精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
心理学理論と心理的支援 問8
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、馴化(じゅんか)による行動の記述として、適切なものを1つ選びなさい。
- 同じ大きな音が繰り返されるにつれて、驚愕(きょうがく)反応が小さくなった。
- 乳児に新しいおもちゃを見せたら、古いおもちゃよりも長く注視した。
- まぶたにストローで空気を吹き付けると、思わずまばたきした。
- 食あたりした後に、その食べ物を見るだけで吐き気がするようになった。
- うまくできたら褒めることで、ピアノの練習に取り組むようになった。
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この過去問の解説 (3件)
01
馴化とは、音などの同じ刺激を赤ちゃんに繰り返し与え続けると、初めは刺激に驚いた反応をしていた赤ちゃんも徐々にその刺激に慣れ(刺激に飽きているため)、最初よりも反応が小さくなっていくことをいいます。
馴化反応が見られることで、赤ちゃんが「与え続けられている刺激は同じものだ」と認識していることが分かります。
各選択肢については、以下の通りです。
2.これは「脱馴化」の説明です。
新しいおもちゃの方を長く注視するという反応を見ることで、赤ちゃんが古いおもちゃと新しいおもちゃの識別ができているという判断に繋がります。
3.これは「瞬目反射」の説明です。
赤ちゃんに生まれつき備わっている反射のうちのひとつです。
4.これは「レスポンデント(古典的)条件付け」の説明です。
わたしたちが「梅干しを見ると(条件刺激)、自然と唾液が出る(無条件反応)」ように、レスポンデント条件付けとは、ある刺激に対して無意識に反応するようになる学習のことをいいます。
5.こちらは「オペラント条件付け」の説明です。
オペラント(道具的)条件付けとは、選択肢にあるような「褒められる(報酬)」のために自発的に行動することをいいます。
レスポンデント条件付けとオペラント条件付けの違いを覚える際は、以下のように考えると分かりやすいでしょう。
・自分の意思で制御できないものが「レスポンデント条件付け」
・自分の意思で制御できるものが「オペラント条件付け」
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02
馴化とは、特定の刺激が繰り返し与えられることで、その刺激に対する反応が薄くなっていく(慣れる)現象です。
その他の選択肢の解説は以下のとおりです。
2→脱馴化の説明です。
乳児に新しい刺激を提示し、最初に与えた刺激よりも注視時間が長くなった時、「乳児はこの刺激が新しいものだと認識できている」と判断できます。
3→睫毛反射の説明です。
中枢神経障害や死亡時には睫毛反射が消失します。
4→パブロフの犬の実験で知られる、条件反射の説明です。
5→エンハンシング効果の説明です。
「褒める」「賞賛の言葉をかける」といった外発的動機づけによって、相手の内発的動機づけによるモチベーションアップが期待できます。
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03
馴化(じゅんか)とは、ある刺激を繰り返し提示すると、刺激に鈍感になり徐々に反応の頻度が減少していく現象です。
1.正答
これは、馴化による行動です。
大きな音という刺激を繰り返し提示することにより、大きな音に慣れてきて驚愕反応が減少しています。このように馴化とは、順応や慣れと言われる場合もあります。
2.誤答
これは、「新奇選好」という乳児の特有の行動です。
乳児は新しい刺激をより好んで注視するという行動特徴があります。乳児の視覚についてはファンツの「選好注視法」などの実験で、特定の形のパターンを好んで見るという生得的選好があるといわれています。
3.誤答
これは、眼球やまぶたへの刺激によって瞬きが起こる「瞬目反射」です。反射とは特定の刺激に対して身体の一部が自動的に反応することです。
4.誤答
これは、パブロフの犬の実験で有名なレスポンデント(古典的)条件付けです。
食あたりした食べ物に嫌悪刺激が用いられ、その刺激にネガティブな吐き気という情動が条件づけられたため、食あたりした食べ物を目にするだけで吐き気を引き起こすようになってしまっています。
5.誤答
これは、スキナーの実験で有名やオペラント条件付けです。
オペラントとは「自発的」という意味があり、ほめるという刺激を提示することにより、ピアノの練習に取り組むという望ましい行動が増えたという、「正の強化」です。
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