社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
心理学理論と心理的支援 問9

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問題

社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 心理学理論と心理的支援 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

パーソナリティの理論に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • クレッチマー( Kretschmer, E. )は、特性論に基づき、体格と気質の関係を示した。
  • ユング( Jung, C. )は、外向型と内向型の二つの類型を示した。
  • オールポート( Allport, G. )は、パーソナリティの特性を生物学的特性と個人的特性の二つに分けた。
  • キャッテル( Cattell, R. )は、パーソナリティをリビドーにより説明した。
  • 5因子モデル( ビッグファイブ )では、外向性、内向性、神経症傾向、開放性、協調性の5つの特性が示されている。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は2です。

ユングはタイプ論によって、心のエネルギーが外に向いている「外向型」と、自分の内に向いている「内向型」という二つの類型を示しています。


その他の選択肢の解説は以下のとおりです。

1→クレッチマーは、「類型論」によって体格と気質の関係を示しています。

3→オールポートは、パーソナリティを多くの人に共通してみられる「共通特性」と個人特有の「個人特性」に分類しました。

4→キャッテルは「因子分析法」という科学的な方法を用いてパーソナリティ構造を明らかにしようとしました。

5→正しくは内向性ではなく「勤勉性・誠実性」です。
研究者によって用語が若干異なるようですが、は1981年ゴールドバーグによって発表された「ビッグ・ファイブ」や、1995年コスタ&マックレーによって発表された「5因子モデル」が広く受け入れられています。

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02

正答【2】

1.誤答 
クレッチマーは、特性論ではなく類型論を提唱しました。
精神科医のクレッチマーは、3大精神病(統合失調症・躁うつ病・てんかん)といわれた患者には特有の体型と気質があるとして、「分裂気質」・「循環(躁鬱)気質」・「粘着気質」の3つの特性に分類した性格論を展開しています。

・細身型(分裂気質/内気、繊細、非社交性)
・肥満型(循環(躁うつ)気質/陽気、気分の浮き沈みが激しい、同調性)
・闘士型(粘着気質/几帳面・融通が利かない)


2.正答 
ユングは、興味や関心の方向性に着目し外向型と内向型の2つの類型論を提唱しています。

外向型とは、興味や関心が自分の外の世界や周囲に向いてしまうタイプであり、感情表現が豊かであったり、社交的な人があてはまります。
一方、内向性とは、興味や関心が自分の内面に向いてしまうタイプで、控えめで思慮深いなどの人があてはまるといわれています。


3.誤答 
オルポートは人の特性を一般の人が持つ「共通特性」とその個人が持つ「個人的特性」の2つに分けました。
「共通特性」を14の共通特性(支配的‐服従的、持久的‐動揺的、外向的‐内向的など)としてまとめ、これらを他者と比較することで測定し、個人のパーソナリティの特性を表す「心誌(Psychograph)」を作成しました。


4.誤答 
パーソナリティーをリビドーで説明したのは、精神分析のフロイトです。

キャッテルは、パーソナリティを因子分析によって説明しています。
人の特性を定量化可能な「共通特性」と質的特性である「独自特性」に分類しました。 さらに、この2者に基づいた状況的で、観察可能な「表面的特性」と観察不能な要因である「根源的特性」から性格を理解しようと考えました。
そして、 「根源的特性」を基に「16パーソナリティ因子質問紙」という性格検査を作成しました。


5.誤答
5因子モデル(ビッグファイブ)では、「外向性」「神経症傾向」「開放性」「協調性(調和性)」「誠実性」の5つの特性が示されています。
これら5つの特性でパーソナリティーの特徴を大まかにとらえられるためよく使われ理論で、代表的なのはコスタ&マックレーのモデルです。

外向性(活動性・温かさ)
神経症傾向 (不安・繊細)
開放性(感情的・価値観重視)
協調性(信頼性・やさしさ)
誠実性(良心・慎重さ)

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03

正解は2です。

ユングは心的エネルギーが外に向いている「外向型」と、心的エネルギーが内面に向かう「内向型」の2つの型を示しています。
さらに、「思考・感情・感覚・直観」の4つを「外向型」「内向型」の2型と組み合わせ、8つの性格傾向を分類したことでも知られています。
これを、ユングのタイプ論といいます。

各選択肢については、以下の通りです。

1.クレッチマーは「類型論」に基づいています。

3.オールポートは、パーソナリティを「共通特性」と「個人特性」の2つに分けています。
また、心誌(サイコグラフ)を考案したことでも知られていますので、併せて覚えましょう。

4.リビドーによりパーソナリティを説明したのは「フロイト」です。
キャッテルは行動特徴を因子分析することで、パーソナリティの特性を抽出したことで知られています。
この選択肢はキャッテルについて知らなかったとしても、「リビドー=フロイトが提唱した」ことを覚えていれば、消去法で考えることができます。
フロイトは過去問でも頻出している人物ですので、確実に覚えましょう。

5.内向性ではなく、正しくは「誠実性」です。
ビッグファイブの提唱者は「ゴールドバーグ」ですので、併せて覚えましょう。

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04

パーソナリティについて、特性論と類型論の違いが理解できていると、
解答しやすかったと思います。

1× 特性論ではなく、正しくは「類型論」です。
クレッチマーの性格類型理論では、気質を
「分裂気質」「循環(躁鬱)気質」「粘着気質」の
3つの特性に分類しています。

2○ 正しいです。

3× 生物学的特性ではなく、正しくは「共通特性」です。

4× キャッテルではなく、フロイトによる心理性的発達理論です。
ちなみに、キャッテルはオールポートの特性論の影響を受けて、
「16PF:16パーソナリティ因子質問紙」という
パーソナリティを検査する方法を開発しました。

5× 内向性ではなく、正しくは「勤勉性」です。
5因子モデル(BigFive)はマックレー、コスタによって提唱されました。
「神経症的傾向(N)」「外向性(E)」「開放性(O)」、「協調性(A)」、「誠実性(C)」の5つから、パーソナリティを捉えます。

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