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薬剤師の過去問 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問305

問題

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60歳女性。10年ほど前に尿タンパクを指摘されていたが放置していた。
その後、疲れやすくなったため、8年ほど前に近医を受診した。
腎機能低下を指摘され、薬物療法が開始された。
症状は徐々に進行し、現在は慢性腎不全の保存期である(検査値:血清クレアチニン値3.0mg/dL、血清カルシウム値8.8mg/dL、血清リン値4.4mg/dL、血清カリウム値5.0mEq/L)。

以下の処方を受けているが、最近、胸のむかつきなどの胃炎症状を訴えている。

この女性患者にニザチジンを投与することとなった。
なお、腎機能が正常な女性において、ニザチジンの全身クリアランスに占める腎クリアランスの割合は90%、eGFRを120mL/min/1.73m2とし、ニザチジンの腎クリアランスはeGFRに比例し、腎外クリアランスは腎機能の影響を受けないと仮定した。また、eGFRの推定には次のノモグラムを用いた。

この患者の薬学的管理に関する記述のうち、適切ではないのはどれか。1つ選べ。
問題文の画像
   1 .
テモカプリル塩酸塩錠は、血清カリウム値を上昇させることがある。
   2 .
炭酸水素ナトリウムは、代謝性アシドーシスに対して処方される。
   3 .
高リン血症を併発した場合には、炭酸マグネシウムの投与を考慮する。
   4 .
クレメジンカプセル200mgは、他剤との相互作用を避けるため服用時期を変更するよう疑義照会する。
   5 .
消化管へのポリスチレンスルホン酸カルシウムの蓄積を避けるため、便秘を起こさせないようにする。
( 薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問305 )
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この過去問の解説 (3件)

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正解:3

1 ACE阻害薬の代表的な副作用に高カリウム血症があります。

2 炭酸水素ナトリウムは塩基性のため、代謝性アシドーシスの治療に用いられます。

3 炭酸マグネシウムは便秘や胃酸分泌抑制に用いられます。高リン酸血症には塩酸セベラマーなどが用いられます。

4 クレメジンは吸着作用を持つため、他の薬剤との併用は避ける必要があります。他に服用する薬がある場合は30分~1時間ほど間をあけます。

5 ポリスチレンスルホン酸カルシウムは陽イオン効換樹脂です。高カリウム血症の治療に用いられます。

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【答え】3

【選択肢に対する説明】
 1:正.テモカプリルはACE阻害薬であり、レニン-アンギオテンシン系を抑制することでアルドステロンの分泌を抑制します。アルドステロンは尿細管に作用してNaを再吸収しKの再吸収を抑制するので、ACE阻害薬により、Kの再吸収が抑制されなくなるため、高K血症を引き起こします。

 2:正.アシドーシスとは血液のpHが通常より酸性側になっている状態です。そのため、アルカリ性の炭酸水素ナトリウムを用います。

 3:誤.高リン血症にはリン吸着薬である沈降炭酸カルシウムや炭酸ランタンなどを用います。炭酸マグネシウムはリンを吸着しません。

 4:正.クレメジンは吸着炭であるため他の薬剤の吸着してしまいます。そのため他剤との同時服用を避け、30分から1時間ほど間隔をあけてクレメジンを服用する必要があります。

 5:正.ポリスチレンスルホン酸カルシウムは腸内でカリウムを吸着し便とともに排泄させる作用があるので、便秘を生じていると薬剤が排泄されず蓄積してしまいます。

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1:テモカプリルはACEを阻害することで、結果としてレニン-アンギオテンシン系の代謝物であるアルドステロンが抑制され高K血症を引き起こします。

2:代謝性アシドーシスとは炭酸イオンHCO3-の低下によるため、治療として炭酸水素ナトリウムを用います。
また呼吸性アシドーシスだと炭酸水素ナトリウムは血清pHを上昇させてしまうため禁忌とされています。

3:誤りです。高リン血症にはリン吸着薬である沈降炭酸カルシウムや炭酸ランタンなどを用います。炭酸マグネシウムはリンを吸着しません。

4:クレメジンは吸着剤であるため他の薬剤の吸着が生じます。従って他剤との同時服薬をさけ、他剤服用後30分から1時間ほど間隔をあけてクレメジンを服用する必要があります。

5:ポリスチレンスルホン酸カルシウムは腸内でカリウムを吸着し便とともに排泄させる作用があるので、便秘を生じていると薬剤が排泄されず蓄積してしまいます。

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