薬剤師の過去問 第99回 薬学理論問題（薬理、薬剤、病態・薬物治療） 問165

正解：1.4

1　メルカプトプリンはプリン代謝拮抗薬で、生体内でチオイノシン酸となることでＲＮＡ、ＤＮＡの合成を阻害します。

2　ビンクリスチンは、チュブリンと結合することで、微小管の重合を阻害します。Ｍ期に特異的に作用します。

3　ゲムシタビンは、腫瘍細胞内で代謝されて三リン酸化物となり、デオキシシチジン三リン酸と競合することで、ＤＮＡ合成を阻害します。

4　タモキシフェンは、乳がん細胞のエストロゲン受容体を競合的に遮断することで、乳がん細胞の増殖を抑制します。

5　トラスツマブは、ＨＥＲ2に対するモノクローナル抗体であり、ＨＥＲ2が過剰出現している腫瘍細胞に働きます。転移性乳がんや胃がんの治療に用いられます。

正解【１・４】

１．正しい記述です。

２．ビンクリスチンは植物アルカロイド系で、微小管が重合する過程を阻害する細胞分裂を抑制します。

３．ゲムシタビンは、DNA鎖に取り込まれることで
別のヌクレオシドが結合し、アポトーシスが誘導によってDNA合成を直接的及び間接的に阻害します。

４．正しい記述です。

５． トラスツズマブは、ヒト上皮増殖因子受容体2型（HER2）阻害薬です。HER2を阻害することでがん細胞の増殖を抑制します。