第二種衛生管理者の過去問
令和4年10月公表
労働衛生 問10

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問題

第二種 衛生管理者試験 令和4年10月公表 労働衛生 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒で、ボツリヌス菌によるものがある。
  • 感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、サルモネラ菌によるものがある。
  • O-157は、ベロ毒素を産生する大腸菌で、腹痛や出血を伴う水様性の下痢などを起こす。
  • ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1~2日間である。
  • 腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。

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この過去問の解説 (3件)

01

食中毒は、食中毒を起こす細菌、ウイルスなどの有毒物質が付いた食べ物を食べることで、腹痛・発熱などの症状が出る病気です。

食中毒は、細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、自然毒食中毒、化学性食中毒に分類できます。

(1) 細菌性食中毒は、感染型食中毒と毒素型食中毒に分けられます。

➀ 感染型食中毒は食べ物に付着した細菌の感染で起こる食中毒で、細菌が中毒を引き起こします。

・サルモネラ菌

加熱が十分でない肉や魚などが原因で、食後6時間から48時間の潜伏期間の後に、吐き気・腹痛・げり・発熱の症状が出ます。特徴として、乾燥に強く、熱に弱いことです。

・腸炎ビブリオ菌

生の魚介類が原因で、食後4時間から96時間後に、激しい下痢や腹痛の症状が出ます。塩分を好み、真水や熱に弱いという特徴があります。

・カンビロバクター

加熱が十分でない鶏肉や、洗っていない野菜や井戸水などが原因で、食後、2日~7日で、下痢や発熱や腹痛の症状が出ます。乾燥に弱く、加熱で菌は死滅します。

② 毒素型食中毒は食物に付着した細菌の感染により、感染が出す毒素で起こる食中毒です。

・ボツリヌス菌

缶詰や真空パックなど酸素のない食品中で毒素が増殖することが原因で、吐き気や嘔吐の症状が現れ、筋肉麻痺症状も起こします。

菌は長時間煮沸しても死滅しない特徴があります。

(2) ウイルス性食中毒は、ウイルスが寄生した食品から起こる食中毒です。

・ノロウイルス

手指や食品を介して経口で感染し、腸で増殖し、嘔吐・下痢・腹痛の急性胃腸炎を引き起こします。感染者の嘔吐物や便などをさわって感染することもあるため、石鹸での手洗いが必要です。潜伏期間は1日から2日程度で、冬季に集団食中毒となる場合があります。ノロウイルスの殺菌には、煮沸消毒や塩素系の消毒剤が有効です。

選択肢1. 毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒で、ボツリヌス菌によるものがある。

〇 正しいです。

選択肢2. 感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、サルモネラ菌によるものがある。

〇 正しいです。

選択肢3. O-157は、ベロ毒素を産生する大腸菌で、腹痛や出血を伴う水様性の下痢などを起こす。

〇 正しいです。

選択肢4. ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1~2日間である。

〇 正しいです。

選択肢5. 腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。

× 腸炎ビブリオ菌は、熱に弱い菌です。熱に強いは誤りです。

まとめ

食中毒からの出題は頻繁に出されます。菌やウイルスの名称と症状と特徴を覚えれば、良いでしょう。菌などの種類は数が少ないので覚えられやすいでしょう。

下記に農林水産省で紹介している食中毒について、サイトを紹介します。

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/index.html

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02

食中毒に関する問題です。

細菌性食中毒は「毒素型」と「感染型」に分かれます。

【感染型】

食品と一緒に食べた(付着していた)細菌が身体の中で増殖して、食中毒が起こります。

細菌自体が原因の場合、また細菌が増殖する段階で産生される毒素が原因の場合があります。

腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌、病原大腸菌、腸管出血性大腸菌(O-157)、カンピロバクター、サルモネラ属菌

【毒素型】

食品中で細菌が増殖する時に毒素を産生し、それを食べることで食中毒が起こります。

セレウス菌、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌

選択肢1. 毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒で、ボツリヌス菌によるものがある。

設問の通りです。

選択肢2. 感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、サルモネラ菌によるものがある。

設問の通りです。

選択肢3. O-157は、ベロ毒素を産生する大腸菌で、腹痛や出血を伴う水様性の下痢などを起こす。

設問の通りです。

O-157はベロ毒素を産生します。主症状は下痢、腹痛、発熱、嘔吐などです。

選択肢4. ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1~2日間である。

設問の通りです。

ノロウイルスは、ウイルス性食中毒です。

近年は1年を通して発生するようになっていますが11-2月の冬に多く発生します。

1-2日の潜伏期間の後、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱の症状が出現します。

選択肢5. 腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。

誤りです。

腸炎ビブリオは熱に弱いです。

熱に強いのは、ウェルシュ菌、セレウス菌、ボツリヌス菌です。

参考になった数25

03

食中毒全般に関する問題です。

選択肢5. 腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。

腸炎ビブリオ菌は熱に弱く、100℃では数分で死滅し、4℃以下ではほとんど増殖しません。

よって、これが誤った選択肢です。

まとめ

食中毒の種類と原因、熱などの対策方法を問われる問題は頻出です。

覚えていなければ解くことができませんが、暗記しておけば確実な得点源にできます。

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