1級土木施工管理技術の過去問
令和4年度
選択問題 問16

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問題

1級土木施工管理技術検定学科試験 令和4年度 選択問題 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼道路橋の架設上の留意事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 同一の構造物では、ベント工法で架設する場合と片持ち式工法で架設する場合で、鋼自重による死荷重応力は変わらない。
  • 箱桁断面の桁は、重量が重く吊りにくいので、事前に吊り状態における安全性を確認し、吊金具や補強材を取り付ける場合には工場で取り付ける。
  • 連続桁をベント工法で架設する場合においては、ジャッキにより支点部を強制変位させて桁の変形及び応力調整を行う方法を用いてもよい。
  • 曲線桁橋は、架設中の各段階において、ねじれ、傾き及び転倒等が生じないように重心位置を把握し、ベント等の反力を検討する。

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この過去問の解説 (3件)

01

鋼道路橋の架設上の留意事項に関する設問です。

過去問にも同様の出題があります。

選択肢1. 同一の構造物では、ベント工法で架設する場合と片持ち式工法で架設する場合で、鋼自重による死荷重応力は変わらない。

不適当です。

ベント工法は、移動式クレーンを用いて仮設したベントの上に上部工を架設する工法です。

片持ち式工法は、河川や山間部等のベントが組めない場所で適用され、連続トラスの架設時などに用いられる架設工法です。

また、トラベラクレーンを使って部材を運搬して組み立てを行います。

したがって、両工法において鋼自重による死荷重応力は変わります。

選択肢2. 箱桁断面の桁は、重量が重く吊りにくいので、事前に吊り状態における安全性を確認し、吊金具や補強材を取り付ける場合には工場で取り付ける。

適当です。

箱桁断面の桁は、事前に吊り状態における安全性を確認したうえで吊金具や補強材を取り付ける際必ず工場で取り付けます。

工場で取り付けるため、高い品質と安全性が期待できます。

選択肢3. 連続桁をベント工法で架設する場合においては、ジャッキにより支点部を強制変位させて桁の変形及び応力調整を行う方法を用いてもよい。

適当です。

設問の通り、連続桁をベント工法で架設する場合においては、ジャッキにより支点部を強制変位させて桁の変形及び応力調整を行う方法を用いても構いません。

選択肢4. 曲線桁橋は、架設中の各段階において、ねじれ、傾き及び転倒等が生じないように重心位置を把握し、ベント等の反力を検討する。

適当です。

設問の通り、曲線桁橋は、架設中の各段階において、ねじれ、傾き及び転倒等が生じないように重心位置を把握し、ベント等の反力を検討します。

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02

鋼道路橋の架設上の留意事項に関する設問です。

選択肢1. 同一の構造物では、ベント工法で架設する場合と片持ち式工法で架設する場合で、鋼自重による死荷重応力は変わらない。

不適当です。

同一の構造物では、ベント工法で架設する場合と片持ち式工法で架設する場合で、鋼自重による死荷重応力は工法によって変わってきます。

選択肢2. 箱桁断面の桁は、重量が重く吊りにくいので、事前に吊り状態における安全性を確認し、吊金具や補強材を取り付ける場合には工場で取り付ける。

適当です。

設問の通り、重量が重く吊りにくいので、事前に吊り状態における安全性を確認し、吊金具や補強材を取り付ける場合には工場で取り付けます。

選択肢3. 連続桁をベント工法で架設する場合においては、ジャッキにより支点部を強制変位させて桁の変形及び応力調整を行う方法を用いてもよい。

適当です。

設問の通り、連続桁をベント工法で架設する場合においては、ジャッキにより支点部を強制変位させて桁の変形及び応力調整を行う方法を用いても大丈夫です。

選択肢4. 曲線桁橋は、架設中の各段階において、ねじれ、傾き及び転倒等が生じないように重心位置を把握し、ベント等の反力を検討する。

適当です。

設問の通り、曲線桁橋は、架設中の各段階において、ねじれ、傾き及び転倒等が生じないように重心位置を把握し、ベント等の反力を検討します。

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03

構造形式や架設工法についてそれぞれの特徴を押さえましょう。

選択肢1. 同一の構造物では、ベント工法で架設する場合と片持ち式工法で架設する場合で、鋼自重による死荷重応力は変わらない。

適当ではありません。

 

ベント工法は、桁をベントと呼ばれる仮支柱で支えながら架設する工法です。架設中はベントが桁を支えているため、桁には自重による応力に加えて、ベントからの反力による応力が発生します。

片持ち式工法は、一端を固定し、もう一方を片持ち梁のように伸ばしながら架設する工法です。この場合、桁には自重による応力のみが作用します。

よって、同じ構造物であっても、架設工法によって発生する応力状態は異なります。

選択肢2. 箱桁断面の桁は、重量が重く吊りにくいので、事前に吊り状態における安全性を確認し、吊金具や補強材を取り付ける場合には工場で取り付ける。

適当です。

 

箱桁は断面二次モーメントが大きく、剛性が高い一方で、自重も大きくなります。吊り上げる際に変形や破損のリスクが高いため、事前に吊り状態における安全性を確認し、必要な補強を施す必要があります。

また、吊金具や補鋼材の取り付けは、工場で行うことで品質管理を徹底することができます。

選択肢3. 連続桁をベント工法で架設する場合においては、ジャッキにより支点部を強制変位させて桁の変形及び応力調整を行う方法を用いてもよい。

適当です。

 

連続桁の架設では、各支点間のたわみを調整する必要があります。ジャッキを用いて支点部を強制変位させることで、桁の変形をコントロールし、設計通りの形状に調整することができます。

選択肢4. 曲線桁橋は、架設中の各段階において、ねじれ、傾き及び転倒等が生じないように重心位置を把握し、ベント等の反力を検討する。

適当です。

 

曲線桁橋は、直線桁に比べて形状が複雑で、架設中にねじれや傾きが発生しやすいです。そのため、重心位置を正確に把握し、ベントの配置や反力を適切に検討する必要があります。

まとめ

鋼道路橋の架設においては、構造形式や架設工法によって様々な留意点があります。特に、桁の形状や荷重条件、架設方法によって発生する応力状態は大きく変化するため、それぞれのケースに合わせて適切な対策を講じることが重要です。

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