精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問154
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問154 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
Lさん(39歳、女性)は、統合失調症の患者である。身寄りのないLさんは、働きながら一人暮らしをしていたが、仕事上のストレスから32歳で発症し、精神科病院へ入院となった。6か月の入院治療の結果、陽性症状は落ち着き、一人暮らしを再開することになった。
ある日、通院する精神科病院のM精神保健福祉士は、「頑張ってはいるけれど、毎日の家事がとても大変です」とLさんから相談を受けた。話を聞くと、陰性症状としての意欲の低下が著しく、身の回りのケアに困難がある様子がうかがえた。生活状況の確認のためLさんの部屋を訪れると、室内はひどく散らかっており、食事内容も偏っているようであった。M精神保健福祉士は、W指定特定相談支援事業者を紹介し、Lさんは「障害者総合支援法」におけるホームヘルパーによる調理や洗濯・掃除など家事の援助・相談が受けられる制度を利用し始めた。(※1)
しばらく安定した生活をしていたLさんであったが、38歳の時、通院している病院の定期的な血液検査の結果、糖尿病が進行していることが明らかになった。これ以上の悪化を予防するため健康管理の必要性を感じたM精神保健福祉士は、Lさんと相談の上、主治医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師が自宅に訪問するサービスの利用を支援した。(※2)
ホームヘルパーと看護師による訪問を受けるようになったLさんであったが、次第に戸惑いの表情を見せるようになった。心配したM精神保健福祉士が話を聞くと、「私はできれば働きたい。でも訪問してくれる人や主治医は、口々に違うことを言う。私はどうしたらいいのか分からなくなってきた」とLさんは訴えた。本人の意向に基づく支援内容の検討の必要性を感じたM精神保健福祉士は、その状況をW指定特定相談支援事業者に報告した。そこでW指定特定相談支援事業者は、支援方針を調整するため本人を含めた関係者が参加するケア会議を開催した。(※3)
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、Lさんに提供されるサービス(※2)の根拠となるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Lさん(39歳、女性)は、統合失調症の患者である。身寄りのないLさんは、働きながら一人暮らしをしていたが、仕事上のストレスから32歳で発症し、精神科病院へ入院となった。6か月の入院治療の結果、陽性症状は落ち着き、一人暮らしを再開することになった。
ある日、通院する精神科病院のM精神保健福祉士は、「頑張ってはいるけれど、毎日の家事がとても大変です」とLさんから相談を受けた。話を聞くと、陰性症状としての意欲の低下が著しく、身の回りのケアに困難がある様子がうかがえた。生活状況の確認のためLさんの部屋を訪れると、室内はひどく散らかっており、食事内容も偏っているようであった。M精神保健福祉士は、W指定特定相談支援事業者を紹介し、Lさんは「障害者総合支援法」におけるホームヘルパーによる調理や洗濯・掃除など家事の援助・相談が受けられる制度を利用し始めた。(※1)
しばらく安定した生活をしていたLさんであったが、38歳の時、通院している病院の定期的な血液検査の結果、糖尿病が進行していることが明らかになった。これ以上の悪化を予防するため健康管理の必要性を感じたM精神保健福祉士は、Lさんと相談の上、主治医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師が自宅に訪問するサービスの利用を支援した。(※2)
ホームヘルパーと看護師による訪問を受けるようになったLさんであったが、次第に戸惑いの表情を見せるようになった。心配したM精神保健福祉士が話を聞くと、「私はできれば働きたい。でも訪問してくれる人や主治医は、口々に違うことを言う。私はどうしたらいいのか分からなくなってきた」とLさんは訴えた。本人の意向に基づく支援内容の検討の必要性を感じたM精神保健福祉士は、その状況をW指定特定相談支援事業者に報告した。そこでW指定特定相談支援事業者は、支援方針を調整するため本人を含めた関係者が参加するケア会議を開催した。(※3)
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、Lさんに提供されるサービス(※2)の根拠となるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 介護保険制度
- 地域生活支援事業
- 医療保険制度
- 無料低額診療事業
- 地域相談支援
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、3 です。
1 不適切です。
介護保険制度は、基本的に65歳以上の高齢者が対象となります。Lさんは38歳とありますので、不適切です。
2 不適切です。
地域生活支援事業は、日常生活用具給付事業などが該当します。記述内容は「訪問看護」についてですので、不適切です。
3 適切です。
Lさんが39歳であることからも医療保険制度で訪問看護サービスを受けることがわかります。
4 不適切です。
無料低額診療事業は、経済的に生活に困窮している方を対象としています。事例にそのような記述はありません。
5 不適切です。
ここでは既に自宅で暮らしているLさんが「訪問看護」のサービスを利用しようとしていますので、不適切です。
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02
正解は、 3 です。
訪問看護に関する問題です。
1 適切ではありません。
訪問看護ステーションの看護師が自宅に訪問するサービスは訪問看護であり、
介護保険制度による介護福祉サービスではありません。
また、Lさんはこの当時38歳であることから、介護保険の対象でもありません。
2 適切ではありません。
地域生活支援事業は、市町村が実施主体となり、地域の特性や利用者の状況に応じ、
柔軟な形態により計画的に実施する事業を意味します。
例として、成年後見制度支援事業や日常生活用具給付等事業があります。
訪問看護は医療サービスのため、これに該当しません。
3 適切です。
訪問看護は医療サービスのため、医療保険制度が根拠となっています。
服薬支援や健康観察等がサービス内容に含まれます。
4 適切ではありません。
無料定額診療事業とは、社会福祉法の規定に基づき、
生計困難者のために、無料または低額な料金で診療を行う事業を意味します。
5 適切ではありません。
地域相談支援とは、地域移行支援と地域定着支援を合わせたものを意味します。
地域移行支援とは、入院・入所している者に対して、
住居の確保、地域移行のための障害福祉サービス事業者等への同行支援等を行うものです。
また、地域定着支援とは、単身の障害者等に対し、
緊急時に相談、または緊急対応を行う支援のことを指します。
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03
1、不適切です。介護保険制度の被保険者は65歳以上または、特定疾病が原因で介護が必要な状態となっている40~64歳の医療保険加入者と定められています。
Lさんは38歳であり、介護保険制度の被保険者となっていないため、そのサービスを受ける事はできません。
2、不適切です。地域生活支援事業は自治体がその地域の特性に合わせて実施される事業であり、その内容としては、成年後見制度利用促進事業や相談支援事業、理解促進研修・啓発事業などが挙げられます。
Lさんが受けている内容は訪問看護サービスであり、地域生活支援事業には含まれません。
3、適切な内容です。Lさんが受けている訪問看護サービスは、医療保険または介護保険から提供されるサービスとなります。選択肢1で述べた通り、Lさんは介護保険サービスを利用する事はできませんので、医療保険制度が今受けているサービスの根拠となっています。
4、不適切です。無料低額診療事業は低所得者などに無料または低額で診療を行う事業の事を言います。その中に訪問看護サービスは含まれていません。
5、不適切です。地域相談支援とは、施設や病院などに入院、入所している人を対象に地域に移行できるよう相談を受けたり、住居の確保等の支援を行う「地域移行支援」と、地域で単身で生活しているため、緊急時の支援を受ける事が出来ない人を対象に緊急時の相談が出来る体制を整える「地域定着支援」の2種類を組み合わせたサービスの事を言います。
Lさんが利用している訪問看護サービスは地域相談支援に含まれていませんので、適切な選択肢とは言えません。
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