土留め壁を構築する場合における掘削底面の破壊現象に関する設問です。
過年度にも似たような出題があります。
イ:せん断抵抗が正答です。
ボイリングは、沸騰したように沸き上がり掘削底面の土がせん断抵抗を失い、急激に土留めの安定性が損なわれる現象です。
地表より低い箇所や高低差が大きい場所などで掘削する場合で起きやすいです。
ロ:土粒子が正答です。
パイピングは砂質地盤で発生する現象ですので、あてはまる単語は粘性土ではありません。
ハ:の隆起が正答です。
ヒービングは、地盤が膨れ上がることで土留めの崩壊が引き起こされる現象です。
また、粘性土の地盤を掘削する場合に起きやすい現象です。
ニ:難透水層が正答です。
盤ぶくれは難透水層がある場合に起こりうる現象です。
また、粘性土の地盤を掘削する場合に起きやすい現象です。
正答をあてはめると以下のようになります。
・ボイリングとは、遮水性の土留め壁を用いた場合に水位差により上向きの浸透流が生じ、この浸透圧が土の有効重量を超えると、沸騰したように沸き上がり掘削底面の土が(せん断抵抗)を失い、急激に土留めの安定性が損なわれる現象である。
・パイピングとは、地盤の弱い箇所の(土粒子)が浸透流により洗い流され地中に水みちが拡大し、最終的にはボイリング状の破壊に至る現象である。
・ヒービングとは、土留め背面の土の重量や土留めに接近した地表面での上載荷重等により、掘削底面(の隆起)が生じ最終的には土留め崩壊に至る現象である。
・盤ぶくれとは、地盤が(難透水層)のとき上向きの浸透流は生じないが(難透水層)下面に上向きの水圧が作用し、これが上方の土の重さ以上となる場合は、掘削底面が浮き上がり、最終的にはボイリング状の破壊に至る現象である。