精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
心理学理論と心理的支援 問8
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、レスポンデント(古典的)条件づけの事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので、継続的に利用するようになった。
- 自動車を運転しているときに事故に遭ってから、自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。
- 試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので、次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。
- おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら、優しく扱うようになった。
- 工事が始まって大きな音に驚いたが、しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、2 です。
レスポンデント(古典的)条件づけとは、条件反射のことです。ある出来事に条件的に反射し、そのことを能動的に学ぶことを言います。
1 不適切です。条件反射でデイサービスの継続的な利用を決めたわけではありません。
2 適切です。事故に遭った経験から条件反射で不安を感じています。
3 不適切です。条件反射で勉強の意欲が出てきたわけではありません。
4 不適切です。条件反射でおもちゃを優しく扱うようになったわけではありません。
5 不適切です。慣れているだけですので、条件反射を起こしていません。
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02
正解は 2 です。
レスポンデント条件づけ
経験によって形成された刺激と反応の結びつきをいいます。
パブロフの犬の実験:犬に餌を与える前にベル(刺激)を鳴らす。これを繰り返すうちに、ベルの音だけで唾液を分泌(反応)するようになった。
レスポンデント条件づけに対して、オペラント条件づけがあります。
オペラント条件づけ
生活体の自発的な反応に基づく条件づけ
スキナー箱:白ネズミがバーを押すと餌が出てくる仕掛けになっており、白ネズミは何度もバーを押すようになった。
オペラント条件づけは、強化の種類とその与え方によって4種類に分類されます。
正の強化:行動すると強化子が提示され、その行動の頻度が増加する。
負の強化:行動すると強化子が除去され、その行動の頻度が増加する。
正の罰:行動すると強化子が提示され、その行動の頻度が減少する。
負の罰:行動すると強化子が除去され、その行動の頻度が減少する。
1.3.4.はオペラント条件づけであると考えられます。
1.デイサービスの体験利用(行動)をしたら思ったよりも楽しかった(強化子の提示)ので、継続的に利用するようになった(正の強化)。
2.正解です。自動車を運転しているときに事故に遭って(刺激)から、自動車に乗ろうとすると不安な気持ち(反応)を強く感じるようになった。
3.試験前に時間をかけて勉強する(行動)ことで高得点が取れた(強化子の提示)ので、次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった(正の強化)。
4.おもちゃを乱暴に扱っていた(行動)子どもに注意をしたら(強化子の提示)、優しく扱うようになった(正の罰)。
5.工事が始まって大きな音(刺激)に驚いた(反応)が、しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。これは馴化です。
※馴化:ある刺激が繰り返し提示されることによって、その刺激への反応が徐々に見られなくなっていく現象。
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03
本設問において登場する「レスポンデント条件付け」の例として有名な物は、パブロフが行った犬を使った実験です。
餌を与える時にベルを鳴らすという行為を繰り返す事で、犬はベルを鳴らしただけで唾液を出すようになるという条件反射が発生するようになります。
レスポンデント条件付けは特定の刺激を受けた際に、本来だったら関連の無い反応が無意識に出現するようになる事を言います。
✕ 本選択肢では、デイサービスの利用が楽しかったという理由から、自発的に利用を継続しています。理由に基づき自分の意思で行動しているため、レスポンデント条件付けとは言えません。
〇 本来は「自動車に乗る」という行為は不安な気持ちを生じさせる行為ではありませんでしたが、事故に遭ったという経験により、自動車に乗ろうとすると無意識に不安な気持ちが生じてしまっています。レスポンデント条件付けの条件に当てはまっています。
✕ 時間をかけて勉強した結果、高得点を取るという行動に繋がっており、その行動には関連性があります。本来であれば全く関連が無い行為が関連づくのがレスポンデント条件付けなので、この選択肢はレスポンデント条件付けの内容とは異なります。
✕ おもちゃを乱暴に扱う事がいけない事であると学習したため、意識的に優しく扱うようになっています。学習に基づき、自分の意思で行動を変えているため、レスポンデント条件付けとは言えません。
✕ 大きな音に対して徐々に慣れていったため、その音に対して驚きを感じなくなったので、「馴化(じゅんか)」であると考えられます。
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