第一種衛生管理者の過去問
令和4年10月公表
労働生理 問5

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和4年10月公表 労働生理 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

腎臓又は尿に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。
  • 血中の蛋(たん)白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。
  • 血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。
  • 原尿中に濾(こ)し出された電解質の多くは、ボウマン嚢(のう)から血中に再吸収される。
  • 原尿中に濾(こ)し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

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この過去問の解説 (4件)

01

血液を濾過して尿を排出する泌尿器系の構造を理解し、血液中の電解質やタンパク質、老廃物などがどのように排出・吸収されるか、どの器官がその役割を果たすかなど、概要を知ることで泌尿器系の衛生生理の問題は解答ができます。

医学関係の試験ではないので、詳しいことを知る必要はなく、何がどうするかを知れば十分でしょう。

選択肢1. 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

× 血中の老廃物は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出されます。

選択肢2. 血中の蛋(たん)白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

× 血中の蛋(たん)白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出されません。

血球やタンパク質のような大きい分子は濃し出されません。

選択肢3. 血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

〇 正しいです。

選択肢4. 原尿中に濾(こ)し出された電解質の多くは、ボウマン嚢(のう)から血中に再吸収される。

× 原尿中に濾(こ)し出された電解質の多くは、尿細管から血液中に再吸収されます。

選択肢5. 原尿中に濾(こ)し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

× 原尿中に濾(こ)し出された水分の大部分は、尿細管から血液中に再吸収されます。

まとめ

<参考>泌尿器系

・泌尿器系の構造は、腎臓・尿管・膀胱・尿道からなっています。

・腎臓は、泌尿器系の上位に有って、血液をろ過し、老廃物や尿の不必要な物質を取り除きます。

・腎小体は、毛細血管の集合体である糸球体と、それを包み込むボウマン嚢で構成されています。

・尿は、平滑筋からできている尿管で、筋の収縮で尿が押し出され、膀胱へ運ばれます。

・腎臓は、腎小体と尿細管で構成され、糸球体は血液から老廃物・グルコース・電解質・アミノ酸・糖などが、ろ過されて、ボウマン嚢に原尿として溜まります。

・糖質・アミノ酸・電解質などは、尿細管でほとんどが、尿細管を通る途中で血中に水分とともに再吸収され、残った尿素などが、尿として排出されます。

・尿は弱酸性で、95%が水分です。

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02

腎臓および尿に関する問題です。

選択肢1. 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

血中の老廃物は、糸球体からボウマン嚢(又は原尿中)に濾し出されます。

よって、誤った選択肢です。

選択肢2. 血中の蛋(たん)白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

血中の蛋白質は、血液中に残りますので、糸球体からボウマン嚢に濾し出されることはありません。

よって、誤った選択肢です。

選択肢3. 血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

説明文の通りです。

正しい選択肢です。

選択肢4. 原尿中に濾(こ)し出された電解質の多くは、ボウマン嚢(のう)から血中に再吸収される。

原尿中に濾し出された電解質の多くが再吸収されるのは、尿細管からです。

よって、誤った選択肢です。

選択肢5. 原尿中に濾(こ)し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

原尿中に濾し出された水分の大部分は、尿細管から血中に再吸収されます。

よって、誤った選択肢です。

まとめ

労働生理は全般的に出題パターンがある程度決まっています。

過去問をしっかりとやり込むことが一番の対策です。

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03

腎臓と尿に関する問題です。

腎臓の構造と原尿の流れを理解した上で設問を解くようにしましょう。
腎臓は、ネフロンとよばれる単位から構成され、1つの腎臓におよそ100万ネフロン存在しています。ネフロンは腎小体(糸球体+ボウマン嚢)と尿細管から成り立っています。
ボウマン嚢に濾し出されたものは「原尿」と呼ばれます。

原尿の流れは、ボウマン嚢→尿細管→集合管→尿管→排尿です。

なお、原尿中に濾し出された水分の多くは、尿細管で血中に再吸収されます。

選択肢1. 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

血中の老廃物は、尿細管ではなく、「糸球体」からボウマン嚢(又は原尿中)に濾し出されます。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢2. 血中の蛋(たん)白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

蛋白質や血球といった大きな分子は、糸球体からボウマン嚢に濾し出されません。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

なお、糸球体からボウマン嚢に濾し出されるのは、水分・糖・電解質です。

選択肢3. 血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

血中のグルコース(糖の一種で、代表的な単糖の一つ)は、糸球体からボウマン嚢に濾し出されます。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢4. 原尿中に濾(こ)し出された電解質の多くは、ボウマン嚢(のう)から血中に再吸収される。

原尿中に濾し出された電解質(ナトリウム、カリウム等)の多くは、ボウマン嚢ではなく「尿細管」から血中に再吸収されます。なお、水分・糖も同様です。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢5. 原尿中に濾(こ)し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

原尿中に濾し出された水分の多くは、そのまま尿として排出されるのではなく、尿細管で血中に再吸収されます。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

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04

腎臓と尿に関する問題です。

腎臓の構造とはたらきについて理解しておきましょう。

では、選択肢をみていきましょう。

選択肢1. 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

誤りです。

血中の老廃物は「糸球体」でろ過されます。

ボウマン嚢(のう)は、

糸球体を包む内葉と外葉からなる二重の袋構造になっており、

糸球体によりろ過された尿を包み込んでいます。

選択肢2. 血中の蛋(たん)白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

誤りです。

通常、血中の蛋(たん)白質と血球はろ過されません。

そのため、尿に蛋白と血球がみられる場合、腎臓の病気が疑われます。

選択肢3. 血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

正しいです。

文のとおりです。

選択肢4. 原尿中に濾(こ)し出された電解質の多くは、ボウマン嚢(のう)から血中に再吸収される。

誤りです。

文中の「ボウマン嚢(のう)」の部分が誤りです。

正しくは「尿細管」です。

選択肢5. 原尿中に濾(こ)し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

誤りです。

濾(こ)しだされた水分は尿細管で再吸収され、

不要な分が尿として排出されます。

参考になった数10