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精神保健福祉士の過去問 第18回(平成27年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問53

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事 例〕
Cさん(45歳、男性)は、妻と2人の子ども(高校生と中学生)の4人家族で、これまで順調に働いてきた。1年前に営業部の課長となったCさんは、責任感を持って仕事に取り組んでいたが、部下との関係がうまくいかずに悩んでいた。その後、次第に疲れやすくなり食欲不振と不眠がみられ、表情は乏しく元気がなくなっていった。ある日、仕事でのミスが続き取引先から叱責され、それを契機に朝起きられず出勤できない日が続いた。
心配した上司に勧められてV精神科病院を受診したところ、うつ病と診断され、しばらく会社を休むことになった。Cさんと妻は、今後の生活についてV精神科病院のD精神保健福祉士に「学費や住宅ローンもあるし、お父さんがずっと家にいて子どもたちにはどうでしょうか」「休みが続くと会社に戻れなくなるのではないだろうか」と不安そうに相談した。(※1)

1か月が経過し、復職を焦り始めたCさんは「早く職場に戻りたい」と上司に訴え、元の部署に復帰したが、うつ状態が悪化しては休むことが繰り返された。そのようなCさんに、主治医はデイケアの復職支援プログラムを利用して確実な復職と再発予防に取り組む必要性を説いた。Cさんは休職の手続を取ってデイケア通所を開始し、引き続きD精神保健福祉士が担当になった。Cさんは休まずデイケアに参加し真面目にプログラムに取り組んだ。次第に体力も回復し他のメンバーと笑顔で会話するようになったが、自分のやり方にこだわりが強く、それを正しいと思い込んで周囲に強いる様子が目立った。D精神保健福祉士は、デイケアのカンファレンスでCさんの現状を伝え、今後の対応を協議した。(※2)

デイケアを開始して5か月が経過した頃、D精神保健福祉士はCさんと面談し、今後の意向を確認した。Cさんは「デイケアで自分の課題が見えてその対処法も学んできた。そろそろ復職に向けて具体的に進めたい」「休んでいた期間が長かったので通勤が不安だし、前と同じように働けるのかも心配」と答えた。D精神保健福祉士はCさんの意向を踏まえて、今後必要な働きかけを検討した。(※3)


(※2)次の記述のうち、Cさんの課題を改善するための対応として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
毎日の出来事と所感を書き出して自分の思考や行動を振り返る。
   2 .
オフィスワークプログラムで個別作業の時間を増やす。
   3 .
自律訓練法を活用したプログラムを導入する。
   4 .
元気回復行動プラン(WRAP)への参加を促す。
   5 .
皆勤賞としてメンバーミーティングで表彰する。
( 第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問53 )
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この過去問の解説 (4件)

29
正解は1です。

医療機関で行われるうつ病患者への復職支援プログラムでは、デイケアに通うことで、睡眠や生活リズムを整え日中活動を高めることから始めます。そして病状への自己理解を深め、自身のストレスへの気づきや対処法を学び再発や再休職を予防します。
プログラムは、オフィスワーク(個人作業)やグループワーク、ミーティング、内省(自分の思考や行動を振り返る)、心理教育、認知行動療法などがあります。

1:自分のやり方にこだわりが強く、それを正しいと思い込んで周囲に強いてしまうCさんの課題の改善には、毎日の出来事と所感を書き出して、自分の思考や行動を振り返ることが最も効果的と思われます。
よって正解です。

2:オフィスワークプログラムは、集中力や作業能力の向上のためにパソコンなどを使って行う個人作業です。休まずディケアに参加し、真面目にプログラムに取り組み体力を回復してているCさんから、集中力や作業能力の向上は、課題として見えてきません。むしろ達成していると思われます。よって誤りです。
個人作業よりも、自身の思考や行動のパターンの分析、他者との関わりへの内省が必要です。

3:自律訓練法は、ドイツの精神科医シュルツによって創始された自己催眠によるリラクゼーション技法です。疲労回復や精神、身体活動の安定を図ることなどに効果があります。しかしこの時点でのCさんの状況においては当てはまりません。よって誤りです。

4:元気回復行動プラン(WRAP)は、元気であり続け、なりたい自分になるために、自分で作る自分のための行動プランです。アメリカの双極性障害の経験者であるメアリーエレン・コープランドを中心として発展しています。元気でなりたい自分のための行動プランを考える事は、Cさんの今後に役立つことではありますが、この時点でのCさんの課題の改善への対応としては不適切です。

5:Cさんの課題は、自分のやり方にこだわりが強く、それを正しいと思い込んで周囲に強いてしまう事です。Cさんを皆勤賞として表彰する事で、休まずにディケアに参加する事のみが重視されてしまう恐れがあります。Cさんの課題の改善への対応として不適切ですし、皆勤のみが復職支援プログラムの目的でもありません。よって誤りです。

付箋メモを残すことが出来ます。
8
Cさんの課題について考える前に、ケースの中からCさんのデイケアでの現状を把握します。

文中では“休まずデイケアに参加”、“真面目にプログラムに取り組む”、“他のメンバーと笑顔で会話”という様子が書かれています。
一方で“自分のやり方にこだわりが強く、それを正しいと思い込んで周囲に強いる様子が目立った。”という記述があります。
この部分が課題点として挙げられます。

改善のための対応を考えるには、Cさん自身が課題と向き合い、それを認識してもらう必要があります。
プロセスとして一番適切なのは選択肢1です。

ちなみに他の選択肢の目的はそれぞれ、集中力を養う、リラクゼーション、コントロール術、自信回復を目的としたものです。

5
正解は1です。

「Cさんの課題を改善するための対応」とあるので、Cさんの課題を把握する必要があります。第二段落後半に、「自分のやり方にこだわりが強く、それを正しいと思い込んで周囲に強いる様子が目立った」と書かれており、これがCさんの課題となります。この課題を解決するための対応としてふさわしい選択肢を選ぶことが必要です。


1:所感と出来事を書き出し、思考や行動を振り返ることで、自分のやり方が正しいのか否か見つめなおす機会になり、他のやり方をみつける機会にもなり得ます。よって、自分のやり方に対するこだわりや思い込みを見直す機会として、適当な対応と考えられます。
よって正解です。

2:オフィスワークによる個別時間は、認知機能の回復やより業務に近い作業をすることにより、作業能力や認知能力を高めていくことを主目的にしています。周囲のフィードバックがかかりにくいことから、かえってCさんのこだわりや自分が正しいという思いこみを強くする可能性があります。そのため、適切な対応とは言えません。
よって誤りです。

3:自律訓練法とは、自立催眠の一種であり、不安や緊張、ストレスの緩和を目的に行う、リラックス法の一つです。Cさんの課題とは直接関係がないため、この時点での対応としては誤りです。

4:WRAPとはリカバリーの一つで元気回復プランと呼ばれています。調子が悪くなった時に立て直すことを目標としていますが、Cさんの課題とは関連がないことから、この対応は誤りです。

5:Cさんを皆勤賞として表彰することは、Cさんのこだわりや正しさを助長することになり、課題解決から遠ざけてしまいかねないことになり、適切な対応とは言えません。
よって、誤りです。

4
正解は1です。

1.自分のやり方にこだわりが強く、それを正しいと思い込んで周囲に強いる様子が目立っていることから、毎日の出来事と所感を書き出して自分の思考や行動を振り返る対応をとることは、Cさんの課題を改善するための対応として適切です。

2.設問時点でのCさんの課題は、自分のやり方を周囲に強いることです。個別作業の時間を増やすことは、周囲との関係性を断ち本質的な改善につながらないため、課題を解決するための適切な対応とはいえません。

3.自律訓練法は不安障害など、自律神経系の症状に対して行うものです。設問の時点では、Cさんは体力の回復が見られるため、自律訓練法が必要な状況ではないといえます。

4.元気回復行動プラン(WRAP)は、生活や健康管理を目的として行われるものです。設問時点でのCさんの課題は体力や気力の回復ではなく、自分のやり方を周囲に強いることですので、元気回復行動プランへの参加を促すことは適切とはいえません。

5.設問時点でのCさんの課題は、自分のやり方を周囲に強いることです。表彰をすることは、自尊心や自信を持つことにつながりますが、Cさんの課題を改善するための対応として適切とはいえません。

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