精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
人体の構造と機能及び疾病 問7
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問題
第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
廃用症候群に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 関節拘縮は起こりにくい。
- 筋の萎縮は起こりにくい。
- 高齢者では起こりにくい。
- 起立性低血圧が起こりやすい。
- 急性期リハビリテーションで離床を早期から行うことで起こりやすい。
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この過去問の解説 (3件)
01
廃用性症候群とは、長期に安静状態など体を動かさない状態に置かれたことにより生じる症状のことです。
1. 廃用性症候群では、関節拘縮は起こりやすくなります。関節拘縮とは関節の動きが悪くなることで、寝たきりなど長期の安静状態により起こりやすくなります。
2. 廃用性症候群では、筋肉が衰える筋委縮は起こりやすくなります。
3. 廃用性症候群は、寝たきりの高齢者に主に起きる症候群です。
4. 正解です。起立性低血圧とは、急に立ち上がるとふらつく症状のことで、廃用性症候群の症状の一つです。
5. 廃用性症候群は、長期にわたり体を動かさないことによって悪化するので、急性期リハビリテーションで離床を早期から行うことは廃用性症候群の予防策になります。
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02
廃用症候群(生活不活病)は、疾病や外傷による過度の安静や災害時などの避難所などで長い期間身体をあまり動かさないことで、筋肉や関節が萎縮・拘縮します。また心機能の低下や起立性低血圧、血栓などによる塞栓症、誤嚥性肺炎、褥瘡などさまざまな身体症状と精神的な落ち込み、せん妄といった精神症状も現れます。
1.誤答
廃用症候群は、長期間の過度の安静により身体を動かす機会を失うため関節の拘縮は起こりやすくなります。
2.誤答
長期間の安静によって起こる廃用症候群は、関節拘縮のほかに筋の萎縮も起こります。
筋肉は1週間に1割の速度で萎縮していくので、廃用症候群予防のためにも早期からのリハビリが必要です。
3.誤答
高齢者は生理的老化に加えて、疾病によって心身機能の変化が大きく、運動機能低下による廃用症候群が起こりやすくなります。また、疾病やけがなどによる長期の安静を必要とする高齢者は、身体だけでなく精神状態や生活にも大きな影響を与えます。
4.正答
身体を使わないため筋肉の萎縮によって、座った状態から立ち上がると、全身の血管の収縮によって心臓から脳へ十分な血液が送られず、起立性血圧が起こりやすくなります。
5.誤答
廃用症候群は、外傷や治療のために過度に安静にすることによって起こります。
今までの急性期治療では、救命や治療に重きが置かれ、患者さんのADL(日常生活動作)などは、後回しになり症状が安定してからリハビリを開始ししたと適切な時期にリハビリを行うことをしていませんでした。
しかし、この長期間の安静やベッド上の生活は廃用症候群を引き起こしてしまうため、急性期からリハビリを開始することによって廃用症候群の予防を行うことが一般的となっています。
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03
廃用症候群は、病気やけが、加齢による活動性低下・寝たきり状態などが引き金となり、体や精神に不都合な変化を起こします。
1.体を動かさない状態が続くと、関節が固まって動きにくくなる関節拘縮が起こります。
2.安静状態が続くと筋力が低下し、筋肉がやせ衰えてしまう筋の萎縮が起こります。
3.廃用症候群は、筋力や臓器の機能が低下している高齢者に多く見られます。
4.廃用症候群になると血圧の調整がうまくできなくなり、急に起き上がると起立性低血圧を引き起こします。
5.体を動かさない状態が続くことで悪化するこの症状。急性期リハビリテーションで早期から離床を行うことは、廃用症候群の予防になります。
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