1級土木施工管理技術の過去問
令和5年度
選択問題 問38

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問題

1級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度 選択問題 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

離岸堤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 開口部や堤端部は、施工後の波浪によってかなり洗掘されることがあり、計画の1基分はなるべくまとめて施工する。
  • 離岸堤を砕波帯付近に設置する場合は、沈下対策を講じる必要があり、従来の施工例からみれば捨石工よりもマット、シート類を用いる方が優れている。
  • 離岸堤を大水深に設置する場合は、沈下の影響は比較的少ないが、荒天時に一気に沈下する恐れもあるので、容易に補強や嵩上げが可能な工法を選ぶ等の配慮が必要である。
  • 離岸堤の施工順序は、侵食区域の上手側(漂砂供給源に近い側)から設置すると下手側の侵食の傾向を増長させることになるので、下手側から着手し、順次上手に施工する。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題で覚えておくポイントは、離岸堤の施工についてです。

離岸堤は砂浜の保護に大切な施設ですので、しっかり覚えておきましょう。

 

選択肢1. 開口部や堤端部は、施工後の波浪によってかなり洗掘されることがあり、計画の1基分はなるべくまとめて施工する。

適当です。

構造物の端側が洗堀されやすいのは、海でも河川でも同様です。

 

選択肢2. 離岸堤を砕波帯付近に設置する場合は、沈下対策を講じる必要があり、従来の施工例からみれば捨石工よりもマット、シート類を用いる方が優れている。

不適当です。

離岸堤を砕波帯付近に設置する場合は、沈下対策を講じる必要があり、従来の施工例からみれば捨石工、かごマット類を用いる方が優れています。

マットやシート類では沈下対策は見込みにくいです。

 

選択肢3. 離岸堤を大水深に設置する場合は、沈下の影響は比較的少ないが、荒天時に一気に沈下する恐れもあるので、容易に補強や嵩上げが可能な工法を選ぶ等の配慮が必要である。

適当です。

土木構造物は後の維持管理に対する考え方をしっかり身に着けておくことが重要です。

 

選択肢4. 離岸堤の施工順序は、侵食区域の上手側(漂砂供給源に近い側)から設置すると下手側の侵食の傾向を増長させることになるので、下手側から着手し、順次上手に施工する。

適当です。

可能な限り漂砂が砂浜から流出しない方法を用いる必要があります。

 

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02

離岸堤の施工における様々な要素、特に、施工順序、沈下対策、材料の選択などを理解しましょう。

選択肢1. 開口部や堤端部は、施工後の波浪によってかなり洗掘されることがあり、計画の1基分はなるべくまとめて施工する。

適当です。

 

離岸堤の開口部や堤端部は、波の作用を受けやすく、洗掘されやすい箇所です。そのため、計画の1基分をまとめて施工することで、全体としての安定性を高め、洗掘を抑制する効果が期待できます。

選択肢2. 離岸堤を砕波帯付近に設置する場合は、沈下対策を講じる必要があり、従来の施工例からみれば捨石工よりもマット、シート類を用いる方が優れている。

適当ではありません。

 

砕波帯付近に離岸堤を設置する場合、波浪による影響が大きく、沈下が発生しやすいです。捨石工は、マットやシート類に比べて、沈下に対する抵抗性が高く、より安定した構造物を構築できます。そのため、捨石工を用いる方が、沈下対策としては優れています。

選択肢3. 離岸堤を大水深に設置する場合は、沈下の影響は比較的少ないが、荒天時に一気に沈下する恐れもあるので、容易に補強や嵩上げが可能な工法を選ぶ等の配慮が必要である。

適当です。

 

大水深に設置する場合、沈下は比較的少ないですが、荒天時など、大きな波浪を受けた際に、一気に沈下する可能性があります。そのため、沈下した場合でも容易に補強や嵩上げができるような工法を選択することが重要です。

選択肢4. 離岸堤の施工順序は、侵食区域の上手側(漂砂供給源に近い側)から設置すると下手側の侵食の傾向を増長させることになるので、下手側から着手し、順次上手に施工する。

適当です。

 

離岸堤を施工する際は、漂砂の動きを考慮する必要があります。漂砂供給源に近い側から離岸堤を設置すると、下手の侵食を促進してしまう可能性があります。そのため、侵食が激しい下手の側から順次、上手に施工していくのが一般的です。

まとめ

離岸堤は、海岸侵食対策として重要な構造物であり、その設計・施工には、海岸の地形や波浪条件、周辺環境など、様々な要素を考慮する必要があります。

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