精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問38

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(28歳、男性)は、統合失調症により母親の同意の下にW精神科病院に医療保護入院している。最近は、幻聴や妄想などの陽性症状が消退しつつある。昨日、Aさんが出席した退院支援委員会が開かれ、Aさんは3か月後の退院に向けて入院を継続することになった。ところが今日になって、AさんはB退院後生活環境相談員(精神保健福祉士)に、「母親からもまだ退院は早いと言われているけど、やはり本当はすぐに退院したい。昨日は、なかなか言い出せなかった」と訴えてきた。

次の記述のうち、B退院後生活環境相談員のAさんへの対応として、適切なものを2つ選びなさい。
  • Aさんの考えを委員会のメンバーに伝えることができることを説明する。
  • 主治医に代わって病状を詳しく説明する。
  • 自分で退院について母親を説得するように説明する。
  • 委員会の決定どおり3か月退院を待つように説明する。
  • 退院請求の制度について再度説明する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1、5です。

1.退院支援委員会には、Aさんの考えを委員会のメンバーに伝えることができます。そのためAさんにそのことを説明することは適切な対応です。

2.病状を詳しく説明することは主治医の役割です。

3.Aさんは医療保護入院中であるため、母親を説得するだけでは退院することはできません。

4.Aさんのすぐに退院したいという希望を考えると、3か月退院を待つように説明することは適切ではありません。

5.Aさんの希望をふまえ、退院請求の制度について再度説明することは適切な対応です。

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02

〇1 . 精神保健福祉士の機能として、権利擁護があります。決定権はあくまでも患者本人にありますが、医療保護入院の退院は、退院支援委員会を通して決定がなされる手続きが必要です。B相談員は、その代弁をすることが出来ることを伝えています。

×2 . 精神保健福祉士は、福祉を担う専門性を持っています。主治医に代わって病状を詳しく説明することは、今のケースで求められていることでもありません。

×3 . 入院治療の必要性について、B相談員が判断して退院を勧めることは望ましいことではありません。また医療保護入院の前提として母親が同意していることはありますが、だからといって母親を説得するように仕向けることは、今後の家族関係の在り方としても望ましいことではありません。

×4 . 委員会の決定も大切であり、守るべきことです。しかしながら、委員会までに本人が退院を希望していることを伝えられなかったことがあるとすれば、権利擁護の観点からすると、現段階でも出来ることがあることを伝えることが、本人の主体性を高めるためにも、望ましいです。

〇5 . 権利擁護のセルフアドボカシーの観点からすると、退院請求の権利の行使方法などについて、わかりやすく説明することが大切です。

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03

Aさんは、退院支援委員会に参加したものの、自分が早く退院したいという希望を言い出せなかったと、のちにB精神保健福祉士に訴えています。

1、Aさんの考えをBさんが変わって委員会に伝えることは、Aさんの考えを代弁する権利擁護の機能にあたります。
 権利擁護機能は、Bさんの精神保健福祉士の役割として適切です。

2、病状を説明することは、あくまでも主治医の役割であり、Aさんの考えではないことからBさんの役割として適切とはいえません。

3、医療保護入院のため母親の同意を得ることは必要ですが、「母親の意見もあってAさんは意見を言いづらかった」と主張しているところから、Aさん自身に再度説得するようアドバイスすることは、退院後の母親との関係性を保つ観点から、適切とはいえません。

4、Aさんの希望は「今すぐに退院したい」ということです。
退院支援委員会の決定は重要ですが、Aさんは退院支援委員会で自分の考えを主張できなかったことから、権利擁護の観点から考えて、適切とはいえません。

5、Aさんの希望を主張するという権利擁護の観点から、退院請求の制度があることを説明することは、適切です。

以上から、正解は1と5です。

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