは理解しているにも関わらず、実際にその動作ができなくなってしまうといった症状があらわれます。

3.誤答 
周産期(妊娠22週から出生後7日未満までの期間)は母体・胎児・新生児の生命に関わる事態が発生する可能性が高くなります。

胎児期と新生児に発生した異常によっては「周産期脳障害」といわれるてんかん、脳性麻痺、精神発達遅滞、知覚障害などの脳障害が起こる可能性があります。

周産期障害の原因はさまざまですが、脳障害が起こるのは呼吸・循環不全による「低酸素」や低出産体重時(未熟児)での合併症によるものが多く見られます。

4.誤答 
咀嚼や嚥下機能の障害は、身体障害者福祉法による内部障害に含まれません。

日本での内部障害は身体障害者福祉法の定めにより以下の6つを内部障害(内部機能障害)と規定しています。
・心臓機能障害
・腎臓機能障害
・呼吸機能障害
・膀胱・直腸機能障害
・小腸機能障害
・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害


5.誤答 
平衡機能障害における起立や歩行障害は、四肢体幹に器質的な異常がないにも関わらず起立や歩行に何らかの異常をきたす障害です。

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03

○1 . 高次脳機能障害の原因となるのは、脳梗塞、てんかんなどの脳の疾患の他、頭部損傷などの外傷性脳損傷もその一つです。

×2 . 失行は、実行しようとする意思があるにもかかわらず、運動障害が原因ではなく、正しい動作が行えないことを指します。リハビリテーションの対象です。

×3 . 周産期障害は、分娩・出産時の脳の酸素欠乏によって脳障害が起こるものです。知的障害の原因となることがあります。

×4 . 身体障害者福祉法においては、咀嚼や嚥下機能の障害は、「音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害」であり、内部障害には含まれません。
内部障害は、「心臓・腎臓若しくは呼吸器またはぼうこう若しくは直腸、小腸、人免疫不全ウイルスによる免疫若しくは肝臓の機能の障害」とされています。

×5 . 平衡機能障害における起立や歩行の障害は、下肢の筋力低下が原因ではありません。体のバランスを調整する脳幹の前庭神経核の障害です。

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