1級土木施工管理技術の過去問
令和5年度
選択問題 問42

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問題

1級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度 選択問題 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄道の軌道における維持管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • スラブ軌道は、プレキャストコンクリートスラブを堅固な路盤に据え付け、スラブと路盤との間に填充材を注入したものであり、敷設位置の修正が困難である。
  • 水準変位は、左右のレールの高さの差のことであり、曲線部では内側レールが沈みやすく、一様に連続した水準変位が発生する傾向がある。
  • PC マクラギは、木マクラギに比べ初期投資は多額となり、重量が大きく交換が困難であるが、耐用年数が長いことから保守費の削減が可能である。
  • 軌道変位の増大は、脱線事故にもつながる可能性があるため、軌道変位の状態を常に把握し不良箇所は速やかに補修する必要がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは、鉄道の軌道における維持管理についてです。

インフラ構造物における維持管理の問題はここ昨今注目されているところなので、しっかり理解しておきましょう。

選択肢1. スラブ軌道は、プレキャストコンクリートスラブを堅固な路盤に据え付け、スラブと路盤との間に填充材を注入したものであり、敷設位置の修正が困難である。

適当です。

スラブ軌道は、プレキャストコンクリートスラブを堅固な路盤に据え付け、スラブと路盤との間に填充材を注入したものであり、敷設位置の修正が困難です。

プレキャスト製品、さらに填充材を注入したものを修正していくのは困難でしょう。

選択肢2. 水準変位は、左右のレールの高さの差のことであり、曲線部では内側レールが沈みやすく、一様に連続した水準変位が発生する傾向がある。

不適当です。
水準変位は、左右のレールの高さの差のことであり、曲線部では内側レールが沈みやすく、一様ではない水準変位が発生する傾向があります。

選択肢3. PC マクラギは、木マクラギに比べ初期投資は多額となり、重量が大きく交換が困難であるが、耐用年数が長いことから保守費の削減が可能である。

適当です。

PCマクラギは、木マクラギに比べ初期投資は多額となり、重量が大きく交換が困難であるが、耐用年数が長いことから保守費の削減が可能です。

当然PC部材のほうが金額も重量も大きいです。

選択肢4. 軌道変位の増大は、脱線事故にもつながる可能性があるため、軌道変位の状態を常に把握し不良箇所は速やかに補修する必要がある。

適当です。

軌道変位の増大は、脱線事故にもつながる可能性があるため、軌道変位の状態を常に把握し不良箇所は速やかに補修する必要があります。

一般的に、不良箇所を放っておいて、変位した状態で走行させるのが望ましいとは思えないはずです。

参考になった数2

02

鉄道の軌道における様々な要素と、それらが列車の運行に与える影響について理解を深めていきましょう。

選択肢1. スラブ軌道は、プレキャストコンクリートスラブを堅固な路盤に据え付け、スラブと路盤との間に填充材を注入したものであり、敷設位置の修正が困難である。

適当です。

 

スラブ軌道は、コンクリートスラブを路盤に直接据え付けるため、非常に剛性が高く、振動や騒音が少ないという特徴があります。一方で、いったん敷設してしまうと、位置の修正が困難であるというデメリットもあります。

選択肢2. 水準変位は、左右のレールの高さの差のことであり、曲線部では内側レールが沈みやすく、一様に連続した水準変位が発生する傾向がある。

適当ではありません。

 

水準変位とは、レール間の高低差のことです。曲線部では、遠心力によって外側のレールに力がかかり、内側のレールが沈み込む傾向があります。そのため、曲線部では、内側レールが外側レールよりも高い状態になることが多く、一様に連続した水準変位とはなりません。

選択肢3. PC マクラギは、木マクラギに比べ初期投資は多額となり、重量が大きく交換が困難であるが、耐用年数が長いことから保守費の削減が可能である。

適当です。

 

PCマクラギは、プレストレストコンクリートを用いたマクラギで、耐久性が高く、腐食の心配も少ないため、長寿命であるという特徴があります。初期投資は高額ですが、長期的には保守費を削減することができます。

選択肢4. 軌道変位の増大は、脱線事故にもつながる可能性があるため、軌道変位の状態を常に把握し不良箇所は速やかに補修する必要がある。

適当です。

 

軌道変位は、列車の乗り心地や安全運行に大きく影響します。特に、大きな軌道変位は脱線事故につながる可能性があるため、定期的な点検を行い、不良箇所は速やかに補修する必要があります。

まとめ

水準変位の原因: 曲線部での遠心力だけでなく、温度変化によるレールの伸縮、土の沈下、振動など、様々な要因によって水準変位が発生します。
軌道変位の対策: 定期的な軌道検測、不良箇所の補修、保線作業の効率化などが行われています。

参考になった数1

03

鉄道の軌道の維持管理は、安全運行を確保するために不可欠です。

ここでは、スラブ軌道、PCマクラギ、軌道変位などに関する知識を確認する問題です。

選択肢1. スラブ軌道は、プレキャストコンクリートスラブを堅固な路盤に据え付け、スラブと路盤との間に填充材を注入したものであり、敷設位置の修正が困難である。

適当です。
スラブ軌道はプレキャストコンクリートスラブを使用し、堅固な路盤に据え付ける構造です。

スラブと路盤との間に填充材を注入することで、安定性を確保していますが、一度敷設すると敷設位置の修正が非常に困難です。
この記述は正しいです。

選択肢2. 水準変位は、左右のレールの高さの差のことであり、曲線部では内側レールが沈みやすく、一様に連続した水準変位が発生する傾向がある。

不適当です。
水準変位は、左右のレールの高さの差を指しますが、「一様に連続した水準変位が発生する」という表現は誤りです。

実際には、曲線部で内側レールの沈下が進行した場合、必ずしも一様ではなく、局所的な沈下や不連続な変位が見られることがあります。

この記述は間違いです。

選択肢3. PC マクラギは、木マクラギに比べ初期投資は多額となり、重量が大きく交換が困難であるが、耐用年数が長いことから保守費の削減が可能である。

適当です。

PC(プレストレストコンクリート)マクラギは、木製マクラギに比べ耐久性が高く、保守費用を削減できます。

一方で、コストや重量の面では木製マクラギよりも負担が大きいというデメリットがあります。

この記述は正しいです。

選択肢4. 軌道変位の増大は、脱線事故にもつながる可能性があるため、軌道変位の状態を常に把握し不良箇所は速やかに補修する必要がある。

適当です。

軌道変位の拡大は、列車の走行安定性に影響を及ぼし、脱線などの重大事故につながる可能性があります。

そのため、軌道の状態を常時監視し、異常が確認された場合には速やかに補修することが求められます。

この記述は正しいです。

まとめ

鉄道の軌道維持管理においては、スラブ軌道やPCマクラギの特性、軌道変位の監視が重要です。

特に、PCマクラギは耐用年数が長い一方で交換が手間であることを理解しておく必要があります。

また、軌道の水準変位の管理は、脱線防止に直結するため、常に監視し補修することが求められます。

正確な知識を持つことで、安全な鉄道運行を支えることができます。

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