第二種衛生管理者の過去問
令和2年10月公表
労働生理 問26

正解5
腎臓の機能は複雑ですので、絵を書くなどして整理すると覚えやすいです。

腎臓はネフロンとよばれる単位から構成されており、1つの腎臓におよそ100万ネフロン存在しています。ネフロンは腎小体（糸球体＋ボウマン嚢）と尿細管からなりたっています。

血液中の老廃物は糸球体からボウマン嚢に濾しだされます（後述）。ボウマン嚢に濾し出されたものは原尿と呼ばれ、原尿はボウマン嚢→尿細管→集合管→尿管と流れていき尿となります。尿細管や集合管では、体で再利用できるものは血液中に再吸収されます（後述）。

腎機能が正常な場合、糸球体からボウマン嚢に濾しされるものは【水分、糖（グルコース）、電解質】です。一方、濾し出されないものは【蛋白質、血球】です。

腎機能が正常な場合、尿細管から血液中に再吸収されるのは【水分、糖、電解質】などです。

以上から、本問をみていきます。

A.◯
正しい記載です。解説は上記を参考にしてください。

B.◯
正しい記載です。尿は約95%は水分、約5%が固形物で出来ています。尿の成分は全身の健康状態を反映するので、健康診断などで尿検査は広く行われています。

C.×　
誤りです。腎機能が正常な場合、糖はボウマン囊中に濾し出されます。しかし、尿細管で血液中に再吸収されるので、尿中には排出されません。

D.×
誤りです。腎機能が正常な場合、蛋白質はボウマン囊中に濾し出されません。

以上から、誤りはCとDなので答えは選択肢5となります。

正解は(5)です。

C：誤り。ボウマン嚢に糖は濾し出されます。

D：誤り。タンパク質はボウマン嚢に濾し出されません。

C,Dの補足です。

ボウマン嚢に濾し出されるのは　水分・電解質・糖(グルコース)、濾し出されないのは　血球・蛋白質です。

腎臓の内容は混乱しやすいので先ずはこの内容を最低限覚えてください。

また尿と腎臓で試験に出やすい内容を簡単にまとめますので覚えてください。

①尿：淡黄色の液体で弱酸性です。95％が水分で5％が老廃物です。

②腎臓は背骨の両側に左右に一対あり、それぞれの腎臓から1本ずつ尿管が出て膀胱に繋がっています。 　

※1本のところが試験に出易いです。

③ネフロン：1個の腎小体とそれに続く尿細管からなり、腎臓1個に約100万個あります。 　

※100万個に注意です。

１：×
２：×
３：×
４：×
５：○

A～DのAからDの記述について、正しくは以下の通りになります。
　A：正しい記述です。
　B：正しい記述です。
　C：腎機能が正常な場合、糖はボウマン囊中に濾し出されるが、尿細管でほぼ100%再吸収されるので尿中にはほとんど排出されない。
　D：腎機能が正常な場合、大部分の蛋白質はボウマン囊中に濾し出されないので尿中には排出されない。

よって、記述が誤っているものはCとDですので、5が正しい選択肢となります。

正解は、５　です。

A正しい記載です。
1つの腎小体（糸球体とボウマン嚢）と1本の尿細管で『ネフロン』という腎単位を構成します。1つの腎臓中には約100万個の『ネフロン』があります。

B正しい記載です。
尿は弱酸性の液体で、その成分は、水分が90～95%で、残りが固形成分です。1日に1.5 L 前後の尿量があります。その比重は通常1.010～1.025です。

C誤りの記載です。
腎小体で血液中の汚れを綺麗にします 。その時に糖も抽出されますが、尿細管にて再度糖が血液に再吸収され正常な腎機能ですと尿中に糖は出ないです。

D誤りの記載です。
正常な腎機能ですと腎小体でタンパク質は抽出されないです。

よって、正解は、5になります。