社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
労働基準法及び労働安全衛生法 問2
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問題
社労士試験 第55回(令和5年度) 選択式 労働基準法及び労働安全衛生法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文中の( B )の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
1.労働基準法の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から( A )間行わない場合においては、時効によって消滅することとされている。
2.最高裁判所は、労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過した後にされた使用者の時季変更権行使の効力が問題となった事件において、次のように判示した。
「労働者の年次有給休暇の請求(時季指定)に対する使用者の時季変更権の行使が、労働者の指定した休暇期間が開始し又は経過した後にされた場合であつても、労働者の休暇の請求自体がその指定した休暇期間の始期にきわめて接近してされたため使用者において時季変更権を行使するか否かを事前に判断する時間的余裕がなかつたようなときには、それが事前にされなかつたことのゆえに直ちに時季変更権の行使が不適法となるものではなく、客観的に右時季変更権を行使しうる事由が存し、かつ、その行使が( B )されたものである場合には、適法な時季変更権の行使があつたものとしてその効力を認めるのが相当である。」
3.最高裁判所は、マンションの住み込み管理員が所定労働時間の前後の一定の時間に断続的な業務に従事していた場合において、上記一定の時間が、管理員室の隣の居室に居て実作業に従事していない時間を含めて労働基準法上の労働時間に当たるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。
「労働基準法32条の労働時間(以下「労基法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実作業に従事していない時間(以下「不活動時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が不活動時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである〔…(略)…〕。そして、不活動時間において、労働者が実作業に従事していないというだけでは、使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず、当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。したがって、不活動時間であっても( C )が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。そして、当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、( C )が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である」。
4.労働安全衛生法第35条は、重量の表示について、「一の貨物で、重量が( D )以上のものを発送しようとする者は、見やすく、かつ、容易に消滅しない方法で、当該貨物にその重量を表示しなければならない。ただし、包装されていない貨物で、その重量が一見して明らかであるものを発送しようとするときは、この限りでない。」と定めている。
5.労働安全衛生法第68条は、「事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、( E )しなければならない。」と定めている。
1.労働基準法の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から( A )間行わない場合においては、時効によって消滅することとされている。
2.最高裁判所は、労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過した後にされた使用者の時季変更権行使の効力が問題となった事件において、次のように判示した。
「労働者の年次有給休暇の請求(時季指定)に対する使用者の時季変更権の行使が、労働者の指定した休暇期間が開始し又は経過した後にされた場合であつても、労働者の休暇の請求自体がその指定した休暇期間の始期にきわめて接近してされたため使用者において時季変更権を行使するか否かを事前に判断する時間的余裕がなかつたようなときには、それが事前にされなかつたことのゆえに直ちに時季変更権の行使が不適法となるものではなく、客観的に右時季変更権を行使しうる事由が存し、かつ、その行使が( B )されたものである場合には、適法な時季変更権の行使があつたものとしてその効力を認めるのが相当である。」
3.最高裁判所は、マンションの住み込み管理員が所定労働時間の前後の一定の時間に断続的な業務に従事していた場合において、上記一定の時間が、管理員室の隣の居室に居て実作業に従事していない時間を含めて労働基準法上の労働時間に当たるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。
「労働基準法32条の労働時間(以下「労基法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実作業に従事していない時間(以下「不活動時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が不活動時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである〔…(略)…〕。そして、不活動時間において、労働者が実作業に従事していないというだけでは、使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず、当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。したがって、不活動時間であっても( C )が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。そして、当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、( C )が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である」。
4.労働安全衛生法第35条は、重量の表示について、「一の貨物で、重量が( D )以上のものを発送しようとする者は、見やすく、かつ、容易に消滅しない方法で、当該貨物にその重量を表示しなければならない。ただし、包装されていない貨物で、その重量が一見して明らかであるものを発送しようとするときは、この限りでない。」と定めている。
5.労働安全衛生法第68条は、「事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、( E )しなければならない。」と定めている。
- 2年
- 3年
- 5年
- 10年
- 100キログラム
- 500キログラム
- 1トン
- 3トン
- 役務の提供における諾否の自由
- 企業運営上の必要性から
- 休業を勧奨
- 行政官庁の許可を受けて
- 厚生労働省令で定めるところにより
- 使用者の指揮命令下に置かれていない場所への移動
- その就業を禁止
- 遅滞なく
- 当該時間の自由利用
- 必要な療養を援助
- 病状回復のために支援
- 労働からの解放
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この過去問の解説 (3件)
01
正解肢は「遅滞なく」です。
此花電報電話局事件(S57.3.18最一小判)
「労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちに使用者が時季変更権を行使した場合であつても、労働者の右休暇の請求がその指定した期間の始期にきわめて接近してされたため使用者において時季変更権を行使するか否かを事前に判断する時間的余裕がなかつたようなときには、客観的に右時季変更権を行使しうる事由があり、かつ、その行使が『遅滞なく』されたものであれば、適法な時季変更権の行使があつたものとしてその効力を認めるのが相当である。」
此花電報電話局事件(S57.3.18最一小判)からの出題です。例年、判例からの問題が出題されていますので、各分野の有名な判例は押さえておきましょう。
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02
正しいものは「遅滞なく」です。
判例からの出題で、やや長文の問題です。この判例は過去にも複数回出題されていますので見たことのある方もいるかもしれません。
年次有給休暇の時季指定、時季変更権についてはその変更が遅滞なくされたものであれば効力は認められます。
長文で読みにくいですが、過去にも出題されていますのでできれば得点したいところです。
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03
「遅滞なく」が正解です。
判例からの出題です。
労働基準法は特に判例からの出題が多いので、有名な判例についてひと通り押さえておきましょう。
選択式は、記憶していない判例等からの出題でも、落ち着いて基本的な知識をもとに考えれば正解を選ぶことができる可能性があります。
諦めないことが大事です。
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