1級土木施工管理技術の過去問
令和5年度
選択問題 問15

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問題

1級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度 選択問題 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

土留め支保工の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • ヒービングに対する安定性が不足すると予測された場合には、掘削底面下の地盤改良を行い、強度の増加をはかる。
  • 盤ぶくれに対する安定性が不足すると予測された場合には、地盤改良により不透水層の層厚を薄くするとよい。
  • ボイリングに対する安定性が不足すると予測された場合には、水頭差を大きくするため、背面側の地下水位を上昇させる。
  • 土留め壁又は支保工の応力度、変形が許容値を超えると予測された場合には、切ばりのプレロードを解除するとよい。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題で覚えておくポイントは、土留め支保工の施工に関してです。

土留めに問題があると建設中に大きなトラブルに発展してしまいかねないので、きっちりと覚えておきましょう。

選択肢1. ヒービングに対する安定性が不足すると予測された場合には、掘削底面下の地盤改良を行い、強度の増加をはかる。

適当です。

ヒービングに対する安定性が不足すると予測された場合には、掘削底面下の地盤改良を行い、強度の増加をはかります。

ボイリングや盤ぶくれなどと間違えやすいので、きっちりと語句の意味を覚えておきましょう。

 

選択肢2. 盤ぶくれに対する安定性が不足すると予測された場合には、地盤改良により不透水層の層厚を薄くするとよい。

不適当です。

盤ぶくれに対する安定性が不足すると予測された場合には、地盤改良により不透水層の層厚を厚くするとよいです。

不透水層を厚くすることで重量を上げ、安定性を増します。

 

選択肢3. ボイリングに対する安定性が不足すると予測された場合には、水頭差を大きくするため、背面側の地下水位を上昇させる。

不適当です。

ボイリングに対する安定性が不足すると予測された場合には、水頭差を大きくするため、背面側の地下水位を低くさせます。

地下水位を低下させることで、水圧が下がります。

選択肢4. 土留め壁又は支保工の応力度、変形が許容値を超えると予測された場合には、切ばりのプレロードを解除するとよい。

不適当です。

土留め壁又は支保工の応力度、変形が許容値を超えると予測された場合には、切ばりのプレロードを導入するとよいです。

そのようなケースで切ばりを解除してしまうと、ほぼ間違いなく土留めが崩壊します。

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02

土留め支保工の安定性は、特に地盤条件に注目して理解しましょう。

選択肢1. ヒービングに対する安定性が不足すると予測された場合には、掘削底面下の地盤改良を行い、強度の増加をはかる。

適当です。

 

ヒービングは、地下水が掘削面へ上昇し、土粒子を浮き上がらせる現象です。

地盤改良により地盤強度を増すことで、ヒービングを抑制することができます。

選択肢2. 盤ぶくれに対する安定性が不足すると予測された場合には、地盤改良により不透水層の層厚を薄くするとよい。

不適当です。

 

盤ぶくれは、粘性土層で発生しやすく、地下水圧の上昇により土が膨張する現象です。

不透水層を薄くすると、かえって地下水圧が上昇し、盤ぶくれを悪化させる可能性があります。

選択肢3. ボイリングに対する安定性が不足すると予測された場合には、水頭差を大きくするため、背面側の地下水位を上昇させる。

不適当です。

 

ボイリングは、砂層で発生しやすく、地下水圧の上昇により土粒子が水と一緒に噴出する現象です。水頭差を大きくすると、ボイリングが発生しやすくなります。

選択肢4. 土留め壁又は支保工の応力度、変形が許容値を超えると予測された場合には、切ばりのプレロードを解除するとよい。

不適当です。

 

切ばりのプレロードは、土留め壁の初期変形を抑制し、長期的な安定性を確保するためのものです。プレロードを解除すると、土留め壁の変形が大きくなり、許容値を超える可能性があります。

まとめ

ヒービング: 地下水の圧力により土粒子が浮き上がる現象。地盤改良により抑制。
盤ぶくれ: 粘性土層で発生しやすく、地下水圧の上昇により土が膨張する現象。
ボイリング: 砂層で発生しやすく、地下水圧の上昇により土粒子が水と一緒に噴出する現象。

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