第二種衛生管理者の過去問
令和3年4月公表
労働生理 問29

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問題

第二種 衛生管理者試験 令和3年4月公表 労働生理 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

代謝に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪、グリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを同化という。
  • 代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて、細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることを異化という。
  • 基礎代謝は、心臓の拍動、呼吸運動、体温保持などに必要な代謝で、基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の測定値で表される。
  • エネルギー代謝率は、一定時間中に体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比で表される。
  • エネルギー代謝率は、生理的負担だけでなく、精神的及び感覚的な側面をも考慮した作業強度を表す指標としても用いられる。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は「基礎代謝は、心臓の拍動、呼吸運動、体温保持などに必要な代謝で、基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の測定値で表される。」です。

選択肢1. 代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪、グリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを同化という。

体脂肪、グリコーゲンからATPに物質が分解されていますので、異化です。

選択肢2. 代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて、細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることを異化という。

合成されていますので同化です。

選択肢3. 基礎代謝は、心臓の拍動、呼吸運動、体温保持などに必要な代謝で、基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の測定値で表される。

正しいです。

過去の試験で、基礎代謝量は「睡眠」、横臥、安静時の測定値で表される=誤り という問題がありましたので注意してください。(睡眠ではなく「覚醒」が正しいです。)

選択肢4. エネルギー代謝率は、一定時間中に体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比で表される。

誤りです。

一定時間中の体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比は呼吸比の事であり、エネルギー代謝率ではありません。

酸素を用いた計算を想像すると正解の様に思えますが、実際はエネルギー量を計算していますので、二酸化炭素を用いません。

選択肢5. エネルギー代謝率は、生理的負担だけでなく、精神的及び感覚的な側面をも考慮した作業強度を表す指標としても用いられる。

誤りです。 純粋な身体活動強度を示すものです。

またエネルギー代謝率は、体格、性別、年齢が考慮されている基礎代謝量を基準としていることから、体格、性別などの個人差による影響は少なく、同じ作業であれば、ほぼ同じ値となりますので、合わせて覚えてください。

まとめ

以下に代謝に関わる補足説明を記載します。

・代謝その物の意味は 生体内で生じる全ての化学変化とエネルギー変換のことですが 同化と異化の2つに分けられます。

「異化」とは有機物を単純な物質に分解すること、 「同化」とは合成反応 です。

一言で言うと分解するか合成(くっ付けてしまう)か?という風に言葉の通りにイメージすると分かり易いです。

・基礎代謝とは横臥位(上向きで横になった状態)で安静状態で、睡眠することなく、腕や脚などを動かさずに行う代謝の事を意味します。  

要は起きている状態で運動以外の代謝を意味しています。

・エネルギー代謝率(RMR)は、活動に必要としたエネルギー量が基礎代謝量の何倍に当たるかの活動強度の指標です。

エネルギー代謝率(RMR)= (活動時のエネルギー消費量 - 安静時のエネルギー消費量)/ 基礎代謝量

※具体的な計算の場合は酸素の消費量が利用されます。

・この設問には出てきていませんが、身体活動の強度を示す単位でMETS(メッツ)があり、1RMR=1.2METSになります。

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02

正解:基礎代謝は、心臓の拍動、呼吸運動、体温保持などに必要な代謝で、基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の測定値で表される。

選択肢1. 代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪、グリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを同化という。

誤り

代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪、グリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを【異化】といいます。

選択肢2. 代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて、細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることを異化という。

誤り

代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることを【同化】といいます。

選択肢3. 基礎代謝は、心臓の拍動、呼吸運動、体温保持などに必要な代謝で、基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の測定値で表される。

正しい

正しい記載です。

選択肢4. エネルギー代謝率は、一定時間中に体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比で表される。

誤り

一定時間中に体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比で表されるのは【呼吸商】です。

選択肢5. エネルギー代謝率は、生理的負担だけでなく、精神的及び感覚的な側面をも考慮した作業強度を表す指標としても用いられる。

誤り

エネルギー代謝率は、精神的及び感覚的な側面を考慮するものではありません。

純粋な生理的負担を測るものとして用いられます。

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03

代謝に関する問題です。

選択肢1. 代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪、グリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを同化という。

「同化」と「異化」の説明が逆になっています。

選択肢2. 代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて、細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることを異化という。

「同化」と「異化」の説明が逆になっています。

選択肢3. 基礎代謝は、心臓の拍動、呼吸運動、体温保持などに必要な代謝で、基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の測定値で表される。

説明のとおりです。

選択肢4. エネルギー代謝率は、一定時間中に体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比で表される。

呼吸商の説明です。

エネルギー代謝率 =「(活動時のエネルギー消費量 - 安静時のエネルギー消費量) / 基礎代謝量 = 活動代謝量 / 基礎代謝量」の計算式で求めます。

選択肢5. エネルギー代謝率は、生理的負担だけでなく、精神的及び感覚的な側面をも考慮した作業強度を表す指標としても用いられる。

エネルギー代謝率は、精神的及び感覚的な側面をも考慮した作業強度を表す指標としては用いられていません。

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04

答えは「基礎代謝は、心臓の拍動、呼吸運動、体温保持などに必要な代謝で、基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の測定値で表される。」です。

選択肢1. 代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪、グリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを同化という。

誤。代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪、グリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを異化と言います。

選択肢2. 代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて、細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることを異化という。

誤。代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて、細胞を構成する蛋(たん)白質などの生体に必要な物質に合成されることを同化と言います。

選択肢3. 基礎代謝は、心臓の拍動、呼吸運動、体温保持などに必要な代謝で、基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の測定値で表される。

正。基礎代謝は覚醒、横臥、安静時の測定時で表されます。

選択肢4. エネルギー代謝率は、一定時間中に体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比で表される。

誤。エネルギー代謝率は、作業に必要としたエネルギー消費量が基礎代謝量の何倍になるかを示す値です。

選択肢5. エネルギー代謝率は、生理的負担だけでなく、精神的及び感覚的な側面をも考慮した作業強度を表す指標としても用いられる。

誤。エネルギー代謝率は、精神的及び感覚的な側面を考慮した作業強度を表す指標として用いられません。

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