精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神疾患とその治療 問8
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、社会生活技能訓練(SST)で用いられる技法として、正しいものを1つ選びなさい。
- モデリング
- 系統的脱感作
- 催眠
- 絶対臥褥
- 共感的理解
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この過去問の解説 (3件)
01
社会生活技能訓練(SST)は、統合失調症などの精神疾患に罹患して低下してしまった普通の生活をしていく力(技能)を回復させるためのプログラムです。物の見方や現実の受け止め方を認知といいますが、認知に働きかけることで、ストレスに対処していく技能を身につける治療法を認知行動療法といいます。社会生活技能訓練は認知行動療法の技法を使って行われます。
社会生活技能訓練において、モデリングは重要な技法です。習得してもらう技能のモデルを示し、それを観察させて、模倣させることで適切な対処法を学習してもらいます。
系統的脱感作とは、恐怖や不安を起こすイメージを与えられても緊張せずにリラックスできるように訓練し、恐怖や不安を軽減していく方法です。心理学の古典的条件づけの応用で行動療法に用いられます。社会生活技能訓練では用いられません。
催眠は、自律訓練法で用いられます。自律訓練法は自己催眠をかけ緊張の緩和やストレスの軽減を図ります。社会生活技能訓練では用いられません。
絶対臥褥は、森田療法で用いられる技法です。社会生活技能訓練では用いられません。
森田療法は、神経症の治療法の1つです。神経症の患者は、不安や恐怖を排除しようとするあまり、逆に不安や恐怖に囚われてしまう悪循環に陥りがちです。森田療法では、この囚われの悪循環からの脱出のために、ありのままに受け入れる姿勢を体得させます。
治療は臥褥期と作業期から構成され、臥褥期では食事、洗面、トイレ以外は寝て過ごさせます(絶対臥褥)。作業期は、軽作業から始めて段階的に行動を拡大していきます。患者は治療を通して不安や恐怖を抱えながらも、生活の中で必要な事から行動し前向きに生きる事を体得していきます。
共感的理解は、相手の考え方、感じ方、見方などをそのまま自分の事のように理解する事で、支持的精神療法の中で用いられます。社会生活技能訓練でも用いられますが、カウンセリングや心理療法の基本的な姿勢の1つであり、社会生活技能訓練に特化した技法ではありません。
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02
1.モデリングはモデルとなる見本を示すことで、SSTで用いられる技法です。
2.系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)は、不安や恐怖を軽減させていく行動療法です。SSTでは用いられません。
3.SSTでは催眠に関する技法は用いられません。
4.絶対臥褥(ぜったいがじょく)は、食事、洗面、トイレ以外、ベッドで一週間過ごすというもので、森田療法で用いられる技法です。SSTでは用いられません。
5.共感的理解は、カウンセリングの基礎となる技法です。SSTを行う場面でも共感的理解に基づいた姿勢は大切ですが、SSTの技法ではありません。
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03
1.モデリングはSSTで用いられ、モデルの行動を観察して学習します。
2.系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)は、恐怖や不安障害の治療に用います。リラックスしながら不安を取り除く療法です。
3.催眠はSSTでは用いられません。
4.絶対臥褥(ぜったいがじょく)は、精神科医の森田正馬氏によって創始された神経症の治療法で、森田療法のひとつです。
5.共感的理解は、クライアントの立場にたって理解しようと努めることです。カウンセリングでつかわれる技法です。
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