薬剤師の過去問
第99回
薬学理論問題(物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理) 問135

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問題

薬剤師国家試験 第99回 薬学理論問題(物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理) 問135 (訂正依頼・報告はこちら)

農薬とその急性中毒に対する処置・解毒法の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • パラコート - 酸素吸入
  • ジクロルボス - アトロピンの投与
  • カルバリル - プラリドキシムヨウ化物(PAM)の投与
  • 塩基性硫酸銅 - ペニシラミンの投与
  • 硫酸タリウム - メチレンブルーの投与

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この過去問の解説 (2件)

01

正解:2.4

1 パラコートには、有効な治療法がまだありません。
酸素吸入をすると、パラコートによる肺障害が悪化する可能性があるため、禁忌です。

2 ジクロルボスは、コリンエステラーゼの活性を阻害し、アセチルコリンの働きを強めます。
アトロピンを投与することで、このアセチルコリンが受容体に結合するのを防ぐことができるため、有機リン剤やカルバメート剤の解毒に用いられます。

3 カルバリルは、コリンエステラーゼのセリン残基とカルバモイル結合をすることで活性を低下させ、中毒症状を引き起こします。
PAMにはコリンエステラーゼ賦活作用がありますが、これはリン酸化されたコリンエステラーゼを回復させるもので、カルバモイル結合されたコリンエステラーゼを賦活させるものではありません。

4 ペニシラミンはキレート剤であり、銅や水銀とキレートを形成することで解毒作用を示します。

5 硫酸タリウムの解毒には、プルシアンブルーが用いられます。
メチレンブルーは、メトヘモグロビン血症の解毒に用いられるものです。

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02

正解【2・4】
1.パラコートの処置・解毒法は、洗浄、輸液、血液浄化などを行います。高濃度の酸素投与は禁忌とされています。よって誤りです。

2.正しい記述です。ジクロルボスの処置・解毒法は、アトロピンの投与の他に酸素投与、呼吸管理、ヨウ化プラリドキシムなどを行います。

3.カルバリルの処置・解毒法は、胃洗浄、下剤投与、硫酸アトロピン投与などを行います。プラリドキシムヨウ化物(PAM)の投与は、PAMはカーバメート剤には結合しないので無効です。また現在PAMは有害とされています。

4.正しい記述です。

5.硫酸タリウムの処置・解毒法は、胃洗浄の他、フェロシアン化鉄の投与、強制利尿などを行います。

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