第一種衛生管理者の過去問
平成26年10月公表
労働生理 問43
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問題
第一種 衛生管理者試験 平成26年10月公表 労働生理 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
筋肉に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 筋肉は、神経から送られてくる刺激によって収縮するが、神経に比べて疲労しやすい。
- 筋収縮には、グリコーゲンやりん酸化合物等のエネルギー源が必要で、特に、直接のエネルギーはATPの加水分解によってまかなわれる。
- 筋肉中のグリコーゲンは、酸素が十分に供給されると完全に分解され、最後に乳酸になる。
- 筋肉の長さは変わらないが、外力に抵抗して筋力の発生がある状態を等尺性収縮という。
- 運動することによって筋肉が太くなることを筋肉の活動性肥大という。
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この過去問の解説 (4件)
01
筋肉の収縮にはエネルギーが必要です。その直接のエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)とよばれる物質で、このATPがADP(アデノシン二リン酸)になるとき(加水分解によって)に発生するエネルギーを利用して筋肉は収縮します。
ATPはグリコーゲンを分解したブドウ糖やリン酸化合物が代謝されることによって生み出されます。
(グリコーゲンの変化)
グリコーゲンは分解されるとブドウ糖になります。このブドウ糖は運動時に消費されますが、酸素が不足している状態(急激な運動時)では、エネルギーを生み出した後、乳酸になります。
それに対し、十分な酸素の供給がある場合(有酸素運動等)は多くのエネルギーを生み出し、最終的に二酸化炭素と水に分解されます。
(筋肉収縮の種類)
筋肉には次の3種類の収縮があります。
①短縮性収縮
筋肉が縮みながら筋力を発揮している状態で、「ダンベルを持ち上げる運動」のことです。
②伸張性収縮
筋肉が伸びながら筋力を発揮している状態で、「持ち上げたダンベルを下す際の運動」のことです。
③等尺性収縮
筋肉の長さが変わらないまま力を発揮している状態で、「ダンベルを少し持ち上げたのち、その位置を維持し続ける際の運動」のことです。
(活動性肥大)
筋肉は負荷を受けた時、筋繊維を肥大化してその負荷に適応した状態になろうとします。これを活動性肥大といいます。
では問題をみてみましょう。
1.正しいです。筋肉は神経に比べ疲労しやすいです。
2.正しいです。
3.誤りです。乳酸になるのは酸素が不足している状態の時です。酸素が十分に供給されると二酸化炭素と水に分解されます。
4.正しいです。
5.正しいです。
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02
2の筋収縮は、アデノシン三リン酸(ATP)がアデノシン二リン酸(ADP)に加水分解されることによってまかなわれるため、正しいです。
3の筋肉中のグリコーゲンは、「乳酸」ではなく「アデノシン三リン酸と二酸化炭素と水に分解」されるので、誤りです。
4の「等尺性収縮」とは、「外力に抵抗して筋力の発生がある状態」をいうので、正しいです。
5の活動性肥大は作業性肥大ともいわれ、「負荷に適応した形態をとるようになること」なので、正しいです。
よって、3が正解です。
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03
筋肉は神経からの刺激によって収縮し、疲労しやすくなります。
2.○
筋肉の収縮は、ブドウ糖などによって合成されたATP(アデノシン三リン酸)が分解される時のエネルギーによって行われます。
3.×
グリコーゲンは酸素が十分に共有されると多量のATPと水と二酸化炭素に完全分解されます。酸素の供給が不十分な場合、分解が不完全になり、乳酸が増加します。
4.○
姿勢を保持しているとき、筋肉の長さは変わらないが、外力に対抗して筋力が発生しており、これを等尺性収縮と言います。
5.○
筋肉は鍛えると太くなりこれを活動性肥大といいます。
よって正解は3です。
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04
「酸素が十分に供給されると完全に分解され、最後に乳酸になる」わけではありません。
酸素が十分に供給されている場合は「水」と「二酸化炭素」になります。そして、酸素が十分に供給されていない場合に分解できずに「乳酸」になります。
他の選択肢1,2,4,5については文のとおりで正しいものとなっています。
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