第二種衛生管理者の過去問
平成29年10月公表
労働衛生 問19
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問題
第二種 衛生管理者試験 平成29年10月公表 労働衛生 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- O-157やO-111は、ベロ毒素を産生する大腸菌で、これらによる食中毒は、腹痛、出血を伴う水様性の下痢などの症状を呈する。
- ノロウイルスは、手指、食品などを介して経口で感染し、腸管で増殖して、嘔吐、下痢、腹痛などの急性胃腸炎を起こすもので、冬季に集団食中毒として発生することが多い。
- ボツリヌス菌は、缶詰、真空パック食品など酸素のない食品中で増殖して毒性の強い神経毒を産生し、筋肉の麻痺症状を起こす。
- 毒素型食中毒は、食物に付着した細菌が増殖する際に産生した毒素によって起こる食中毒で、腸炎ビブリオ菌などによるものがある。
- 感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、サルモネラ菌などによるものがある。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 この症状は、激しい腹痛や出血のある水様性の下痢に悩まされます。本肢は正しいです。
2 冬場に多く感染者がでます。本肢も正しいです。
3 ボツリヌス菌は、神経毒があり筋肉の麻痺を生じます。本肢の記述の通りです。
4 腸炎ビブリオ菌などは、感染型の食中毒になります。毒素型ではありません。本肢が誤りとなります。
5 感染型の典型菌です。よって、本肢も正しいです。
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02
食中毒は大きく分けて①細菌性②ウイルス性③寄生虫④自然毒⑤化学物質の5つに分類されます。そのうち、細菌性は毒素型と感染型に分類されます。各特長と代表例をおさえましょう。
1.◯
ヒトに対して下痢などの症状を起こす大腸菌を病原性大腸菌と呼びます。中でも、ベロ毒素を作り出し、強い消化管症状や重症な病態をひきおこす病原性大腸菌のことを腸管出血性大腸菌と呼びます。腸管出血性大腸菌の代表例には【O-157、O-111】などがあります。
主に、生肉の摂取などが原因でおこり、潜伏期間は3−5日と比較的長いのが特長です。感染すると【腹痛、出血を伴う水様性下痢、血便】などの症状が出現します。(参考:厚生労働省 腸管出血性大腸菌Q&A https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html)
2.◯
ノロウイルスは【冬季】に集団発生することで有名なウイルスです。食品や吐瀉物などから【経口的に感染】し、体内でノロウイルスが増殖することで発症します。症状としては【腹痛、嘔吐、下痢】などがあります。潜伏期間は【1ー2日間】と言われています。
ノロウイルスの殺菌には、エタノールはあまり効果がなく【煮沸消毒や塩素系消毒剤】が有効です。(参考:厚生労働省 ノロウイルス
関するQ&A https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html#13)
3.◯
ボツリヌス菌は芽胞という硬い殻のようなものに包まれて存在しています。そのため、熱や乾燥に強いのが特徴です。また、嫌気性菌(空気のない状態を好む菌)ですので、缶詰や真空パックの中で増殖して、強い神経毒を産生します。
4.×
毒素型食中毒は細菌が食品中で増殖し、細菌が産生した毒素によっておこります。代表例は黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌です。
5.◯
感染型食中毒は食品に付着した菌そのものが体内で増殖して食中毒を起こします。代表例はサルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどです。
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03
毒素型食中毒とは、既に食品の中で産生した毒素よって起こるものです。例としては選択肢3で挙げられているボツリヌス菌のほか、黄色ブドウ球菌によるものがあります。4で記載されている腸炎ビブリオは感染型です。
他の選択肢については文のとおりです。
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