精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問37
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問題
第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問37 (訂正依頼・報告はこちら)
地域活動支援センターで実習中の学生のMさんは、多くの利用者と接し、困っていることなどを話してもらえるような言葉がけを考えた。Mさんは、「私は、何事にも消極的で、優柔不断なところがあります。あなたはどうですか。また、生活の中で、うまくできないことは何ですか」と一人一人に聞いて回った。
その日の振り返りで、Mさんは、実習指導者である所長から次のような指摘を受けた。「積極的に利用者に話しかける姿勢は評価できます。しかし、障害や障害のある人をどのように捉えるかという点で、あの言葉がけはどうでしょうか。一度考えてみてください」
次のうち、所長がMさんに考えてもらいたかった精神障害者支援の理念や方法として、適切なものを1つ選びなさい。
その日の振り返りで、Mさんは、実習指導者である所長から次のような指摘を受けた。「積極的に利用者に話しかける姿勢は評価できます。しかし、障害や障害のある人をどのように捉えるかという点で、あの言葉がけはどうでしょうか。一度考えてみてください」
次のうち、所長がMさんに考えてもらいたかった精神障害者支援の理念や方法として、適切なものを1つ選びなさい。
- インフォームドコンセント
- ストレングスモデル
- レジリエンス(resilience)
- ソーシャルインクルージョン
- アドボカシー
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この過去問の解説 (3件)
01
1.インフォームドコンセントとは、治療やサービス提供時に十分な説明を行い、同意を得るということです。事例では、治療やサービス内容を説明している場面はないため、適切な回答とはいえません。
2.ストレングスモデルとはクライエントの強みに焦点を当てた考え方です。Mさんの「生活の中で、うまくできないことは何ですか」という問いかけは弱みに焦点を当てていると考えられるため、所長がストレングスモデルの視点をMさんに考えてもらいたかったと考えることは適切です。
3.レジリエンスとは、うつ病などの精神障害者が本来持っている回復能力のことです。レジリエンスも精神障害者支援で大切な考え方ですが、事例のMさんの発言を考えると、ストレングスモデルの方が所長が考えてもらいたかったこととしては適切といえます。
4.ソーシャルインクルージョンとは、社会的に排除されている人々を包摂して、誰もがともに生きる社会を創造しようとする考え方です。事例からはそのようなやりとりが読み取れないため、適切な回答とはいえません。
5.アドボカシーとは、権利擁護のことです。事例から権利擁護に関する内容は読み取れないため、適切な回答とはいえません。
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02
〇2 . 「ストレングスモデル」は、当事者の強さや心身の健康的な部分に焦点を当てて、それを伸ばしていこうという援助のモデルです。ここで実習生のMさんは自分や利用者の弱い部分について言葉かけをしていますが、共感を呼ぶことはあるかも知れませんが、利用者にとってはマイナスの面に目を向けることがつらいこともあります。逆に、強みを見つけ出すような語り掛けもあるのだということを、所長は念頭に置いているようです。
×3 . レジリエンス(resilience)は、病気や不適応などを生じるような環境や病気、不適応などについて、それを跳ね返すような復元力や回復力を意味しています。レジリアンスをはぐくむのは復帰のための課題です。ここでは関連はありますが、直接にはストレングスモデルの中で、かかわりを考えていくのが大きく見て正解なのではないかと思われます。
×4 . ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)は、障害や社会的な排除を受けがちな人々も包み込み、誰もがともに生きる社会の創造を目指す考え方です。ここでの実習生、指導者の指摘などがソーシャルインクルージョンに匹敵するような事柄は特にありません。
×5 . アドボカシー(権利擁護)は、差別、偏見、不自由な生活を強いられている人々を擁護するために、援助者が代弁したり、意識を変革していこうということを意味しています。ここでの働きかけや指導にそれに匹敵する事柄はありません。
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03
1、インフォームドコンセントは、治療やサービス提供者が、治療や手術、サービスなどを行う際に、その方法や効果、副作用などの起こりうる危険性をも含めて説明し、患者や利用者が同意を得ることです。
2、ストレングスモデルは、利用者の欠陥ではなく、経験やその人の能力、できることなどの「強み」に着目して援助をしていくことです。
3、レジリエンスは、もともと備わっている回復できる力のことです。逆境や困難に直面した時に、それを乗り越えていく際に強化されていくとされています。
4、ソーシャルインクルージョンは、社会的包摂ともいわれ、障害や高齢などによって社会参加を阻まれている人や地域から排除されてる人を、孤立や孤独、排除から援護し、同じ市民としての視点から社会の構成員として包み込むことです。
5、アドボカシーは、病気や障害によって主張することが難しい自己の権利を代弁するなど、利用者の権利擁護のことです。
上記のことから、所長が考えてもらいたかった概念は、ストレングスモデルと考えられます。
以上から、正解は2です
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