精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問138
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問138 (訂正依頼・報告はこちら)
障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
- 身体障害者福祉法(1949年(昭和24年))では、国に身体障害者更生援護施設の設置が義務づけられた。
- 東京パラリンピック(1964年(昭和39年))の開催を契機に、知的障害者を対象としたスペシャルオリンピックスが法制化された。
- 社会福祉基礎構造改革の理念に基づき、大規模コロニー計画が進められた。
- 障害者基本法の改正(2004年(平成16年))で、同法による障害者の範囲に難病等の者も含まれるようになった。
- 「障害者総合支援法」の施行により、重度訪問介護の対象者が障害児にも拡大された。
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この過去問の解説 (4件)
01
1.身体障害者福祉法にて、国に身体障害者更生援護施設の設置が義務づけられました。
2.スペシャルオリンピックスは法制化されていません。
3.社会福祉基礎構造改革の理念は、地域での生活を総合的に支援することであり、障害者を施設で終生保護する大規模コロニー計画とは逆の考えです。
4.障害者の範囲に難病等の者も含まれるようになったのは、2011年(平成23年)の改正です。
5.障害児は重度訪問介護の対象者となっていません。
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02
1:身体障害者更生援護施設は、身体障害者の更生を援助し、必要な保護を行う施設です。1949年(昭和24年)の身体障害者福祉法の第27条第1項に「国は身体障害者更生援護施設を設置しなければならない。」と記載されています。よって正解です。
2:パラリンピックは、障害のあるトップアスリートが出場できる世界最高峰の国際競技会です。イギリスの医師グッドマン博士が戦争による負傷で下半身麻痺をおこしてしまった兵士のリハビリテーションの一環として1948年に行った競技会が始まりとされています。
スペシャルオリンピックスは、知的障害のある人々にオリンピック競技種目に準じた様々なスポーツトレーニングとトレーニング成果の発表の場を提供し、知的障害のある人々の自立や社会参加を目的としていますが、東京パラリンピックとは無関係であり、法制化もされていません。よって誤りです。
3:社会福祉基礎構造改革の理念の中に地域での生活を総合的に支援するための地域福祉の充実があります。施設における福祉ではなく在宅での福祉の充実です。
大規模コロニー計画は、障害者を終生保護する大規模施設の設置計画です。社会福祉基礎構造改革の理念に基づくものではありませんので誤りです。
4:2004年(平成16年)の障害者基本法の改正における障害者の範囲は、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」です。難病等の者は含まれていませんので誤りです。
2011年(平成23年)の改正により「身体障害、知的障害又は精神障害(発達障害を含む)その他心身の機能の障害」とされ、その他心身の機能の障害の中に難病等の者が含まれています。
5:重度訪問介護の対象者は、重度の肢体不自由者のみでしたが、2014年(平成26年)より重度の肢体不自由者に加え、重度の知的・精神障害者へ対象者の範囲の拡大がありました。しかし障害児は対象となっていませんので誤りです。
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03
1→身体障害者福祉法(1949年(昭和24年))では、国に身体障害者更生援護施設の設置が義務づけられました。
2→スペシャルオリンピックスとは、知的発達障害のある人の自立や社会参加を目的として、日常的なスポーツプログラムや、成果の発表の場としての競技会を提供する国際的なスポーツ組織のことをいいます。法制化はされていません。
3→コロニーとは、地域社会から隔絶された人たちの施設のことをいいます。社会福祉基礎構造改革では、施設の中で囲ってしまうのではなく、地域での生活を総合的に支援するための地域福祉の充実が理念として挙げられています。
4→障害者の範囲に難病等の者も含まれたのは、2011年(平成23年)の改正です。
5→「障害者総合支援法」の重度訪問介護の対象者に、障害児は対象となっていません。
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04
1、適切な内容です。現在は身体障害者更生援護施設という名称は廃止されています。現在では「身体障害者社会参加支援施設」と名称が変わり、身体障害者更生援護施設の一部であった身体障害者福祉センター、補装具製作施設、盲導犬訓練施設及び視聴覚障害者情報提供施設がそれにあたります。
2、不適切です。スペシャルオリンピックスとは、知的障がいのある方が日常的にスポーツを行う機会を持ち、その成果を発表する協議会を開催する国際組織の事です。スペシャルオリンピックスは非営利活動として認められてはいますが、法制化はされていません。
3、不適切です。社会福祉基礎構造改革の理念として、「個人が尊厳を持ってその人らしい生活が送れるよう支える」事が挙げられています。それを実現するための改革の方向の一つとして「個人の選択を尊重する事」が掲げられていました。大規模コロニー計画は、障がいのある方などを一つの場所に集めて生活させるというものであり、自己決定を支援しているとは言えません。
4、不適切です。障害者の範囲に難病等の者が含まれるようになったのは、平成25年に制定された障害者総合支援法がきっかけです。
5、不適切です。重度訪問介護の対象者として障害児は含まれていません。
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