1級土木施工管理技術の過去問
令和4年度
選択問題 問17

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問題

1級土木施工管理技術検定学科試験 令和4年度 選択問題 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼橋に用いる耐候性鋼材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 耐候性鋼材の利用にあたっては、鋼材表面の塩分付着が少ないこと等が条件となるが、近年、塩分に対する耐食性を向上させた耐候性鋼材も使用されている。
  • 桁の端部等の局部環境の悪い箇所に耐候性鋼材を適用する場合には、橋全体の耐久性を確保するため、塗装等の防食法の併用等も検討することが必要である。
  • 耐候性鋼材で緻密なさび層が形成されるには、雨水の滞留等で長い時間湿潤環境が継続しないこと、大気中において乾湿の繰返しを受けないこと等の条件が要求される。
  • 耐候性鋼材には、耐候性に有効な銅やクロム等の合金元素が添加されており、鋼材表面を保護し腐食を抑制するという性質を有する。

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この過去問の解説 (3件)

01

鋼橋に用いる耐候性鋼材に関する設問です。

選択肢1. 耐候性鋼材の利用にあたっては、鋼材表面の塩分付着が少ないこと等が条件となるが、近年、塩分に対する耐食性を向上させた耐候性鋼材も使用されている。

適当です。

耐候性鋼は、表面に緻密なさびを形成して鋼材表面を保護するので、鋼材表面の塩分付着が少ないことなどが条件に挙げられます。

また、橋梁のライフサイクルコストに有用な鋼材です。

近年では、耐候性鋼ニッケル系高耐候性鋼という耐塩分特性・コストパフォーマンス性も高い耐候性鋼材も使用されているようです。

選択肢2. 桁の端部等の局部環境の悪い箇所に耐候性鋼材を適用する場合には、橋全体の耐久性を確保するため、塗装等の防食法の併用等も検討することが必要である。

適当です。

設問の通り、桁の端部等の局部環境の悪い箇所に耐候性鋼材を適用する場合には、橋全体の耐久性を確保するため、塗装等の防食法の併用等も検討することが必要です。

選択肢3. 耐候性鋼材で緻密なさび層が形成されるには、雨水の滞留等で長い時間湿潤環境が継続しないこと、大気中において乾湿の繰返しを受けないこと等の条件が要求される。

不適当です。

耐候性鋼材で緻密なさび層が形成されるには、大気中において乾湿の繰返しを受けること等の条件が要求されます。

選択肢4. 耐候性鋼材には、耐候性に有効な銅やクロム等の合金元素が添加されており、鋼材表面を保護し腐食を抑制するという性質を有する。

適当です。

耐候性鋼材は、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)などの合金元素を含有しています。

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02

鋼橋に用いる耐候性鋼材に関する設問です。

選択肢1. 耐候性鋼材の利用にあたっては、鋼材表面の塩分付着が少ないこと等が条件となるが、近年、塩分に対する耐食性を向上させた耐候性鋼材も使用されている。

適当です。

耐候性鋼材の利用にあたっては、鋼材表面の塩分付着が少ないこと等が条件となります。

近年、塩分に対する耐食性を向上させた耐候性鋼材も使用されています。

選択肢2. 桁の端部等の局部環境の悪い箇所に耐候性鋼材を適用する場合には、橋全体の耐久性を確保するため、塗装等の防食法の併用等も検討することが必要である。

適当です。

塗装等の防食法の検討も有効な手段となります。

選択肢3. 耐候性鋼材で緻密なさび層が形成されるには、雨水の滞留等で長い時間湿潤環境が継続しないこと、大気中において乾湿の繰返しを受けないこと等の条件が要求される。

不適当です。

大気中において乾湿の繰返しを受けること等の条件が要求されます。

選択肢4. 耐候性鋼材には、耐候性に有効な銅やクロム等の合金元素が添加されており、鋼材表面を保護し腐食を抑制するという性質を有する。

適当です。

設問の通り、耐候性鋼材には、耐候性に有効な銅やクロム等の合金元素が添加されており、鋼材表面を保護し腐食を抑制するという性質を有します。

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03

耐候性鋼材の基本的性質を理解しましょう。

選択肢1. 耐候性鋼材の利用にあたっては、鋼材表面の塩分付着が少ないこと等が条件となるが、近年、塩分に対する耐食性を向上させた耐候性鋼材も使用されている。

適当です。

 

耐候性鋼材は、一般的に塩分環境下では腐食しやすいため、塩分付着が少ない環境での使用が望ましいです。しかし、近年では、塩分に対する耐食性を向上させた高耐候性鋼材も開発されており、塩分環境下での使用も検討されています。

選択肢2. 桁の端部等の局部環境の悪い箇所に耐候性鋼材を適用する場合には、橋全体の耐久性を確保するため、塗装等の防食法の併用等も検討することが必要である。

適当です。

 

耐候性鋼材は優れた耐食性を有しますが、桁の端部など、水や塩分が溜まりやすい部分や、応力集中が生じやすい部分など、局部環境の悪い箇所では、追加の防食対策が必要となる場合があります。

選択肢3. 耐候性鋼材で緻密なさび層が形成されるには、雨水の滞留等で長い時間湿潤環境が継続しないこと、大気中において乾湿の繰返しを受けないこと等の条件が要求される。

適当ではありません。

 

耐候性鋼材は、大気中の酸素と反応して緻密なさび層を形成し、内部の鉄を保護します。この過程には、一定の湿潤環境が必要であり、乾湿の繰り返しはむしろさび層の形成を促進する要因となります。

選択肢4. 耐候性鋼材には、耐候性に有効な銅やクロム等の合金元素が添加されており、鋼材表面を保護し腐食を抑制するという性質を有する。

適当です。

 

耐候性鋼材には、銅やクロムなどの合金元素が添加されており、これらの元素が鋼材表面に緻密なさび層を形成し、内部の鉄を保護することで、腐食を抑制する効果があります。

まとめ

耐候性鋼材のメリット

塗装の手間が省けるため、初期費用を抑えることができる。

長寿命化が期待できる。

環境負荷が小さい。

耐候性鋼材のデメリット

塩分環境下では、腐食が促進される場合がある。

緻密なさび層が形成されるまでに時間がかかる。

表面の状態によっては、美観を損なう場合がある。

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