精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
人体の構造と機能及び疾病 問6
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、精神疾患の診断・統計マニュアル( DSM-5 )において、自閉スペクトラム症( ASD )と診断するための症状に含まれるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 同一性への固執
- 精神運動制止
- 陰性症状
- 気分の高揚
- 幻覚
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この過去問の解説 (4件)
01
この問題はアメリカ精神医学会(APA)が作成した精神疾患の診断・統計マニュアルにおける自閉症スペクトラム障害に関する問題です。
1→〇 同一性の固執は自閉スペクトラム症の「限定された反復する行動」の1つで、DSM-5の2項にある「統合失調症スペクトラム障害及び他の精神病性障害群」に分類されています。
2→✕ 精神運動制止はうつ病の症状の1つで、ICD-10のF3「気分障害」に分類されています。
3→✕ 陰性症状は統合失調症における症状で、ICD-10のF2「統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害」に分類されています。
4→✕ 気分の高揚は躁うつ病の躁病エピソードの1つで、ICD-10のF3「気分障害」に分類されています。
5→✕ 幻覚は統合失調症の陽性症状の1つで、ICD-10のF2「統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害」に分類されています。
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02
正解は1です。
同一性への固執は、自閉スペクトラム症の症状の一つで、DSMー5の項目の一つで「行動、興味、活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること」と記されています。
各選択肢については以下のとおりです。
2→精神運動制止は精神運動抑制とも呼ばれ、うつ病の主症状の一つです。思考や決断力などの精神活動が停滞し、会話の減少、思考過程の遅延や緩慢な動作となって現れます。
3→陰性症状は、統合失調症の症状の一つです。陰性症状には、集中力の低下、感情・意欲の減退などがあります。
4→気分の高揚は、躁うつ病の躁状態の症状の一つです。
5→幻覚は、統合失調症の陽性症状(健康な時にはなかった状態が表れる)の一つです。
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03
1、同一性への固執とは、特定の物や事柄に対して強い固執を示し、その状態が変化する事を嫌う状態の事を指し、自閉症の方によくみられる症状と言われています。
2、精神運動制止とは、思考や決断力が鈍くなり、動作がゆっくりになったり何かをする事を億劫がったりする状態の事を指し、うつ病患者の方によくみられる症状と言われています。
3、陰性症状とは、感情表現の低下や意欲の低下が起き、何かをする事が出来なくなるような状態の事を指し、統合失調症の方によくみられる症状と言われています。また、陰性症状と対比した統合失調症の症状に「陽性症状」があります。
4、気分の高揚とは、体にエネルギーが湧いてくるような感覚や、「自分は何でもできる」などの感覚(万能感)が現れる等の状態を指します。この症状は双極性障害の方に見られる症状と言われています。
5、幻覚とは実際に見えないものが目の前にあるかのような感覚に陥る事を言います。この症状は統合失調症の方によくみられる症状と言われています。
以上の症状の内、DSM-5において自閉症スペクトラム症と診断するための症状に含まれるものは「同一性への固執」のため、正解は選択肢1となります。
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04
正解は1です。
精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorder)は、アメリカ精神医学会によって作成されています。
1 ○
「同一性への固執」は、「行動、興味、または活動の限定された反復的な様式」を明らかにする項目の一つとして挙げられています。
2 ×
「精神運動制止」は、うつ病の診断基準の項目の一つです。
3 ×
陰性症状は、統合失調症の症状のうち、感情の鈍麻・平板化、意欲の減退、思考の低下などをさします。
4 ×
気分の高揚は、双極性障害のような気分障害において躁状態にあるときにみられます。
5 ×
幻覚は、統合失調症の陽性症状のひとつで、実際には存在しないものが見えたり、聞こえたり感じたりすることです。
統合失調症以外にも幻覚がみられる場合があります。
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