精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問40

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

X障害者就業・生活支援センターのC就業支援担当者(精神保健福祉士)は、Dさん(23歳、男性)から相談を受けた。Dさんは18歳で統合失調症の診断を受け、1年前から週3日デイケアに通所している。車が好きで自動車整備士になるのが夢だったDさんは、最近、「自動車整備士は難しくても、せめてガソリンスタンドで働いてみたい」と強く思うようになったという。主治医に相談すると、「働くための支援が受けられれば考えてもよいのではないか」と言われ、デイケアのスタッフからは就労継続支援事業所の利用を勧められた。Dさんは、「就労継続支援事業所の作業は車と関係ないのでやる気が起きない。ガソリンスタンドのアルバイトに応募しようと思うが、いざとなると自信がない。でも、やっぱり僕は働きたい」と訴えた。

この時のC就業支援担当者の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
  • アルバイトの前に、就労継続支援事業所の利用を勧めた。
  • ガソリンスタンドは難しい仕事なので、他の仕事を探すよう助言した。
  • 自分でガソリンスタンドのアルバイトを見つけるよう促した。
  • 体験実習ができるガソリンスタンドを紹介した。
  • デイケアに毎日通所できた時点で、援助を開始すると伝えた。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.Dさんは「就労継続支援事業所の作業は車と関係ないのでやる気が起きない」と言っています。Dさんの思いを無視して、アルバイトの前に就労継続支援事業所の利用を勧めることは適切ではありません。

2.Dさんのガソリンスタンドのアルバイトに対する思いを無視して、他の仕事を探すように助言することは適切とはいえません。

3.支援者として、自分でガソリンスタンドのアルバイトを見つけるように促すことは適切とはいえません。

4.Dさんに体験実習ができるガソリンスタンドを紹介することは、就業支援担当者として適切な対応です。

5.週3日の通所であっても、主治医から「働くための支援が受けられれば考えてもよいのではないか」と許可されていることもあり、毎日通所できた時点で援助を開始すると伝えることは適切ではありません。

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02

×1 . 就労継続支援事業所の利用は、本人が、気が進まないと述べています。自立支援には本人の意思が大切です。無理やり進めるのはパターナリズムであり、適切ではありません。

×2 . 本人の興味関心が大切です。ガソリンスタンドは難しい仕事と判断してしまうのは、C担当者の価値観に基づく判断です。

×3 . 就労の希望はありますが、本人が自信がないと訴えているので、自分でガソリンスタンドのアルバイトを見つけるよう促しても、むずかしいと思われます。

〇4 . 職場体験実習は、具体的に就労の現場を知り、自分の課題や必要な知識、能力を身につけることのために有益で、現在のDさんには最適の選択と思われます。  

×5 . デイケアへの通所と就労援助は両輪の輪です。体力や規則正しい生活のために有意義なデイケアですが、毎日通所できるようになることが到達目標ではありません。

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03

Dさんは「ガソリンスタンドで働きたい。しかし、どうしても応募しようとすると自信がない」と訴えていることから、ガソリンスタンドでの就労意欲はあるものの自信が持てないことが読み取れます。

1、就労継続支援事業所の利用は、本人が難色を示しており、ガソリンスタンドで働きたいという希望があることから、適切な支援とは言えません。

2、他の仕事を探すように支援することは、本人の意思と異なることから、適切な支援とは言えません。
 本人の意思を尊重した支援が大切になります。

3、「自分で応募する際に自信がない」と訴えていることから、自分で探すよう促すことは、この場面では適切な支援とは言えません。

4、「自分で応募する際に自信がない」と訴えており、応募の初めの支援として、体験実習ができるガソリンスタンドを紹介することは、本人の意思を尊重した支援と考えられます。

5、デイケアに毎日通所することで生活リズムを整えることは可能ですが、本人の意思は「ガソリンスタンドで働きたい」ことであり、デイケアに毎日通うことを援助開始の条件にすることは、適切とは言えません。

以上から、正解は4です。

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