精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問57
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 問57 (訂正依頼・報告はこちら)
障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
(注)「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
- 1960年(昭和35年)に成立した精神薄弱者福祉法は、ノーマライゼーションを法の理念とし、脱施設化を推進した。
- 1981年(昭和56年)の国際障害者年で主題として掲げられたのは、合理的配慮であった。
- 1995年(平成7年)に精神保健法が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に改正され、保護者制度が廃止された。
- 2013年(平成25年)に成立した「障害者差別解消法」では、障害者を医学モデルに基づいて定義している。
- 2018年(平成30年)に閣議決定された障害者基本計画(第4次)では、命の重さは障害によって変わることはないという価値観を社会全体で共有できる共生社会の実現に寄与することが期待されている。
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この過去問の解説 (3件)
01
1→ノーマライゼーションは1950年代、デンマークのB.ミケルセンが提唱した理念です。
2→1981年(昭和56年)国際障害者年の主題は、「完全参加と平等」です。
3→精神保健法が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に改正されたのは1995年(平成7年)ですが、保護者制度が廃止されたのは2014年(平成26年)です。
4→障害者差別解消法は、医学モデルではなく、障害の社会モデルの考えに基づいて定められている法律です。
医学モデルでは障害によって得る社会的不利は個人の問題として考えられ、社会モデルは社会的不利を社会の問題とする考え方です。
5→2018年(平成30年)に閣議決定された障害者基本計画(第4次)の中に、「一人ひとりの命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」と記されています。
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02
精神薄弱者福祉法下では、ノーマライゼーションの思想や脱施設化へ向かう世界的動向とは相反する施策がとられていました。特に知的障害者の入所施設は増加していました。
ノーマライゼーションが推進されたのは、1980年代からです。
2.誤。
国際障害者年で主題として掲げられたのは、「完全参加と平等」です。
3.誤。
精神保健法が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に改正されましたが、保護者制度は廃止されていません。
保護者になれるものとして、後見人、保佐人、配偶者、親権を行う者、扶養義務者があげられます。
4.誤。
障害者差別解消法では、障害者を社会モデルに基づいて定義しています。
社会モデルとは、障害者が日常・社会生活で受ける制限は、心身の機能の障害のみならず、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものという考え方のことをさします。
5.正。
障害者基本計画(第4次)には、「一人ひとりの命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という当たり前の価値観を国民全体で共有できる共生社会の実現に寄与することが期待されている旨が記されています。
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03
精神薄弱者福祉法は、精神薄弱者とされた人達の更生援助と保護を目的として定められており、入所施設等に入所させる事も推奨されていました。
2、不適切です。国際障害者年のテーマは「完全参加と平等」とされています。
3、不適切です。
精神保健法が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に改正されたのは平成7年ですが、保護者制度が廃止されたのは平成26年4月からです。
4、不適切です。
障害者差別解消法においては、障がいがある方を社会モデルに基づいて定義しています。
社会モデルとは、障がいがある方が感じる社会参加へのハードルは、障がいを持たれている方に問題があるのではなく、それを阻害している環境に問題があるため、改善していく必要があると考える考え方の事です。
5、適切な内容です。
その他にも、全ての人があらゆる場面で活躍できる社会を目指す事などが内容に盛り込まれています。
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