精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問55
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問55 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事 例〕
Eさん(15歳、女性)は、中学2年生の夏より不登校傾向が強まっていた。3年生になり、周囲の同級生の間で進学先の話題が増え、三者面談が始まる中で、将来への不安が増大して悲観的に考えるようになった。そして、2学期から全く登校しなくなり、部屋にひきこもるようになった。そこで、W中学校では市の教育委員会に配置されたスクールソーシャルワーカーのF精神保健福祉士の派遣を依頼した。
F精神保健福祉士はW中学校を訪れ、担任や校長からEさんに関する情報収集を行った。その後、F精神保健福祉士による家庭訪問が始まった。初回の家庭訪問を担任と一緒に行ったが、本人は自室に鍵をかけ出てこなかった。
母親との面談から、親子間の会話も少なく、オンラインゲームに熱中し、ゲームへの課金による多額の請求がきていることなどが分かった。また、父親がうつ病で入院していることも分かった。(※1)
F精神保健福祉士による定期的な訪問や声かけの結果、Eさんと直接会うことができ、日常的な会話もできるようになってきた。Eさんからは、「みんながどう思っているのかな」「学校に行っても何て話しかけたらいいか…」「進学したいけど、どうかな」「アルバイトとかで働けるのかな」などの希望や不安が示された。そこで、F精神保健福祉士は間近に迫る進路決定や卒業などを念頭に入れ、支援を継続した。
Eさんは冬休み明けには少しずつ登校もできるようになり、卒業を迎えた。その後Eさんは定時制高校に進学し、まだ時折欠席もあるが、日中は関係機関を利用しながら生活をしている。(※2)
Eさんに対するF精神保健福祉士の一連の支援が終結し、年度明けにW中学校の職員室において教職員に今回のまとめを報告する機会があった。そこで複数の教職員からメンタルヘルス課題のある生徒への対応や支援で悩みを抱えているとの相談があり、ある提案を行った。(※3)
次の記述のうち、この(※1)時点でのF精神保健福祉士の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Eさん(15歳、女性)は、中学2年生の夏より不登校傾向が強まっていた。3年生になり、周囲の同級生の間で進学先の話題が増え、三者面談が始まる中で、将来への不安が増大して悲観的に考えるようになった。そして、2学期から全く登校しなくなり、部屋にひきこもるようになった。そこで、W中学校では市の教育委員会に配置されたスクールソーシャルワーカーのF精神保健福祉士の派遣を依頼した。
F精神保健福祉士はW中学校を訪れ、担任や校長からEさんに関する情報収集を行った。その後、F精神保健福祉士による家庭訪問が始まった。初回の家庭訪問を担任と一緒に行ったが、本人は自室に鍵をかけ出てこなかった。
母親との面談から、親子間の会話も少なく、オンラインゲームに熱中し、ゲームへの課金による多額の請求がきていることなどが分かった。また、父親がうつ病で入院していることも分かった。(※1)
F精神保健福祉士による定期的な訪問や声かけの結果、Eさんと直接会うことができ、日常的な会話もできるようになってきた。Eさんからは、「みんながどう思っているのかな」「学校に行っても何て話しかけたらいいか…」「進学したいけど、どうかな」「アルバイトとかで働けるのかな」などの希望や不安が示された。そこで、F精神保健福祉士は間近に迫る進路決定や卒業などを念頭に入れ、支援を継続した。
Eさんは冬休み明けには少しずつ登校もできるようになり、卒業を迎えた。その後Eさんは定時制高校に進学し、まだ時折欠席もあるが、日中は関係機関を利用しながら生活をしている。(※2)
Eさんに対するF精神保健福祉士の一連の支援が終結し、年度明けにW中学校の職員室において教職員に今回のまとめを報告する機会があった。そこで複数の教職員からメンタルヘルス課題のある生徒への対応や支援で悩みを抱えているとの相談があり、ある提案を行った。(※3)
次の記述のうち、この(※1)時点でのF精神保健福祉士の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
- インターネットの接続を遮断するよう提案する。
- 父親の病状について主治医から説明を受ける。
- 母親へクラスの様子等の情報を提供するよう担任に促す。
- Eさんの部屋の鍵を開けてもらうよう依頼する。
- 親子関係の再構築のための助言をする。
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この過去問の解説 (4件)
01
1:ゲームの課金の問題や家族間のコミュニケーション不足の原因となっているとはいえ、いきなりインターネットの接続の遮断を提案することは、良くありせん。現段階でのEさんの心のよりどころを一方的に奪ってしまうこととなってしまいます。それよりも、Eさんとの信頼関係の構築を目指し、Eさんの気持ちを傾聴できるように働きかけていくことが重要です。
2:父親がうつ病で入院していることがEさんへ何らかの影響を与えているとは思われますが、現段階では父親の病状把握よりもEさんへの支援を中心とすべきです。よって誤りです。
3:母親もEさんの不登校についての不安を抱え、今後Eさんがクラスへ戻れるかを気にしていると思われます。担任からのクラスの情報提供は、母親の不安を軽減し、Eさんがクラスへ戻る時の心構えなどのヒントにもなるのではないでしょうか。よって正解です。
4:Eさんの気持ちの確認もないままに、部屋の鍵を開けてもらうのは禁物です。焦らずにじっくりとEさんのペースに合わせて根気強く関わることが重要です。
5:Eさんや母親との関わりが始まったばかりの初回の家庭訪問の段階では情報も少なく、親子関係の再構築のための助言は不可能です。よって誤りです。
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02
中学2年生から不登校気味になり、中学3年生になり「将来への不安が増大して悲観的に考えるように」なり、「2学期から不登校になり、部屋に引きこもる」ようになっています。
F精神保健福祉士と担任、母親との面談で家庭内の事情も判明しています。
このことを踏まえたうえで選択肢を吟味していきます。
1:インターネットの接続遮断をすることと、部屋に引きこもることの関係性は把握できません。遮断することでEさんと母親、F精神保健福祉士の関係が悪化する可能性も否定できません。
そのためこの対応は不適切です。
2:父親のうつ病による入院が関係しているか否かは判断できません。また、進学先の話題が増え「将来への不安が増大して悲観的に考えるように」とあることから、まずはEさん自身の将来の不安を第一義的に把握することが優先されます。
そのためこの対応は不適切です。
3:「同級生の間で進学先の話題が増え、三者面談が始まる中で、将来への不安が増大して悲観的に考えるようになった」とあることから、学校での生活にきっかけがあると考えられます。担任と母親の間で学校生活や同級生のあいだで進学先の話題が増えたことを共有しておく必要はあります。情報が共有されることで担任と母親、F精神保健福祉士の協働ができるよになるからです。
そのため、この対応は適切です。
4:Eさんの部屋の鍵を開けてもらうよう依頼することは、Eさんの意思に反することになりかねず、かえってEさんとF精神保健福祉士との関係悪化を招く恐れがあります。
よって、この対応は不適切です
5:「同級生の間で進学先の話題が増えたこと、将来への不安から悲観的になった」とあり、親子関係の良し悪しについては不明です。
よって、この対応は不適切です。
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03
1.オンラインゲームへの課金による多額の請求が来ているものの、一方的にインターネットの接続を遮断することは、親子関係のさらなる悪化を招く可能性があるため、適切な対応とはいえません。
2.父親の病状について、当事者の許可なく主治医から説明を受けることは、適切な対応とはいえません。
3.担任から母親へクラスの様子等の情報を提供するように促すことは適切な対応といえます。
4.Eさんがひきこもりの状態にあり、Eさんとの関係構築も出来ていない中で、部屋の鍵を開けてもらうように依頼することは、適切な対応とはいえません。
5.初回面談でEさんからも話を聞けていない段階で、親子関係の再構築のための助言をすることは適切な対応とはいえません。
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04
つまりEさんのケースで実施し、なおかつ、どの生徒のケースにも通用するアプローチを選択します。
1,2,4,5はEさんのケースに記載されたことへの対応ですが、どの生徒にも通用するアプローチではありません。
したがって選択肢3が適正だと言えます。
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