1級土木施工管理技術の過去問
令和5年度
選択問題 問37

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問題

1級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度 選択問題 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

海岸保全施設の養浜の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 養浜材に浚渫土砂等の混合粒径土砂を効果的に用いる場合や、シルト分による海域への濁りの発生を抑えるためには、あらかじめ投入土砂の粒度組成を調整することが望ましい。
  • 投入する土砂の養浜効果には投入土砂の粒径が重要であり、養浜場所にある砂よりも粗な粒径を用いた場合、その平衡勾配が小さいため沖合部の保全効果が期待できる。
  • 養浜の施工においては、陸上であらかじめ汚濁の発生源となるシルト、有機物、ゴミ等を養浜材から取り除く等の汚濁の発生防止に努める必要がある。
  • 養浜の陸上施工においては、工事用車両の搬入路の確保や、投入する養浜砂の背後地への飛散等、周辺への影響について十分検討し施工する。

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この過去問の解説 (2件)

01

海岸浸食対策として行われる養浜工事における、適切な施工方法や留意点について理解しているかが確認されます。特に、養浜材料の選定、施工方法、環境への配慮など、多角的な視点が必要となります。

選択肢1. 養浜材に浚渫土砂等の混合粒径土砂を効果的に用いる場合や、シルト分による海域への濁りの発生を抑えるためには、あらかじめ投入土砂の粒度組成を調整することが望ましい。

適当です。

 

養浜材の粒度組成は、養浜効果に大きく影響します。特に、浚渫土砂など、粒度が異なる土砂を混合して使用する場合は、事前に粒度調整を行うことで、より安定した海岸線形成に貢献できます。また、シルト分が多いと海域への濁りとなり、生態系に悪影響を与えるため、シルト分を減らすための調整も重要です。

選択肢2. 投入する土砂の養浜効果には投入土砂の粒径が重要であり、養浜場所にある砂よりも粗な粒径を用いた場合、その平衡勾配が小さいため沖合部の保全効果が期待できる。

適当ではありません。

 

これは誤った記述です。粒径が粗い土砂は、平衡勾配が大きくなる傾向があります。平衡勾配とは、ある粒径の土砂が安定して存在できる勾配のことで、平衡勾配が大きいほど、その土砂はより急な斜面を形成しようとする性質を持ちます。そのため、粗い粒径の土砂を用いると、汀線付近の堆積に寄与し、沖合部の保全効果は期待できません。

選択肢3. 養浜の施工においては、陸上であらかじめ汚濁の発生源となるシルト、有機物、ゴミ等を養浜材から取り除く等の汚濁の発生防止に努める必要がある。

適当です。

 

養浜材に含まれるシルト、有機物、ゴミなどは、海域に流出し、水質汚染や生態系への悪影響を引き起こす可能性があります。そのため、事前にこれらの物質を除去するなど、汚染防止対策を行う必要があります。

選択肢4. 養浜の陸上施工においては、工事用車両の搬入路の確保や、投入する養浜砂の背後地への飛散等、周辺への影響について十分検討し施工する。

適当です。

 

養浜工事は、周辺環境への影響が大きい工事です。工事用車両の通行による騒音や振動、養浜材の飛散による周辺地域への汚染など、様々な影響が考えられます。そのため、事前に周辺環境への影響を十分に検討し、適切な対策を講じる必要があります。

まとめ

マニアックな分野であるため、過去問の範囲はきちんと押さえるようにしましょう。

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02

この問題で覚えておくポイントは、養浜の施工に関してです。

道路や港湾、河川などとまた分野が異なるので注意しましょう。

選択肢1. 養浜材に浚渫土砂等の混合粒径土砂を効果的に用いる場合や、シルト分による海域への濁りの発生を抑えるためには、あらかじめ投入土砂の粒度組成を調整することが望ましい。

適当です。

養浜材に浚渫土砂等の混合粒径土砂を効果的に用いる場合や、シルト分による海域への濁りの発生を抑えるためには、あらかじめ投入土砂の粒度組成を調整することが望ましいです。

 

選択肢2. 投入する土砂の養浜効果には投入土砂の粒径が重要であり、養浜場所にある砂よりも粗な粒径を用いた場合、その平衡勾配が小さいため沖合部の保全効果が期待できる。

不適当です。

投入する土砂の養浜効果には投入土砂の粒径が重要であり、養浜場所にある砂よりも粗な粒径を用いた場合、その平衡勾配が大きいため汀線付近の保全効果が期待できます。

粗な粒径を用いると、砂浜の再生が期待できるようになります。

選択肢3. 養浜の施工においては、陸上であらかじめ汚濁の発生源となるシルト、有機物、ゴミ等を養浜材から取り除く等の汚濁の発生防止に努める必要がある。

適当です。

養浜の施工においては、陸上であらかじめ汚濁の発生源となるシルト、有機物、ゴミ等を養浜材から取り除く等の汚濁の発生防止に努める必要があります。

事前の清掃は土木工事において基本です。

選択肢4. 養浜の陸上施工においては、工事用車両の搬入路の確保や、投入する養浜砂の背後地への飛散等、周辺への影響について十分検討し施工する。

適当です。

養浜の陸上施工においては、工事用車両の搬入路の確保や、投入する養浜砂の背後地への飛散等、周辺への影響について十分検討し施工します。

工事用車両の搬入路の確保の検討は海岸工事に限った話ではなく、土木工事全体に言えることでしょう。

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