精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神障害者の生活支援システム 問163

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問題

第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神障害者の生活支援システム 問163 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
Aさん(30歳、男性)は、21歳の時に統合失調症と診断され、母親と二人で住む市内にあるX精神科病院に入院した。しばらくして症状はようやく落ち着いたが、母親は自宅への退院に難色を示し、他の退院後の受入先も確保できず退院の話は進まなかった。そのうちAさんの退院意欲が減退したこともあり、入院は長期化した。
Aさんは28歳の時、地域で生活する精神障害当事者と対話できるX精神科病院内のプログラムに参加した。そこでAさんは退院意欲が喚起され、病院のB精神保健福祉士に、「退院して自宅に戻りたい」と相談を持ちかけた。B精神保健福祉士は、Aさんとの面接に加えて母親との面接を設定した。面接で母親は、「病気のことがよく分からないし、また入院前の、あの大変な状況に戻っても対応できる自信がない」と語り、自宅への退院に後ろ向きであった。B精神保健福祉士は、家族を対象に専門家が実施するX精神科病院内の家族の感情表出に着目したプログラムへの参加を勧めた。(※1)
プログラムへの参加を通して、母親はAさんの自宅への退院に前向きになり、様々な人の支援を受けながらAさんは自宅へ退院した。しかし退院後間もなく、母親は体調を崩して1週間ほど入院となり、自宅でAさんの身の回りの世話をできる人がいなくなった。Aさんは生活能力の低下もあいまって心細さを強く訴えるようになったため、「障害者総合支援法」に規定される、短期間の入所により食事や入浴の提供などを行うサービスを利用することとした。(※2)
母親の退院後しばらくして、Aさんは自宅に戻った。B精神保健福祉士の勧めでY地域活動支援センターに通い、徐々に地域での生活を楽しむようになった。Y地域活動支援センターでは、米国で精神障害当事者が開発したリカバリーに向けたプログラムが行われていた。入院中に知り合ったCさんに誘われてAさんもそのプログラムに参加した。そこで、自分のこれからの人生を考えられるようになった。(※3)
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

Aさんが参加したプログラム(※3)に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
  • 「私たちは一人ぼっちではない(We are not alone)」を合言葉とした。
  • 精神障害当事者が中心となって実施する。
  • 支援者と共同で創出した働く場が起源である。
  • 困難な時の対処方法について、プランをあらかじめ作成する。
  • 匿名での参加が原則である。

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この過去問の解説 (3件)

01

WRAP(Wellness Recovery Action Plan)に関する問題です。

選択肢1. 「私たちは一人ぼっちではない(We are not alone)」を合言葉とした。

クラブハウスモデルに関する記述になっています。

選択肢2. 精神障害当事者が中心となって実施する。

正解です。

選択肢3. 支援者と共同で創出した働く場が起源である。

クラブハウスモデルに関する記述になっています。

選択肢4. 困難な時の対処方法について、プランをあらかじめ作成する。

正解です。

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02

1、不適切です。本選択肢の内容は「クラブハウスモデル」の説明となっています。

2、適切な内容です。リカバリープログラムにおいては、精神障害当事者が自分の病気を自己管理できるような力をつけ、自分自身でリカバリーが出来るようになる事を目的の一つとしています。

3、不適切です。選択肢の内容は「クラブハウスモデル」の説明となっています。

4、適切な内容です。ストレスに対処する力をつけると同時に、困難な時にどのように対処するかをあらかじめプランとして作成しておく事で混乱を防ぐ事が出来ます。

5、不適切です。特に匿名で参加する事は原則とされていません。

参考になった数27

03

正解は、2・4 です。

1 不適切です。

記述内容は、クラブハウスについてです。

2 適切です。

地域での生活を楽しめるようになってきたAさんです。「Cさんに誘われてAさんも参加した」ともありますので、当事者が中心となって実施する活動は有効です。

3 不適切です。

事例には働くことについて記載はありません。

4 適切です。

これからの生活を考える上で重要なことです。

5 不適切です。

匿名である必要は特にありません。

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