精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
人体の構造と機能及び疾病 問6
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、脳血管性認知症の特徴的な症状として、適切なものを2つ選びなさい。
- パーキンソン症状
- まだら認知症
- 幻視
- 感情失禁
- 常同行動
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この過去問の解説 (3件)
01
認知症には、「三大認知症」といわれる3つの認知症があり全体の約85%を占めています。
認知症のうち、およそ半数はアルツハイマー型認知症で、次にレビー小体型認知症、そして脳血管性認知症と続きます。
残りの15%の認知症の中には、40代~60歳代で現れる、若年性アルツハイマーや前頭側頭型認知症などがあります。
1.誤答
パーキンソン症状が現れる認知症は、レビー小体型認知症です。
レビー小体型認知症は、脳にレビー小体という異常なたんぱく質が大脳皮質など中枢神経系に広がり神経細胞が死滅してしまうことで起こる認知症です。
レビー小体型認知症ではパーキンソン症状のほかに幻視・妄想、認知機能障害、REM睡眠行動障害などが現れます。
2.正答
まだら認知症は、脳血管性認知症でみられる特徴的な症状です。
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血等の脳血管障害が原因で起こるため、脳の血液循環が悪くなり脳の一部が壊死してしまいます。
そのため、脳が正常に機能する部分と障害を受けている部分とで認知機能などにむらができ、まだら認知症として現れます。
3.誤答
1.で説明した通り幻視はレビー小体認知症の特徴的な症状です。
認知機能と連動して幻視が起こる傾向があり、人や虫、小動物などがみられることが多いです。
4.正答
感情失禁は、脳血管性認知症の特徴的な症状で、些細な刺激で泣いたり笑ったりするなど感情のコントロールがうまくいかないという症状です。
5.誤答
常同行動が特徴的な認知症は、前頭側頭型認知症(ピック病)です。
前頭側頭型認知症は、大脳の前頭葉・側頭葉に委縮がみられるもののはっきりとした原因はいまだ不明です。
40代から60代といった若年層に現れ、常同行動のほかに自制力の低下、感情鈍麻、異常行動、人格変化などの症状が見られます。
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02
症状の特徴として、記憶力は低下しているが判断力や専門知識には異常がみられない「まだら認知症」、感情のコントロールができなくなり話しかけただけで泣く・怒り出すといった「感情失禁」などが挙げられます。
よって、正解は2と4です。
その他の選択肢の解説は以下のとおりです。
1→パーキンソン症状(手足の震えや筋肉のこわばり)が起こるのは、レビー小体型認知症です。
3→幻視(現実にないものが見える)は、レビー小体型認知症にみられる症状です。
アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症では初期症状として物忘れが目立ちますが、レビー小体型認知症では幻視や妄想、うつ症状などが現れます。
5→常同行動(同じ行動や言動を繰り返す)は、前頭側頭型認知症にみられる症状です。
脳のおよそ4割を占める前頭葉・側頭葉が委縮し、他人への興味や罪悪感、身だしなみへのこだわりなどがなくなります。
精神疾患と間違われることも珍しくありません。
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03
脳血管性認知症は脳卒中等が原因で引き起こされる認知症で、50歳以降の男性に多いこと、記憶力に障害は出るものの判断や理解力は保たれること、病識があることが特徴です。
症状としては選択肢にあるような「まだら認知症」や感情のコントロールが難しくなる「感情失禁」などがあります。
アルツハイマー型認知症と比較して覚えると良いでしょう。
各選択肢については、以下の通りです。
1.パーキンソン症状は、レビー小体型認知症の特徴です。
3.幻視は、レビー小体型認知症の特徴です。
5.常同行動は、前頭側頭型認知症(ピック病)における症状の特徴です。
ピック病では、その他に人格の変化などもみられます。
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